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債務超過寸前「東芝決算」を左右する「原発」「医療機器」「会計事務所」 - 磯山友幸

 巨額の粉飾決算の後遺症に揺れる東芝が2月4日、四半期決算の発表で、2016年3月期の最終赤字額を7100億円に下方修正した。もちろん同社としては過去最悪の赤字。自己資本(株主資本)はわずか1500億円まで減少する見通しで、債務超過目前の崖っぷちに立たされる。株価も急落、35年ぶりの安値圏で推移している。

 電力・社会インフラ部門などで市況の悪化による減損処理を実施したことや、半導体事業での在庫の評価減などが主因としている。だが、要は過去からの甘い資産評価などによって一気に損失処理を迫られているのだ。記者会見した室町正志社長は、「来年度からのV字回復を図るため、今年度にウミを出し切る」と強調したが、懸案の米原子力子会社、ウエスチングハウス(WH)の「のれん代」約3440億円は減損の必要がないとして手つかずのまま残されている。

 中国を中心に世界経済の減速が鮮明になる中で、事業環境は一段と厳しさを増している。そんな中で東芝は本当に「ウミを出し切る」ことができるのかどうか、まだ予断を許さない。

「虎の子」の売却

 東芝が昨年9月に発表した決算修正では、2014年3月期までにかさ上げしていた利益は2781億円にのぼった。これに2015年3月期の最終損益378億円を加えると、ざっと3000億円の赤字。今期の見通しが7100億円の赤字ということは、昨年4月の不正発覚以降、1兆円以上の損失が表面化したことになる。

 実は、昨年4月に東芝の不正会計問題が表面化した後、首相に近い政治家の間で1つの噂が流れていた。

「東芝の含み損は1兆円らしい」「債務超過にはならないが、そのギリギリの線」――。

 そんな会話が交わされていたのである。こうやって決算が出てきてみると、その噂があながち的外れでなかったことが徐々に明らかになってきた。

 室町社長は「ウミを出し切る」と言うが、そんな言葉とは裏腹に、現状では逆の動きになっている。債務超過を回避するための“決算作り”に血眼になっているのである。もちろん「作る」といっても不正を働くという意味ではない。債務超過にしないためなら何でもやる、という姿勢に徹しているのだ。

 そんな典型例が、医療機器メーカーである東芝メディカルシステムズの売却。将来の成長性が高いと社内外で見られてきた東芝の「虎の子」だった。まさか将来のメシの種を売ることはないだろうという世間の見方を裏切り、昨年末の段階で売却方針を決めた。執行部からは、今年3月までに売却の基本合意を完了するよう指令が飛んでいた。もちろん、3月期決算に間に合わせるためである。

 東芝メディカルの売却では、1月末にすでに1次入札が行われた。米投資ファンドのコールバーグ・クラビズ・ロバーツ(KKR)や富士フイルム、コニカミノルタ、キヤノン、ソニーなどの名前が挙がっている。売却益は4000億円以上になると見られている。

WH「減損処理」の可能性

 虎の子の売却益が数千億円だとしても、東芝は安泰ではない。というのも、懸案のWHの減損問題がくすぶっているからだ。今回発表した四半期決算では減損は必要ないという判断だったが、本決算でそれが認められるかはまだ分からない。

 東芝がWHを買収したのは2006年のこと。当時噂されていた価格の2倍以上に当たる約5400億円で買収した。東芝はWHの資産価値を約2000億円と算定、買収額との差額約3400億円を「のれん代」として資産計上した。

 ところが、買収後の2011年の東日本大震災で東京電力福島第1原子力発電所の事故が起きる。世界で脱原発の動きが強まるなど原発を巡る事業環境が一気に悪化したため、のれん代の消却が焦点になる。

 その際、米会計事務所がWHに対して「のれん」の価値を約1600億円分引き下げ、決算で損失として処理するよう指導した。米国子会社では減損を実施していたことが昨年明らかになったのである。東芝はこれまで、原子力事業全体としては順調だとして、連結決算では一切減損を行ってこなかったが、この「隠ぺい」が明らかになったことで、一気にWHの減損問題が焦点になっている。

 一方で東芝は、決算書を監査してきた新日本監査法人を今期限りで交代させることを決めている。東芝の粉飾決算を見抜けなかった新日本は、昨年末に金融庁から一部業務停止命令や課徴金の支払いを含む行政処分を受けた。新日本にとっては予想外に厳しい処分で、「不正を働いた東芝より厳しいぐらいだ」(新日本の会計士)という不満が渦巻いている。

 1月末で退任した英公一理事長の後任である辻幸一氏は職人肌の会計士といわれ、「東芝の最後の決算にかなり厳しい注文を付ける」(新日本の関係者)とみられている。監査は、来年度から業界4位のPwCあらた監査法人に移管されることが決まっており、仮に新日本がWHの減損処理を見送ったものを、来年あらたが処理を求めた場合、「新日本にとっては恥の上塗りになる」(同)というのだ。

 それだけに新日本が最後の最後にWHの減損処理を求める可能性は十分に残っている。東芝とすれば、東芝メディカルの売却益を早期に立てることで、WHの減損処理をしても債務超過に陥らない状態にしたかったのではとみられている。

厳しさ増す金融機関の「注文」

 なぜ、東芝はそこまで債務超過の回避に必死なのか。融資を受けている金融機関に求められているからに他ならない。金融機関からすれば、東芝が仮に債務超過に陥れば、東芝向けの貸し出しは「要注意先債権」として償却しなければならなくなる。東芝向けの貸し出しは巨額なだけに、金融機関自身の決算への影響も大きい。

 リーマンショックがあった2008年ごろから、三井住友銀行などメガバンクの東芝向け貸し付けには「財務制限条項」が付けられてきた。詳細は不明だが、赤字に転落したり債務超過になれば、「期限の利益」を失い、一括して全額返済しなければならなくなる。そうなれば、もちろん東芝は潰れ、金融機関も一気に損失を被ることになる。

 東芝の内情を知っている金融機関は、東芝との間で直接交渉を行い、財務制限条項に抵触した後も、融資を続けているのではないかとみられている。逆に言えば、それだけ金融機関の「注文」は厳しさを増しているのだ。もちろん、2008年以降、東芝の内情を知っていた金融機関が東芝向けの債権放棄などを迫られることになれば、金融機関自身が株主から訴訟を起こされかねないからだ。

