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永遠のエンドレス「ロシア北方領土問題」

敗戦国がゆえに北方四島を取られても何も言えない日本???

日ソ中立条約を破って、北方四島を奪ったここで択捉島、国後島、歯舞群島、色丹島の北方四島の歴史を簡単に振り返っておこう。
第二次世界大戦で日本は、ドイツ、イタリアと三国同盟を結ぶとともに、ソ連とは中立条約を結んで、米国や英国と戦争を始めた。ところが1945年2月にソ連(スターリン首相)が、ヤルタ会談で米英両国の首脳と協定を結んだ。ソ連の対日参戦の見返りとして千島列島をソ連の領土とするという密約だった。すでに日本の敗戦が目に見えていただけに、ソ連にとっては棚から牡丹餅だった。ソ連は中立条約を無視して8月9日に対日参戦した。ソ連は日本がポツダム宣言を受諾して降伏した14日以降も侵攻を続け、さらに日本が降伏文書に署名した9月2日以降も攻撃を止めなかった。そして北方四島を占領した。
これが歴史的な事実だ。ソ連が弱り切った日本に対し、日ソ中立条約を破って攻撃し、その結果、日本固有の領土だった北方四島を奪ったのである。四島返還こそが、本筋なのである。それなのにどうしてロシアは北方四島を日本に返そうとしないのか。返還すれば日ソ中立条約を破った事実を認めることになるからだ。
(記事部分抜粋引用)

この例題話しを何百回何千回聴いたまた聴かされたことやら、枚挙にいとまない。だから、今回の交渉に際してもおそらく誰も期待していないだろうし、その期待を真に裏切らなかった。

もはやこれはお題目念仏のたぐいであり、やっていさえすれは気がすむ程度のショーでありパフォーマンスとしか思えない。

このステージで誰と誰が話し合ったのかという二人の役者を選んだのは、ほかでもない民主国家の社会であり、その点では誰に対しても文句を云えた義理ではないが。

この「忸怩たる思い」を早急に解決したいと願うのは皆おなじだが、こうした報道によって民衆が喚起することも大事だが、同レベルの報道発信を数万回流したとしても、やはり事実は微動だにしないだろう。

まだ「新聞報道」が健全だったころの話しだったら判らないでもないが、いまのネット時代にそれと同じことをしていてもラチは空かないと思うし、またそれを読んだ読者(ネット比率)がになを思い、それによってなにを動機させるかというアクションを想定したとき、ほとんど無意味な結果に至ると穿ってしまうのは不謹慎か。

記事では日本敗戦国を力説しているが、そんなことは敢えて断るまでもなく、これまで70年の足跡をたどれば、良いも悪いもそのことによってこの国があり、それが歴然の事実であることは否定しようもない。
いま世界が保守化し、リベラル色が右に傾き始めているのは止めようもない傾向で、そこにはそれなりの訳がある。
そんな時にこうしたカテゴリー枠の話しが持ち上がり、それが一向に進捗しないといのには、何かがどこかで間違った選択肢をしているという提起が必要だ。

そうしたことへの報道メディアのあるべき姿、という毅然とした態度があるのかないのか、という問いをここで断じるのではなく、報道を職とする人々に問いかけたい。

どう なんだい???






「敗戦国」のままなら北方領土は戻らない
プレジデントオンライン 2019年1月24日 9時15分
■本当に北方領土は日本に戻ってくるのか
「開けて口惜しき玉手箱」とは、期待が外れてがっかりすることのたとえに使われることわざである。竜宮城から帰ってきた浦島太郎が、乙姫さまからもらった玉手箱を開けると、中から白い煙が出てきただけだったというあの昔話をなぞっている。蛇足だが、煙を浴びた浦島はあっという間に年を取ってしまう。竜宮城の時間とこの世の時間の流れの速さが大きく違っていたのだ。
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1月22日夜(日本時間)、ロシア・モスクワのクレムリン(大統領府)で行われた安倍晋三首相とプーチン大統領の会談は、まさに「開けて口惜しき玉手箱」だった。

今度こそ、北方領土問題の解決に大きな進展があるはずだと、日本の国民に期待させながら、ふたを開けてみると、白い煙どころか、安倍首相とプーチン氏が日露の平和条約交渉を本格化させることを再確認し合っただけ。北方領土問題の解決には何ら進展がなかった。本当に北方領土は日本に戻ってくるのだろうか。

■交渉進展に必要な「プーチン氏の弱点」とは何か
昨年11月20日付のプレジデントオンラインの「北方領土2島先行で崩れる安倍首相の足下」との見出しを付けた記事の中で、沙鴎一歩は次のように指摘した。

「プーチン氏は一筋縄ではいかない。かなり手ごわい相手だ。このままでは得意技の払い腰をかけられ、1本取られるかもしれない。払い腰とは、相手を自分の腰に乗せて脚で払い上げる技だ」

会談終了後に行われた安倍首相とプーチン氏の共同記者会見では、会談の具体的内容は明らかにされなかった。安倍首相はプーチン氏から1本取ることができたのか。それとも逆に払い腰で1本取られたのか。

北方領土交渉の先は長い。交渉中に手の内をさらけ出すようなことは許されないだろうが、安倍首相がどんな技をプーチン氏にかけたかぐらいは国民の一人として知りたい。

外交交渉では相手国の弱点を突いて揺さぶることが重要である。それではプーチン氏の弱点とは何か。

■ロシアは日本から大きな経済協力を引き出したい
ロシアは5年前のクリミア半島の併合を欧米各国から強く批判され、現在も経済制裁を受けている。ロシアは孤立状態にある。そこがプーチン氏の最大の弱点だ。時折見せるプーチン氏の物寂しげな表情が、それを物語っている。

22日の日露首脳会談後の共同記者会見で、プーチン氏は経済効果を強く口にしていた。あの口ぶりなどから判断すると、プーチン氏の狙いは北方領土問題を先送りにして平和条約を優先的に締結し、その結果、日本から大きな経済協力を求めようというところにあるようだ。

もうひとつの弱点が、北方領土への在日米軍の駐留である。ロシアは北方領土を返還した場合、在日米軍の駐留が実施されると懸念している。プーチン氏は昨年12月の記者会見で沖縄の在日米軍基地について「日本にどこまで主権があるのか分からない」と牽制している。ロシアは米国が怖いのである。そこでロシアは日本との平和条約交渉で日本とアメリカの関係にくさびを打とうとしている。この辺りがロシアの本音だろう。

日本はそんなロシアの思惑を逆手にとってこれからも続く交渉に生かしていきたい。

■日ソ中立条約を破って、北方四島を奪った
ここで択捉(えとろふ)島、国後(くなしり)島、歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)島の北方四島の歴史を簡単に振り返っておこう。

第二次世界大戦で日本は、ドイツ、イタリアと三国同盟を結ぶとともに、ソ連とは中立条約を結んで、米国や英国と戦争を始めた。ところが1945年2月にソ連(スターリン首相)が、ヤルタ会談で米英両国の首脳と協定を結んだ。ソ連の対日参戦の見返りとして千島列島をソ連の領土とするという密約だった。すでに日本の敗戦が目に見えていただけに、ソ連にとっては棚から牡丹餅だった。

ソ連は中立条約を無視して8月9日に対日参戦した。ソ連は日本がポツダム宣言を受諾して降伏した14日以降も侵攻を続け、さらに日本が降伏文書に署名した9月2日以降も攻撃を止めなかった。そして北方四島を占領した。

これが歴史的な事実だ。ソ連が弱り切った日本に対し、日ソ中立条約を破って攻撃し、その結果、日本固有の領土だった北方四島を奪ったのである。四島返還こそが、本筋なのである。

それなのにどうしてロシアは北方四島を日本に返そうとしないのか。返還すれば日ソ中立条約を破った事実を認めることになるからだ。

■敗戦したがゆえに北方四島を取られても何も言えない
ロシアはヤルタ会談を持ち出して「大戦の結果だ」と主張してやまない。言い換えれば、日本が敗戦したがゆえに北方四島を取られても何も言えないのである。敗戦という事実は、いまだに日本の外交に暗い影を落としている。日本が国際連合(国連)の主要機関である安全保障理事会(安保理)の常任理事国になれない現状を考えればよく分かるだろう。

ちなみに国連安保理は、戦勝国の5カ国(米国、ソ連、英国、フランス、中国)の常任理事国と、2年ごとに国連総会で選出される10カ国の非常任理事国で構成されている。日本は2017年12月に任期が切れて11回目の非常任理事国を退いた。日本に対してはここ数年前から常任理事国に入れるべきではないかとの議論が国連にはある。