 今期の決算で「ウミを出し切り」、来年度以降の復活プロセスを示すことで、投資家などから新規の出資を仰ぎ、資本増強する。そのためには売れるモノは売ってバランスシートを形の上で綺麗にしておくことが求められていたわけだ。

 本来なら、将来の収益源である東芝メディカルの売却は「愚策」のはずだが、もはやそんな甘い事は言っていられないのである。

コンセンサスのない原発政策

 政府関係者は、「もはや東芝は解体プロセス。最後には原発と防衛関連ぐらいしか残らない」という声も漏れる。ただ、だからと言って、東芝が破綻するというわけではなさそうだ。原発が残れば、間違いなく政府は東芝を潰せなくなる。

 原発の新設を国内で再開するのは難しいとしても、老朽化した原子炉を解体する廃炉作業は今後本格化する。日本にとって原発技術は不可欠なため、東芝を救済する大義名分が出てくる。そうした大義名分の下で、産業革新機構など政府系ファンドの資金が導入される、というのである。

 安倍晋三内閣は「安全が確認された原発から再稼働させる」としているものの、将来に向けた原発政策は事実上「封印」したままだ。閣議決定したエネルギー基本計画では、原子力を「重要なベースロード電源」と位置づけたものの、老朽原発の稼働期間延長や廃炉、更新(リプレイス)、新増設などについては議論していない。国民を二分する議論になることを避け、なし崩し的に再稼働を進めているだけだ。そんな中で、東芝の原発技術を今後どうしていくのか。現状では政府に何らコンセンサスはない。

 今期末の決算を乗り切ろうとする東芝幹部の必死さをみていると、「チャレンジ」によって数字合わせに邁進した過去の姿を見ている錯覚に陥る。巨額粉飾決算のツケはあまりにも重い。

執筆者プロフィール
磯山友幸磯山友幸
1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)などがある。
(全記事引用) 

※筆者コメント
「室町社長はウミを出し切る、と言うが、そんな言葉とは裏腹に、現状では逆の動きになっている。債務超過を回避するための“決算作り”に血眼になっているのである。もちろん、作る、といっても不正を働くという意味ではない。債務超過にしないためなら何でもやる、という姿勢に徹しているのだ。」

やつぱり、そうした態度は信用できない。「東芝」という日本ブランドが倒産するはずが無い、と日本人の全員が思っている。また、そうなっては困るだろう。だから官官一部民の銀行が、手を貸す、そんな経緯のこれまでの企業救済「シナリオ」が読めるが~。

 

<東京ガールズコレクション創業者・大浜史太郎氏インタビュー>
「デザインなんて全部パクリ」スタイリングこそ日本ブランディング
mediagong(メディアゴン)
2016年02月08日 07:30
藤本貴之[東洋大学 准教授・博士(学術)/メディア学者]

2020年の東京オリンピックを控え、海外への日本PRがあらゆる場面で盛んだ。地方自治体はもとより、サブカルチャーやITは言うまでもなく、ファッションからエンターテイメントにあらゆる領域に至っている。

訪日外国人観光客が急増する一方で、今、日本のブランディングやデザインは揺れている。昨年はオリンピックのエンブレム問題や新国立競技場の建設問題で白紙撤回するなど世界中に日本の体たらくぶりを見せて失笑された。

本稿ではジャパンブランディンの第一人者で、毎回3万人を動員するファッションイベント「東京ガールズコレクション」(以下、TGC)の仕掛人/初代実行委員長として活躍したブランディングディレクター・大浜史太郎さんに、日本をブランディングするための「デザイン」について語ってもらった。[聞き手:藤本貴之(東洋大・准教授)]

***(以下、インタビュー)***

[大浜史太郎氏(以下、大浜)]佐野氏による「五輪エンブレム問題」。あれは単に「産地の偽装問題」。佐野氏が自分のデザインを「これは○○さんからインスピレーションを得ました」とか「○○年代へのオマージュです」的に、正直にぶっちゃけて説明でもしてれば誰も非難しなかった(笑)。昔は、パリコレのデザイナーだって視点によっては、みーんなパクリ放題だった。米国系アートやウォーホルもそうです。日本やアジアのものもけっこう欧米にパクられてますよ。ただ互いにリソースがバレなかっただけ(笑)。

[藤本貴之(以下、藤本)]それはあらゆる「デザイン」に言えることですよね。

[大浜]そもそも、日本のストリートファッション界には多くの皆さんがイメージするデザイナーなんて存在しません。一部のモード系のデザイナーは怒るかもしれませんが、多くの日本のファッションブランドはデザイナーというより、ブランドを統括するディレクターやスタイリストさんたちが「こんなイメージで」という形ですすめていく「スタイリング提案型」が実情です。
TGCに参加するストリートブランドも、ほとんどが「スタイリング提案型ブランド」みたいなもの。でも、それが現代では新しい価値を創造している。

[藤本]タレントさんや人気モデルがディレクションしたブランドも多いですしね。

[大浜]一般的に、ファッションディレクターやバイヤーと呼ばれる人たちがLAやパリやNYへ行って買い付けしてきた洋服を、「少しアレンジして」オリジナルと言って提案するのも一般的です。

[藤本]もちろん、それが悪いわけではないですよね。デザインの定義、あり方としては、それが現在の技法であり、手法なわけですから。

[大浜]アパレルなんて歴史的に見ても、パクリしかないわけで(笑)

[藤本]今はインターネットでアイデアの着想元が検索で容易にバレてしまう時代。デザインのあり方も大きく変容している。そもそも「デザインとは何か?」を日本全体で再定義した方が良い時代に突入していますね。

[大浜]僕は、基本的にデザインには3つの定義があると思っています。1つめは、「シンボル(象徴や伝達型アイコン)」としてのデザイン、2つめは「スタイリングやコーディネート」としてのデザイン、そして3つめが「アート」としてのデザインです。そして、クリエイターなら誰もがアートに憧れます。出来栄えがどうであれ、「私のデザインはすべて価値があるのだ」っていう領域は、発注主の意図や目的など無視しても成立するからです。

[藤本]おっしゃることは理解できますが、僕はデザインとアートはまったく別モノであるという定義をしています。アートとデザインの混同こそ、デザイナーの大いなる「勘違い」だと。もちろん、アーティストがデザインをすることはあると思います。しかし、その逆はない。そもそも「発注主の意図や目的など無視したデザイン」は成立しませんから。

[大浜]アートとデザインの議論はさておき(笑)、日本は歴史的に加工貿易が得意で経済発展してきた背景があります。だから、オリジナルの発想やデザインより、そもそも海外にあるものを持ってきてスタイリングやコーディネートする方が得意なはずです。

[藤本]平賀源内みたいなパターンですね(笑)

[大浜]であるならば、アートのような「オリジナルデザイン」の発信はこの際はある程度は切り捨てて、「我々のデザインの再定義はこれです! 日本はスタイリング強国です!!」って言いきって勝負したほうが、むしろ一瞬で世界をリードできるし、日本のブランディングになる。東京の街を見渡してください。こんなに建築デザインが多様で節操のない都市もないですよ(笑)。この日本を無秩序で退廃的と呼ぶのか、いや伝統と先進性が共存している・・・と呼ぶのか。事実、日本はこの土壌ゆえに日本人の建築家は世界でもトップレベルになりました。不思議と日本の「和や美」は独特に「スタイリング」されて調和のとれた都市として海外からは見られ始めています。一方、国内のファッション業界は少し遅れていますが。

[藤本]「オリジナルの不在」は日本に限った話ではなく、今日のクリエイティブとされる産業全般に言える問題ですよね。

[大浜]その通りです。世界に目を向けると海外のラグジュアリーブランドだって、実は高級な「お茶漬け」みたいなものなんです。グッチだ、シャネルだっ・・・と言っても、統括するクリエイティブディレクターがこないだまでライバルだったブランドから転職してくるとかも多いので、どうしても実体的には「梅茶漬けとシャケ茶漬けの違い」くらいしか出せない。商品ラインによっては風味や匂いの違いくらいなものです。

[藤本]ラグジュアリーブランドは「高級なお茶漬け」ですか(笑)

[大浜]事実、ファッションって言いながら、誰もがどうにかして一生懸命「アート化しよう」と必死なのは大量の在庫を抱えている怖さがブランド業界全体にあるからです。ファッションを「アート化」すれば、古くなっても限定モノみたいにしていつまでも付加価値を維持できる。

[藤本]そもそも、アート化しよう!という部分に、大きな負荷がかかっているわけですよね。そういうことは、僕から見れば「不可能だ」と思うわけです。

[大浜]でも、その絶大な憧れのイメージがフランスやイタリア全体のブランディングの底上げになっている事実がある。今更、日本のすべてのデザインを京風や和風にはできないので、むしろ逆手にとってスタイリング大国に徹するべきだと思います。

***(以上、インタビュー)***

東京ガールズコレクションを牽引した大浜史太郎氏。現在は、海外にも拠点持ち様々なプロジェクトを進めているだけに、日本の現状を見る目は冷静だ。「スタイリング強国、ニッポン」という発想から何が出てくるのか? 今後の大浜氏の動向に注目したい。
(記事引用)

“お金がすべて”という価値観を僕たちは変えていきたい──前澤友作(スタートトゥデイ代表取締役 CEO)
http://gqjapan.jp/more/business/20120611/maezawayusaku
30代の若きCEOがひきいる株式会社スタートトゥデイ。日本最大級のファッション専門通販サイト「ZOZOTOWN」の商品取扱高は対前年比43%増。最近では初の提供番組「美少女ヌードル」がスタートし、話題を呼んでいる。好業績を牽引する経営者が語る、これからの日本のための資本主義とは。

聞き手:いなもあきこ 写真:山下亮一
前澤友作(スタートトゥデイ代表取締役 CEO)
「“お金がすべて”という価値観を僕たちは変えていきたい」 

1990年代、極めて入手困難なTシャツを買うため、朝から裏原宿の行列に並んだ青年が、今では世界にたった77台、日本にはまだ1台しかないというアストン・マーティンOne-77のハンドルを握る。腕にはリシャール・ミル、こちらも38本限定生産のプロゴルファー、バッバ・ワトソンの名を冠した限定モデルだ。いわば21世紀版、輝かしき“成り上がり”人生。

「中途半端が嫌いなんです。車も時計もアートも、ホンモノに投資したい。逆にいうと大量生産、大量消費という違和感に対する僕なりのアンチテーゼだったりします」。

日本最大級のファッション専門通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する、スタートトゥデイ代表の前澤友作さん。ブランド数1800超、会員数467万人、年間商品取扱高818億円。ビジネスを驚異的サイズにまで発展させた起業家が考える、資本主義の最前線とは。

楽しんでいる人から出るアイディアは利益を生み出す

対前年比43%の増収。急成長の要因は?

「人は夢中になれることを仕事にできれば一所懸命やるし、夢を持てる。楽しんでいる人から出るアイディアとかサービスって、やっぱり楽しいんですよ。たとえば最近提供を始めた、最新ファッションを着こなした美少女が人気ラーメンを紹介するという、斬新な組み合わせのテレビ番組とか。面白そうな動きには、多くのお客様や取引先ブランドの方々が興味を持って近づいてきてくださる。だからスタッフが楽しく働けて、それによってみんなの人生が豊かになるような環境を用意することが、利益を出すための一番の近道だと断言できます」

「さらに今期から、1日6時間労働を導入しました。短期集中型で“やるときはやる”というサムライみたいな働き方。余暇を活用して、スタッフが新たな楽しさを見つけてくれればいい」

オンラインアパレル通販はどう動きますか?

「ファッション関連小売市場は現在、15兆円程度の規模です。うち5%弱、つまり7000億円程度がEコマース(EC)経由です。欧米ではEC経由率が10%超という国もあるくらいなので、日本でもまだまだ伸びるという実感があります」

「中長期的には年間商品取扱高5000億円を目指したい。それを達成するためにいま力を入れているのが先行受注。コレクションや展示会と同じように、ブランドの新作をいち早くお客様に公開し、予約販売するシステムです。ブランド側は生産すべき量の目安が事前に分かるため過剰生産リスクを減らせますし、お客様は欲しいものを必ず手に入れられる。双方にとって幸せですよね」

今春、アマゾンもファッションに力を入れ始めました。市場の新しい動きに脅威を感じることは?