日本が北方四島を常任理事国のロシアから取り戻すことができれば、敗戦国という負い目を克服したことになる。日本の外交において大きな追い風である。

それゆえ安倍首相は焦ることなく、北方領土交渉を続けてほしい。自分の任期中に何とか形にしようとすればするほど、間違いなくしたたかなプーチン氏に足下を見られる。

繰り返すが、北方領土交渉に成功すれば、日本の外交力は増す。世界が敗戦国と見なさなくなるからだ。国連安保理の常任理事国という立場を得る可能性も強くなる。日本はまずロシアとの北方領土交渉を、目先のことにとらわれずに長い目で続けていくことが大切である。

■「(日本は)大戦の結果を世界で認めていない唯一の国だ」
1月21日付の毎日新聞が「露外相の北方領土発言 交渉の基盤を危うくする」という見出しの社説を書いている。書き出しはこうだ。

「ロシアのラブロフ外相が年頭の記者会見で、日本が北方四島の領有権を主張するのは『国連憲章の義務に明白に違反している』と述べた」
「日本の国内法で『北方領土』という呼称を使っていることを批判し、『第二次大戦の結果を世界で認めていない唯一の国だ』とまで言った」

国連憲章に違反していると言い、北方領土の呼称も許さない。揚げ句の果てが敗戦を認めない国だと批判する。勝手な言い分である。これが大国ロシアの主張なのかと思うと、開いた口もふさがらなくなる。

さすがの毎日社説も強く反論する。まず国連憲章の義務違反かどうか。

「ラブロフ氏が例示したのが国連憲章107条だ。しかし、これは国際法上、ロシアに北方領土の領有権を認めたものではなく、日本に従うべき義務を定めたものでもない」
「大戦の結果として『敵国』に対してとった行動は『無効』となるものではないという趣旨で、個別の降伏条件について国連は責任を負わないことを目的にした条文とされる」

次に第二次大戦の結果について。

「ロシアは『大戦の結果』として北方四島がロシア領になったと主張する。その根拠とするのが1945年の米英ソ首脳によるヤルタ協定だ」
「だが、ドイツ降伏後のソ連の対日参戦と千島列島引き渡しを示し合わせた密約に過ぎず、国際法としての拘束力はない。日本は当事国ではなく拘束される義務はない。米国も後に密約を『無効』と宣言している」

■北方四島を奪ったロシアこそ国際規範違反
毎日社説は理不尽なロシアの主張にさらに反論する。

「ソ連は終戦間際に日ソ中立条約を破って北方四島に侵攻し占拠して領土拡大を試みた。これこそ国際規範に反する行動だ」
「日露の平和条約交渉は互いに『法と正義』を重視してきた。ロシアが法的な裏付けを欠く主張を続けるのなら、交渉の基盤が根底から覆る」

毎日社説の指摘を待つまでもなく、ロシアのかつての行動は国際規範違反であり、根拠のない主張を繰り返しているだけなのである。

「ラブロフ氏は先の河野太郎外相との会談でも、北方領土への『ロシアの主権』を認めるよう迫った。一方的な態度では交渉は前に進まない」

かたくななロシアにどう立ち向かったらいいのか。日本の国益を最優先にして一歩も譲らない態度を強く示すべきである。

今後の交渉で心配なのは、ロシア国内の世論である。四島を引き渡すことに反対する抗議デモまで起きている。ロシアのアンケート調査だと、8割近いロシア国民が返還に反対している。世界最大の領土を保有する国だけに、領土問題には国民が強く反応するのかもしれない。

■「結果は惨憺たるもので、ロシアの増長ぶりが目に余る」
次に1月14日の日露外相会談を受けて書かれた産経新聞の1本社説(「主張」、1月16日付)を読んでみよう。産経社説は四島返還を強行に主張している。沙鴎一歩は四島返還には賛成である。

「河野太郎外相とロシアのラブロフ外相がモスクワで平和条約交渉を行った。日露首脳が昨年12月、両外相を交渉の責任者に指名して以降で初の会談だった」
「結果は惨憺たるもので、ロシアの増長ぶりが目に余る」
「日露首脳は昨年11月、日ソ共同宣言(1956年)を基礎に交渉を加速させることで合意した」
「しかし、共同宣言に基づく『2島返還』戦術の破綻は鮮明だ」
「北方四島の返還を要求するという原則に立ち返り、根本的に対露方針を立て直すべきである」