「いえ、まったく。むしろ盛り上げてくださってありがとう、とお礼を言いたいくらいです。将来、アマゾンさんでも楽天さんでもZOZOTOWNでも、扱うブランドも商品も値段もサービスレベルもすべて同じで差異がない、という時代が来るかもしれません。でも、そうなったときにお客様に選ばれるのはどこかと問われれば、僕らだと確信しています」

「まず僕らはファッションを愛しています。そしてファッション専門サイトとしてこれまで培ってきたお客様との信頼関係がありますし、常にファッション好きのお客様の視点に立ち、服の写真を撮ったり、サイズを測ったり、限定商品を開発したり、すべてのサービスがファッションを愛する我々スタッフから生まれたものです。消費者が購入場所を選ぶ際、最終ジャッジの決め手にするのは、本当に必要なサービスを本気で届けたいという、売り手側の思いや歴史です。そこには絶対の自信があります」

資本主義のフロンティアはどこに?

「日本ですね。日本人の多くは、行き過ぎた金融資本主義を警戒しているように僕は感じるんです。アメリカ式のマッチョな資本主義やヨーロッパ経済の崩壊をみていて、“何か違うな”と。震災によって、それを再認識した感もあります。欧米のマネばかりしていないで、日本は自分たちのアイデンティティを打ち出し、独自の資本主義の道を進むべきです。それが実現したときの将来性を含め、日本が最前線だと思います」

「そのために必要なのは、お金の民主化ですね。民間から選ばれた代表者が集まる政府が、お金の量を調整する権利を持つという意味です。ここ何年もデフレが続いているにもかかわらず、現状では政府が日銀に新札発行を強制的に求められないため、お金の価値が上昇している。お金の民主化なしにデフレは収束できないと思います」
いい人に投資することが資本主義を乗り切るための解

今年2月、東証一部に上場しました。その真の目的も「資本主義市場を変えることにある」そうですね。

「だから悲しいかな、今のこの社会を変革していくためには、それなりの資本力が必要だと感じることが多々あります。そのためにも企業としての経済的な成功は変革のための第一歩ともいえます。それとはまた矛盾してしまうんですが、いまの世の中に蔓延する“お金がすべて”という価値観自体も変えたいと思っているんです」

「もちろん“お金がすべて”なんてみんながみんな思っていないのは分かるんですが、結局お金のために本当の幸せや楽しむという価値を犠牲にしている人もたくさんいる。上場すると投資尺度として株価収益率や株主資本利益率なんかがまず見られちゃうんですが、本来のところ業績ってスタッフがいかに楽しくやりがいを持って笑顔で働いているかと連動してくるんです。そういう意味でも、お金より大切な“楽しむ”ということにとことんこだわることが、今後の資本主義を乗り切るための解だということを、身をもって証明したいですね」

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Aston martin one-77 News - Autoblog 日本版
jp.autoblog.com628×395画像で検索 【レポート】アストンマーティン「One-77」がついに残り1台に!
前澤友作CEOの愛車はコレ!
世界77台限定のアストン・マーティンOne-77
007の愛車として知られるアストン・マーティンが2009年に限定77台で発売した、ハンド・メイドのスーパーカー。フロントに潜む7.3リッターV12は最高出力760psを発揮、カーボン・モノコックの軽量ボディを220mph(355km/h!)に到達させる。すべて受注生産。定価120万ポンド(約1億6000万円!)。並みの国産車が100台買えます。
デザインコンシャスな社内はホワイトとブラックが基調

腕には、リシャール・ミル「キャリバーRM038 バッバ・ワトソン」モデル(4735.5万円)。
 
1975年、千葉県生まれ。高校卒業後、音楽活動の傍ら輸入CD・レコードのカタログ通信販売を開始。98年にカタログ通販サイトへ発展させ、有限会社スタートトゥデイを設立。2000年、通販をオンライン化し、スタートトゥデイを株式会社化。10月にアパレル界に進出し、オンラインセレクトショップ『EPROZE』、04年『ZOZOTOWN』をスタート。07年12月、東証マザーズ、12年2月東証一部上場を果たす。

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自己ブランディングをしないと、重要な意見も伝わらない──前澤友作(スタートトゥデイCEO)【作家、野地秩嘉の一行のことば】
前澤友作。日本最大のファッション通販サイトZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの創業者で社長だ。高校を卒業した後、インディーズバンドのドラマーとなる。アルバムのプロデューサーは椎名林檎と東京事変で活動している亀田誠治だった。


運営するスタートトゥデイの創業者で社長だ。高校を卒業した後、インディーズバンドのドラマーとなる。アルバムのプロデューサーは椎名林檎と東京事変で活動している亀田誠治だった。

経営者にとって取材は仕事のひとつである

企業のトップでインタヴュアーに難癖をつける人がいる。「キミ、その質問は他の人がしたよ」「もっと的を射た質問ができないもんかね」……。

私の場合は「愛人は何人いますか」といった突拍子もないことを尋ねることにしているので、トップたちから怒られたり、言葉を返された経験はない。しかし、何人かの取材者に聞いてみると、インタヴュー時にイライラする人は少なくないようだ。

確かに、尊大な態度の記者は多いし、不勉強なジャーナリストもいるだろう。だが、企業のトップやビジネスマンにとって、取材対応は仕事だ。目の前の記者を一喝しても、いい結果は得られない。「取材を受ける」という意味を考えてみるべきだろう。

まず、メディアの人間が取材に来る場合、それぞれが談合して質問項目を決めているわけではないから、たいていは同じ内容の質問になる。そして、取材に慣れている社長、発信力のある社長は5度も6度も同じ質問をされても、ちゃんと、視聴者や読者を想定して、違う答えを返す。つまり、取材に答えるとは、同じ質問に対して、どれだけバリエーションをつけて答えることができるかなのである。

要は、社長たる者、勉強不足のジャーナリストを叱るよりも、テレビカメラや新聞、雑誌の背後にいる大衆に向かって話をするべきなのだ。目の前の人間にとらわれてしまうのが発信力のない経営者、ビジネスマンの特徴と言える。

その点、取材に対して上手な受け答えをしているように見えるのが前澤友作だ。「初めて取材を受けたのはまだバンドをやっているころでした」

前澤は日本最大のファッション通販サイトZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの創業者で社長だ。取材の意味をよくわかっているし、発信力を備えている。

「パンク雑誌の『ドール』からインタヴューを受けたのが最初で、以来、私の取材に対するスタンスは変わっていません。取材はひとつの仕事です。プロフェッショナルにやりたい。質問をくださる記者の方、撮影してくださるカメラマンの方が面白いと感じてくれることを言いたい。

そして、内容が読者に伝わることを意識して話します。うちの会社のことを何も知らずにくる記者もいますし、上っ面だけを聞いていく人もいます。それでも、私はちゃんとやると決めたので、なるべく興味をもってもらえる話をします」

こうした受け答えを聞いていると、前澤友作は35歳と若いのに、「大人だなあ」と感心してしまう。

ミュージシャンからEコマースサイトの寵児へ
(記事引用)

「ロボットタクシー」で話題のベンチャーZMP、谷口恒社長の思いとは
dot.asahi.com(更新 2015/7/27 16:00) 
今、自動車の自動運転システムの開発によって、世界から注目を集めるベンチャー企業がある。ロボット専業企業の株式会社ZMP(ゼットエムピー=東京都文京区)は「Robot of everything」をミッションに掲げ、自社のロボット技術をさまざまな産業に活かしている。日本では珍しい“ロボットベンチャー”の同社。その始まりから未来への可能性までを創業者で代表取締役社長の谷口恒氏に聞いた。

15年前からロボット開発、自動運転カーにつなげる

 ロボットが身近な存在へとなりつつあるなか、15年も前から開発に尽力してきたZMP。同社が開発を進める自動運転カー「RoboCar(ロボカー)」が熱い注目を集めている。

「自動運転技術とは、A地点からB地点まで自動で運転する技術のこと。まず最初に、障害物や標識などの道路状況をスキャニングする測量用の車を人が運転し、地図データを作ります。そのデータを自動運転システムに送信し、地図データと実際の道を照合しながら走行するのが一般的な自動運転カーの原理です。最近話題になっているグーグルやメルセデス・ベンツの“ドライバーレス(無人運転)カー”も、同じような技術の研究を進めているようです」と谷口社長は語る。

 見えない線路を頼りに道を走る自動運転カー。この技術を開発するきっかけとなったのは、2007年に同社が開発した“自律移動”する音楽ロボ「miuro(ミューロ)」だ。

 このmiuroは、一度リモコンでロボットを操作し、道のりを記録。時間を設定すれば、毎日同時刻に音楽を流してくれる。まさに、自動運転カーの元となる製品だった。

音楽ロボの技術が切り開いた自動運転への道

 その2年後には、乗用車の1/10サイズのミニカーに自律移動技術を載せた「RoboCar1/10」の自動運転に成功。次に1人乗り自動車に搭載して販売した。「12年にはトヨタの乗用車プリウスをベースにした『RoboCarHV』を売り出しています」。

 開発以来、自律移動はZMPのコア技術となり、さまざまなロボットに搭載されている。

「車以外でも、鉱山や農機メーカー、人手不足の物流業界など、自社の自動運転技術によって多くの仕事をラクにしたい、という思いがあります」。

技術者から営業職、そして起業家へと転身

 もともと車好きだったという谷口社長。学生時代には、アルバイトで貯めたお金で2台のスポーツカーを購入して乗りこなしていたという。
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「僕が大学生の頃は『いい車に乗ってるとモテる』という法則らしきものがあったんです(笑)。それから車が好きになって、卒業後には自動車の開発メーカーに就職しました」。

 当初はエンジニアとして、ABS(アンチロックブレーキシステム)の開発をしていたが、その後技術系の商社に転職。「世界のハイテク機器を日本に持ってきて研究所やエンジニアに売る用途開拓や、技術営業職として7年働きました」。
 谷口社長が商社で腕を磨いていた90年代後半、インターネットの可能性が、少しずつ世間に認められ始めた時期でもあった。

「ネットの登場で、将来は物流ではなくコンテンツの流通が必要になると感じた。ただ、社内でそれを言ってみても、みんなポカーンとしてたんですよね」。

 ネットが広く知られていなかった90年代。既存企業で新しいネット事業を始めるのは至難の業だった。そこで同社長は、後輩を誘って1998年に写真や音楽などのコンテンツをネット上で販売する企業を立ち上げた。今では当たり前ともいえる事業だが、18年前には最新鋭のサービスだった。「ロボットもそうですが、なんでも最先端が好きなんですよね」と、笑う。

「米国を追いかけるのはもう嫌だ!」

 しかし、順調に業績が伸びてきた矢先に“ネットバブル”が崩壊。手堅い経営をしていたため、痛手にはならなかったが、これを機にネットビジネス以外にも目を向け始めたという。

「ネット事業は、アメリカのビジネスモデルを追いかけているものばかり。ネットバブルが崩壊したと同時に『アメリカを追いかけるのはもう嫌だ!』なんて思っていた頃、ロボットに出会ったんですよ」。

 知り合いのエンジニアが文科省のヒト型ロボット研究所に転職。そこを見学したことが、谷口社長とロボットの運命の出会いとなる。

「その頃、文科省が研究した技術を民間に渡して産業化するテクノロジー・トランスファー(技術移転)が流行していました。そのとき、ロボットならアメリカと競争する必要もないし、技術もある。日本が世界に発信できる産業だ!と感じて文科省に申請したのがロボット開発の始まり。勝算があったわけじゃない」。

 その後、科学技術振興機構(JST)からヒト型ロボットの技術移転を受け、2001年にZMPを立ち上げた。

 同年には、二足歩行やダンスを得意とするロボット「PINO(ピノ)」を発表。イベントやテレビコマーシャルにひっぱりだことなる。

「当時、ヒト型ロボットを扱っていたのはホンダさんとSONYさんとうちだけ。ほとんど競争はありませんでした。今の『自動運転カー』もうちしかやってない事業。競争がない市場を開拓することが多いんですよね」。

自動運転タクシーはすでに名古屋で実験中

 同社が今進めるのは自動運転機能を搭載したタクシーが街を走る「ロボットタクシー」事業だ。先日、サービス実現に向けてネットサービス大手のディー・エヌ・エー(DeNA)と合弁会社を設立したばかり。

「ロボットタクシーはスマホアプリで目的地を選んで無人のタクシーを呼び出し、目的地まで自動運転で連れて行ってくれる仕組み。実は、昨年から名古屋の市街地では自動運転タクシーの実験が始まっています。法律の問題があるので今は運転手が乗っていますが、これから3年は安全性や利用者の反応など、さまざまなデータを集めて国に自動運転カー使用の許可を申請する予定です。2020年の東京オリンピックには、街を走る無人タクシーに乗れるかもしれません」。