日露外相会談の結果を「惨憺たるもの」と手厳しく批判し、2島返還戦術を「破綻」と指摘する。そのうえで四島返還を求める「原則に立ち返れ」と主張する。

北方領土交渉に関し、産経社説は傾倒する安倍政権をも批判する。その姿勢はぶれない。そこが産経社説らしさだ。

しかし外交交渉は相手が一方的な主張を繰り返せば繰り返すほど、先が読みにくくなる。仮に四島返還が現実離れしてきたときに産経社説はどう対応するのだろうか。四島返還の姿勢を崩さずにいられるか。そこまで考えておくべきである。

■「『2島返還』への方針転換だと受け取られた」
産経社説は「ロシアがかくも強気に出ているのは、安倍晋三首相が四島返還の原則から離れ、日ソ共同宣言重視を打ち出したためだ。これは『2島返還』への方針転換だと受け取られた」と指摘する。

見出しも「『2島』戦術破綻は鮮明だ」「日本の立場毅然と表明せよ」である。

さらに産経社説は指摘する。

「日ソ共同宣言は、平和条約の締結後に色丹、歯舞を引き渡すとしている」
「だが、共同宣言は、シベリアに不当に抑留されていた日本人の帰還や国連への加盟、漁業問題の解決という難題を抱えていた日本が、領土交渉の継続を約束させた上で署名したものだ」

■「国民に対する説明責任もきちんと果たしてほしい」
安倍首相は昨年11月のプーチン氏との会談で、1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意している。同宣言には歯舞と色丹の二島しか明記されていない。四島返還の原則を放棄したものとロシアに受け取られかねない。だが、産経社説によれば、同宣言は領土交渉の継続を約束させたものだ。沙鴎一歩は四島返還の原則に戻るのは賛成である。

最後に産経社説はこう主張して筆を置いている。

「法と正義に基づく日本の立場を、毅然と表明するのが筋だ。安倍政権には、焦ることなくロシアと交渉し、国民に対する説明責任もきちんと果たしてほしい」

安倍首相は焦ることなく、四島返還を目指すべきである。相手は竜宮城に住む異邦人である。時間の流れも大きく違う。そんな相手だからこそ、初心と原則を忘れず、しっかり交渉を進めてほしい。

(ジャーナリスト 沙鴎 一歩 写真=AFP/時事通信フォト)
(記事引用)


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YouTubeで数十億再生 神秘に包まれた童謡「Baby Shark」の謎
 神秘に包まれた童謡「Baby Shark」
2019年1月29日 12時0分 Rolling Stone Japan
童謡「Baby Shark(サメのかぞく)」は、インターネットを含む音楽チャートを席巻しながらも、誰一人として著作権を主張できないという。最初に作曲したのは誰なのか?

ある歌が音楽チャートを席巻し、YouTubeで何十億もの再生やダウンロード回数を記録し、さらにはカーディ・Bが今週末Instagramに投稿したようにセレブたちまでも虜にし、インターネット中に拡散しているとしよう。さぞかし作曲者は儲けているに違いない、と誰もが思うだろう。実のところ、2019年に旋風を巻き起こしている童謡「Baby Shark(サメのかぞく)」は誰にも儲けをもたらしていないのだ。なぜなら、この歌の所有権を主張できる作曲者がいないから。

「Baby Shark」がYouTubeを通してアメリカの音楽ファンを騒がせはじめたのは数年前のこと。子ども向けの教育コンテンツを手がける韓国の会社がPinkfongというキャラクターの動画を2015年にYouTubeに投稿し、2016年には驚くほどキャッチーな新しいビートとメロディーをのせてリミックス版を投稿したのがきっかけだ。しかし複数の情報源によれば、両方のバージョンの中核となる歌は、何十年も前からある、古い合唱用のチャントから派生しているようだ。リミックス版はK-popの人気歌手やアメリカのSNSの影響もあって瞬く間に人気を博し、Pinkfongを運営するスマートスタディ社によれば、今では11言語による100以上のバージョンが存在している。