 法整備の前に実験を始める――、誰よりも早く先手を打つ姿勢こそ、ZMPの強みだ。

「自動運転カーや無人タクシーが実用化されれば、バスやタクシーが減少している地方で大活躍するはず。交通の不便さが理由で“田舎”には住めない人が増えています。困っている人たちがすごく喜んでくれることが、ロボットタクシーを開発するモチベーションにつながっています」。

 ロボットタクシーが“未来”を乗せて私たちを迎えにくる日が待ち遠しい。

大貫 未来 株式会社清談社
2011年から東京IT新聞のインタビューコーナー「IT×新ビジネス 創造人」に携わる。書籍から雑誌まで幅広く担当する編集者・ライター。
(記事引用)

原油安が一変、
サウジ-イランの戦争突入で未曾有のオイルショックが…
週プレNEWS / 2016年2月5日 6時0分

原油の8割を中東に依存している日本ーー。

年明け早々、中東の盟主を争うサウジとイランが一触即発の緊張状態に突入し、従来のルールとは全く違う形で対立が進行している。何かのきっかけで戦争に発展してしまう可能性も十分にあるというが、ふたつの大国の衝突が起きるとすれば、それは世界、そして我が国にどんな影響を及ぼすのか? 

前回記事(「中東に再び一色触発の火種。サウジは意図的にイランを怒らせた?」)に続き、今回はありうる最悪のシナリオを検証。まず軍事ジャーナリストの古是三春(ふるぜみつはる)氏がこう予測する。
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「サウジとイランは1984年にもペルシャ湾上空で航空戦を交わしています。現在も両国は同空域で上空哨戒を行なっており、空軍機同士による予期せぬ遭遇戦という形で軍事衝突が起きる可能性が高いといえます。

ただ、両空軍の力の差は歴然。36機のF-14、70機前後のF-4ファントムという古い機体の混成であるイラン空軍に対し、F-15戦闘機を220機持つサウジ空軍が圧倒的に優勢でしょう」

そして海軍でも、やはりサウジが強いのだという。

「新型フリゲート7隻、コルベット艦4隻など総勢95隻を持つサウジ海軍が圧倒的に有利。旧式フリゲート4隻、コルベット艦2隻、ミサイル艇23隻が主力のイラン海軍を、水上戦闘では敵としないでしょう」

ただし、これが陸戦となると、まるで話は違ってくる。

「王族がオイルマネーを独占するサウジでは、中間層としての大衆の存在が希薄です。ゆえに、普通の国家のような地上兵力を十分に編成できず、陸軍は総兵力わずか7万5千人にすぎません。

一方、イランは正規の共和国陸軍が46万人、それとは別に最高指導者直轄の政治的軍隊である革命防衛隊の地上部隊が10万人。さらに予備役などを含め、全面戦争に入れば100万人以上を動員できるとされています」

しかも、サウジとイランは陸続きではないが、イエメン内戦にサウジは陸軍、イランは革命防衛隊を送り込んでおり、すでにある意味では“開戦状態”なのだ。

「現在、イエメンでゲリラ部隊と戦っているサウジ陸軍は、バックにいる革命防衛隊の存在により深刻な損失を被っています。今後、両国の衝突はイエメンなど“代理戦争”の舞台でさらに燃え上がるでしょう」(古是氏)

また、前述の通り、イエメンには「どちらにつくかわからない」スーダン軍やイランが支援する武装組織フーシなど、通常の軍隊とは違う、動きの読みづらい勢力もいる。

1月7日にはイエメンのイラン大使館がサウジ空軍に空爆されたとの情報が駆け巡った(サウジ側は否定)。こうした“事故のような事件”、いわば軍事的テロを各陣営・組織がゲリラ的に仕掛ける可能性も高い。

そして、イランがサウジ側との戦いに集中すると、思わぬ“副作用”も生まれる。イラクやシリアで対IS戦の中心的役割を担っている革命防衛隊の陣容が手薄になれば、どさくさに紛れてISがまた勢力を盛り返すかもしれないのだ。ISはスンニ派だが、シーア派諸国のみならず、サウジなどスンニ派王政国家も敵視しており、さらなる不確定要素となる。

こうして湾岸周辺で紛争が激化すれば、原油価格は供給不安でガンガン上がる。場合によっては、ペルシャ湾からホルムズ海峡を通って世界中に輸出される原油がストップするかもしれない。

特に、日本は原油の総輸入量の実に80%以上を中東に依存している。一部はペルシャ湾を回避するルートで供給される可能性もあるが、それでも輸入量は一気に半分以下にまで落ち込むだろう。元時事通信社ワシントン支局長の小関哲哉(おぜきてつや)氏はこう語る。

「ペルシャ湾が戦場となれば、湾岸からの輸出はほぼ全面的に途絶え、原油価格は100ドル以上に暴騰する。日本はこうした危機に備えて備蓄をしており、直ちに経済がストップすることはありませんが、世界経済は大混乱に陥るはずです。1970年代のオイルショックをはるかに上回る、1929年の世界大恐慌に匹敵するようなスーパーショックは避けられません」

さらに、中東では恐ろしい“連鎖反応”が起きる可能性もあるという。元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)氏はこう警告する。

「イランの核開発が進行すれば、サウジは自らがスポンサーとなっているパキスタンから核兵器を受け取る。そうなればクウェート、バーレーン、UAEも続く。中東発の“核ドミノ”の始まりです」

世界の命運を握る中東の火薬庫。今にも火をつけそうな危ないプレーヤーたちの対立は、どんな結末になるのか?

●この全文は『週刊プレイボーイ』5号(1月18日発売)「サウジVSイラン『中東戦争』大炎上で超オイルショックがやって来る!」でお読みいただけます。

(取材・構成/小峯隆生 協力/世良光弘)

古代神殿建築ペディメントの性格
(ケルキラのアルテミス神殿のペディメント 図)

1280px-Gorgon_at_the_Corfu_Archaelogical_Museum紀元前1700年頃クレタ島クノッソスで古宮殿時代から新宮殿時代への移行期。






「カリアティード」
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画像
フリードリヒ2世の城サンスーシ宮殿にあるバロック後期のカリアティードとアトラスの半身像(ポツダム)










 
カリアティード(caryatid、ギリシア語: Καρυάτις)は、頭上のエンタブラチュアを支える柱の役目を果たす女性の立像。
エレクテイオンのカリアティード・ポーチ(アテネ、紀元前421年 - 紀元前407年)
複数形はカリアティデス(Karyatides、ギリシア語: Καρυάτιδες)。女像柱、女人像柱とも。ギリシア語のカリュアティデスは本来「カリュアイ(英語版)の乙女たち」を意味する。
1280px-Poカリュアイはペロポネソス半島の古代の町で、そこにはアルテミス・カリュアティスとしての女神アルテミスを祭った神殿があった。

カリュアティス(Karyatis)=「カリュアイの乙女」はアルテミスの形容語句でもあり、「アルテミスは《カリュアイの乙女》としてクルミの木の村カリュアイの踊りに興じ、《カリュアイの乙女》たちは輪になって、頭に青い葦の飾りを載せ、自ら踊る植物のようになって踊り狂った」という。

ギリシア建築は、古代ギリシア人によって創造された建築様式である。特に神殿建築は代表的であり、古典主義建築の直接的、間接的規範とされ続けた。

ギリシア建築は紀元前7世紀頃から様式の創造が開始されはじめ、紀元前5世紀から紀元前4世紀頃にその頂点を迎えるが、空間よりも細部の装飾や比例原理を洗練させて自己完結していく傾向にあり、現代の美術的な感覚からすれば、建築よりもむしろ彫刻に近い。
その後のヘレニズム時代には建築の形態が再編成され、建物の関係性が意識されるようになり、やがてこれらがローマ建築に継承された。

古典主義建築の源泉でありながら、ヨーロッパでは18世紀に至るまで忘れ去られていた建築であったが、新古典主義運動において建築の起原であると考えられるようになり、ギリシア建築の復興運動(グリーク・リヴァイヴァル)を巻き起こした。
19世紀に建築起原論は解体されてしまったが、古典(classic)の象徴という概念は現代においてもなお続いている。
Pediment
画像 神殿
ペディメント

歴史的、地理的関係性を考慮すると、古代ギリシアの建築活動は紀元前2000年頃のミノア文明中期に遡り、ギリシア本土では紀元前1400年頃のミケーネ文明を発祥とする。
しかし、クレタの建築とミュケナイ建築、そしてギリシア建築との間にある程度の共通性が認められるが、その関連性は必ずしも明確ではなく、ギリシア建築と呼べる建築は紀元前8世紀頃が出発点と考えられている。
DoricParthenon
ミノア文明(ミノアぶんめい)は、エーゲ文明のうち、クレタ島で栄えた青銅器文明のことである。伝説上のミノス王にちなみ、ミノア文明ともよばれるが、クレタ文明と呼ばれる事もある。紀元前2000年頃の中期ミノア期に、地中海交易によって発展し、クノッソス、マリア(英語版)、ファイストスなど、島内各地に地域ごとの物資の貯蔵・再分配を行う宮殿が建てられた。

宮殿以外にもコモスやパレカストロのような港湾都市が繁栄。また、貿易を通じてエジプトやフェニキアの芸術も流入し、高度な工芸品を生み出した。紀元前18世紀ごろには、線文字Aを使用している。

紀元前1600年頃の後期ミノア期には、各都市国家の中央集権化、階層化が進み、クノッソス、ファイストスが島中央部を、マリアが島東部をそれぞれ支配するに至ったが木材の大量伐採による自然環境の破壊が文明そのものの衰退を招き、紀元前1400年ごろにミュケナイのアカイア人がクレタ島に侵入、略奪されミノア文明は崩壊した。
 
クレタの宮殿建築は非対称性・有機的・機能的な構成で、中庭は外部から直接に進入することができ、かつ建物の各部分への動線の起点となっている。建物は常に外部に対して開放されており、当時のクレタが非常に平和であったことが推察される。

初期の宮殿建築では、宮殿に接して市民の公共空間が設けられていたが、後期ミノア時代に社会体制が中央集権化・階層化するとともに次第に公共空間は廃れ、他の建築物が建てられた。祭政を一体として行っていたために、独立した祭儀場を持たない。

ミノア文明は、紀元前15世紀半ばに突然崩壊した。その原因を、イギリスの考古学者アーサー・エバンスらは、サントリーニ島の巨大爆発(ミノア噴火)に巻き込まれたとする説を唱えた。
しかし、アクロティリ遺跡の調査によってミノア文明が滅んだのは、ミノア噴火より50年後ほど経た後であり、サントリーニ島の噴火が直接の原因ではないことがほぼ確定している。
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画像 カマレス土器

クノッソスの宮殿の最古部はMMIBに属しているが、この時期に宮殿が完成されたわけではなく、北西部と西側の貯蔵庫が最初に構築され、その後、東側の建物が構築されたと考えられている。

西側の広場ではクールーレスと呼ばれる円形のピットが3つ掘られており、これらは穀物を地下に貯蔵していたとされている。また、最西部ではオリーブ油やワインなどが貯蔵されており、宮殿が構築当初から農産物の貯蔵に使用されていたことが伺える。

また、中央広場東部では土器の補完や紡績の作業場として使用されていたことが推測されており、これらの発展はメサラ平野のフェストス宮殿でも見ることができ、フェストスでは古宮殿時代はフェイズ1、フェイズ2、フェイズ3の三段階に分けられているが、それぞれのフェイズで貯蔵庫、加工の場としての性格が進行している。

クノッソスの宮殿における祭祀、行政の中核は宮殿西翼の東部で行われており、この中でも重要な箇所である「玉座の間」は過去にミケーネ時代(LMII)に至ってから構築されていたと思われていたが、その後の研究の結果、この時代に構築されたことが明らかになっている。

このようにクノッソスでは祭祀施設が宮殿内部に構築されていたが、マリアの宮殿では宮殿外のMu地区(Quartier Mu)と呼ばれる複合施設に構築されている。
これら古宮殿時代の宮殿は高編年では前1780年に地震で全て崩壊したと考えられている。しかし、その後、崩壊した宮殿の上に同様の計画を持ってより規模を拡大した上で再建されている。
(資料ウィキぺデア)

クレタ文明は前3000年から前1100年頃までクレタ島を中心に栄え、農業とエーゲ海を舞台とした周辺諸国との海上貿易によって繁栄を誇ったそうです。その代表的な都市がクレタ島のクノッソス、マリア、ファイストスなどであり、これらの宮殿建築はかなり広い矩形の中庭を持ち、その周囲に様々な室がつらなっています。 