現時点では、この歌の書作権をめぐり、最初に作曲したのは誰か? と複数の当事者が法廷、あるいはその他の場所での争いに巻き込まれている。2011年に自らのYouTubeチャンネルにこの歌をアップロードした子ども向けミュージシャンのジョニー・オンリーは、Pinkfongの最新バージョンは自分の楽曲とあまりにも似過ぎている、と韓国の裁判所に苦情を申し立てた。それに対するPinkfongは、「Baby Shark」が昔の童謡をもとに作曲されたものであり、いかなるアーティストの楽曲も使用していないと主張している。さらには、「Baby Shark」のドイツ語のダンスバージョンとも言える「Kleiner Hai」の存在もある。「Kleiner Hai」の作曲者であるアレクサンドラ・ミュラーは、米エンターテイメントメディアVultureに20年ほど前から「Kleiner Hai」を歌ってきたと述べた。「ドイツでは人気の子どもの歌なんです。それがどこからきているのかは、誰にもわかりません。著作権も調べましたが、クリスマスの歌のように、公法の管轄下であることがわかりました。要するに、印税が発生しないのです」とミュラー氏は言った。特定の楽曲のレコーディング権利もそうだが、著作権に限っていえば、「Baby Shark」の出どころは「ハッピーバースデートゥーユー」よりも神秘に包まれているようだ。

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Jacket: @drome_official Pants: #iamgia Bodysuit: @deathbydollsofficial Purse :Birkin Pussy Earrings @jenniferfisherjewelry
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アルタミラとは - コトバンク コトバンクスペイン北部、サンタンデールの西方にある洞窟(どうくつ)。1879年に発見された旧石器時代の壁画で知られる。
1985年、世界遺産(文化遺産)に登録された。

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テスラのソフトウェアバージョン9.0と愛すべきB級映画チャッピー
2018-12-03 / CWh 
渡辺千賀テクノロジー・ベンチャー・シリコンバレーの暮らし
テスラ。子供達が大好きなテスラ。さすがに最近では幼稚園児が後をついて走るほどの熱狂ぶりはなくなったが、とにかく子供たちはみんなテスラが大好きである。

一体何が子供たちをそそるのか。他のEVも結構出てきているし、ガソリン車だったらポルシェもフェラーリもマクラーレンもあるのにテスラ一強。

もしかしたら、普通に学校の送迎ができる車の中で唯一ガルウィングがあるからかも。

(テスラオーナーではない)当地の知人が
model3

「幼稚園に通う息子を学校でドロップオフする時、前で他の子をドロップオフしている車がテスラのモデルXだと、ガルウィングの開閉を見ながら後ろの席で息子がハァーとちいさくため息をつく。」

と言っていたが。

そんなことはさておき、テスラのソフトウェアは、OTA(無線)アップデートで夜寝ている間に新しくなる。大体2〜3週間に一回バージョンアップするのだが、一番最近のものがバージョン9.0。これはテスラ自身もこれまでで最もすごいアップデートとしているが、実際、特に自動運転の向上ぶりはすごい(この辺の話はフォーブスでも話してみたのでこちらもどうぞ。)

「自動運転カーナビ」という機能も(ベータで)加わった。それだけ聞くとすごい未来がやってきたようだが、要はカーナビで高速運転中に降りるべき出口が近づいてくると「車線変更しろ」という指示が出る、というだけなんですけどね。

Tesla_autodrive

さらに設定の奥の方で「車線変更の強気度合い」を変えられるようになっていて、一番強気なのがMad Maxモード。最初はAverage設定にしていたのだが、最近Mad Maxにしたら、普段の自分の車線変更の仕方に近いのでストレスが減った。高速での車線変更というのは最も危険な運転行為の一つなのだが、Averageモードだと「なんでモタモタしてるんだ」と感じる瞬間が結構あって、そのモタモタぶりを危険に感じていた。人間は「普段の自分に近い運転」を一番安全に感じるようだ。そして「普段の私」はMad Maxだったのだ。

Tesla_MadMax

イーロンマスクは「来年には完全に自動運転ができるようになる」と言っているが、彼の話はかなり大風呂敷なのでそこを差し引くとしても、カリフォルニアの大雑把な高速道路だったらほぼおまかせ運転モードが実現しそうな雰囲気がこのバージョン9.0では感じられる。もちろん、死亡事故も出ているテスラの自動運転機能を信じるかどうかという問題はあるが、どう考えても不注意な私よりは安全なのでお任せしたい。