階段を巧みに利用して高低差を生かした部屋の配置がなされており、一見迷路のように見える平面も、関連する部屋はかなり合理的に置かれています。柱や梁は木造で、彩色が施され、柱は下に行くほど先細りとなる形を持っていました。 

ミュケナイ文明はペロポネソス半島の南部で前1600年頃より興り、前1400年頃にはクレタ島を制圧し、前1100年頃まで栄えました。その代表的都市がミュケナイやティリンスである。これらの都市は宮殿を中心としていることでは クレタ文明の都市と共通しますが、建築物は異なります。それは、ミュケナイやティリンスが巨石を用いた、堅牢な城壁をめぐらした城塞都市をなしていることです。 
 
さらに宮殿はメガロンと称される規模の大きな種室を中心に構成されます。メガロンは玄関ポーチ的な前室と居室にあたる後室からなり、2階建てであったと考えられています。前室には2本の柱が、後室には4本の柱が立ち、中央に炉が備えられていました。このメガロンの平面形式は後のギリシア神殿の神室に受け継がれていきます。
前田建設株式会社
(記事引用) 


木材の大量伐採による自然環境の破壊が文明そのものの衰退を招き、紀元前1400年ごろにミュケナイのアカイア人がクレタ島に侵入、略奪されミノア文明は崩壊した。

柱や梁は木造で、彩色が施され、柱は下に行くほど先細りとなる形を持っていました。 

この記述は、古代ヨーロッパにおいても木造建築があったことをうかがわせる。また、レバノン杉乱伐は神話にも描かれている教訓だ。

「紀元前1400年ごろにミュケナイのアカイア人」というのはギリシア文明以前の高度な文明があったことがわかる。

そして、カリアティードは、頭上のエンタブラチュアを支える柱の役目を果たす女性の立像。エレクテイオンのカリアティード・ポーチ(アテネ、紀元前421年 - 紀元前407年)など、建築構造に欠かせない四方の柱に、カリュアティス=「カリュアイの乙女」はアルテミスの形容語句で、「アルテミスは《カリュアイの乙女》としてクルミの木の村カリュアイの踊りに興じる、としているのは何を意味しているのか。その語る内容は、まるで神話スタイルで、建物構造については何も言及していない。
また、現代の建築研究でもアルテミス《カリュアイの乙女》の用途、に及んでは、柱の像がどうして少女であるのかの説明も無い。

それらをよくよく考えて見れば、日本の木彫仏像においても鬼を足で踏みつけ威圧している様の彫り物があり、意味合いでは共通すると思われる。それは古代信仰の心身供与の生贄儀式の表れと、捉えることもできる。

その頭上にある屋根下部分のぺディメントは、ヨーロッパ古代建築には伝統的に、神格化した人または動物が飾られている。その理由も「アルテミス」同様、たしかな理由の解釈がされていない。日本の神社建築は「切妻造」といって重用されている。

古来より西洋思想は、東洋と異なり、自然の驚異を人の力によって制圧するという思想が根底にある。その考えからすると「アルテミス」の生贄によって神託を許され、さらにぺディメントに配した神格像の神威を借りて、さらに天空へと昇りつめるという人間の飽くなき欲望を具現化した様式である、と結論した。


そこに描かれた像は巨大の限りがなく、大きければ大きいほど神に近づくという巨大信仰であり、それは宇宙の太陽神信仰と一体同化となる。

釈迦信仰の一説で、蜘蛛の糸を伝って天へと向かった一人の男が、下の地獄から這い上がってきた男を蹴り落とすと、その蜘蛛の糸が切れて、一緒に地獄へと転落したという説話。同じ筋でジャックと豆の木の話し。

ジャックは母親に言われて牝牛を市場へと売りに行く。しかし、途中で会った男の豆と牛を交換してしまう。家に帰ると怒った母親により豆を庭に捨てられるが、次の朝にその豆は巨木へと成長していた。
ジャックは豆の木を登り雲の上にある巨人の城にたどりつく。城で出会った巨人の妻はジャックに、夫はogreオーガ)なので早く逃げるようにと言うが、ちょうど巨人が帰ってきてしまう。巨人の妻はジャックを隠すが、巨人は(イングランド人)の匂いがすると言う。巨人が寝た後、ジャックは金の卵を産む鶏を奪って家に戻る。その後、ジャックはまた豆の木を登り金と銀の入った袋を奪う。
しかし、ハープを持っていこうとした時にハープが喋り出し巨人は起きてしまう。急いで地上に戻ったジャックは豆の木を斧で切り、追って来ていた巨人は落ちて死んでしまう。裕福になったジャックと母親は幸せに暮らす(近年では、裕福になるまでの事の次第を知った母親に諌められて反省したジャックが、真面目に働いて親孝行をするという展開に差し替えられる場合が多い)。

というイギリス童話のはなし。

どちらも欲深な人間のいましめ話、だが、その目的が空の天に向かうことで一致している。

そこから読み取れる古代信仰の本質は「アルテミス」同様、巨大化して天に向かうことである。

天に向かう、その蜘蛛の1本筋は完全無限の垂直でなければならない。でないと、たちまち吹いた息で傾き崩壊する。

目の前にある一本の箸を垂直に立てるにはたやすいが、10本となると難しい。さらに100本となると殆ど不可能に近い。

弾丸発射実験でスローモーション高速映像をみると、超スピードマッハでも視覚に映るが、壁に衝突した破壊力は凄まじい。その弾丸は、なにもしないカラのまま、二人の手の平でお互いキャッチポールをしたとしても痛くも痒くもない。問題は、弾丸そのマッハの速さにある。
陽子崩壊加速装置、大型ハドロン衝突型加速器は、高エネルギー物理実験を目的としてCERNが建設した世界最大の衝突型円型加速器の名称。LHC実験はそこで実施されている実験。LHCは陽子ビームを7TeVまで加速し、正面衝突させることによって、これまでにない高エネルギーでの素粒子反応を起こすことができる実験装置であり、ナノサイズでも高速衝突すると、物質本体構造が壊れてしまう。

目の前にある一本の箸を垂直に8000メートル立てると、世界最高峰の山エベレストに到達する。標高8844.43 m。時に地殻変動や地球温暖化などの影響で年々変化する。
その頂上に人間は上ろうとする。そこから下に落ちると命は保障されない。

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エベレスト街道|エリアガイド|西遊旅行
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満月の日、カラパタールより夕日に映えるエベレスト(右)を眺める

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