そして今回加わった新機能で画期的なのがドライブレコーダー。元々ダッシュカムはついていたのだが、それをソフトウェアが利用できるようになった。基本的にどんどん上書きされてしまうのだが、何かあった時にこの画面のカメラアイコンにタッチするとUSBで直前の記録がダウンロードできる。これで走行中、目の前に UFO が降りてきても安心だ。

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ちなみにテスラ素晴らしい!という私のコメントに対し、Facebookで「テスラはパーツがなくて修理に時間がかかる」ということを複数の人が問題としてあげていたのだが、みなさんのテスラはそんなに故障しているのでしょうか?ちょっと不思議。

これはガソリン車とEVの違いで、テスラ独自のメリットなわけではないのだが、エンジンという爆発を内包した機関で動くガソリン車に比べると、EVは可動部品の数が桁違いに少ない。ガソリン車の1万点に対し、テスラではせいぜい数百くらいでは、と言われている。

動く部品が少なければ壊れる部品も少なくなるわけで、そうそう部品交換が必要な修理はないというのがオンライン・フォーラムの総意でもあるイメージなんですが。

(事故などで部品が必要になった場合にものすごく時間がかかった、という問題に関しては、著しく改善したというテスラ側のコメントもあった。世界中の部品注文を翌日配送にしたので修理に必要な時間はせいぜい数日、パロアルトのディーラーだったら修理の2割はコーヒー飲んでる間に終わる、とのこと。日本でどうなっているかは知りませんが)。

私がテスラ素晴らしい!と思う最大のポイントは、冒頭でもあげた頻繁なソフトウェア・アップデートである。マイナーなバグ・フィックスなどもあるが、「バックで駐車ができるようになった」、「モバイルアプリで車の外からリモコン的に車を前後に動かせるようになった」など、新しい機能が加わることもあるのは前述の通り。

大体の工業製品というのは買った瞬間から劣化が始まるのが普通なわけで、「だんだん賢くなる」というのは非常に新鮮なユーザー体験である。

「スマートテレビの売れ行き軟調。特に、従来のハードウェアメーカーが作ったものはエンターテイメントをめぐる世のソフトウェア環境の進化に付いて行けず、結局新しいスティックを買ったりいろいろしないと新サービスが使えないことも問題」

と先日のNPRのニュースで言っていたが、それを避けるには頻繁で大幅なソフトウェアアップデートが必須なわけです。(ちなみにテスラには、「すぐには必要のないセンサーやらカメラ」が最初からたくさん付いている)。

あまり流行らなかった映画でチャッピーというのがあって、学習するAIを搭載したロボット、チャッピーがどんどん賢くなっていく。そういう感じですな。

なお、ソフトウェア・アップデートで継続的に性能を向上させるには、ハードウェアに依存する部分はなるべく減らした方がいい。テスラもモデル3では限りなくボタンやスイッチが減っていて、空調やオーディオなども画面からコントロール(冒頭の写真参照)。この辺り、従来異なる機能ごとに別の下請け会社が開発を担ってきた自動車産業にはなかなか難しい課題かもしれませんね。
チャッピー、B級だけど割と好き。エクス・マキナと続けてみると感慨深い。

(記事引用)

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日本は世界のブラックホールか桃源郷か(ガラパゴスか) 筆者付け




日本を丸裸にした「日産ゴーン事件」問われるべきは社会という自分自身

事実がまったく解明されず、裁く側も不慮事案に翻弄され、世間の謂われない風評に右往左往しつつ、さらに外圧プレッシャーがのしかかる。前代未聞の経済事件騒動に、まったく終着も予想できないという平成時代の最後の歴史として、それはむしろ相応しいのかもしれない。

時あたかも13.14連休と、報道メディアはいとま中である。余談だが、きょう1月13日の日の出時刻は6時47分(千葉)であり、昨日1日12日6時48分を境として、地球(北半球)の回転が赤道に向かいはじめて、1年365日のカウントが始まる。

カレンダー日付刻印に従い仕事と休暇を分けるのは人間の概念思考であり、宇宙は人間の存在を知ることはない。

おそらく人間は宇宙の摂理を感知することなく目前のカレンダーのみが生活の指標として日々を暮らすのだろう。それはけっして間違いではない。

画像 化石アンモナイト
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私が「検察の正義」を疑う理由 

郷原信郎 記事2019年01月13日 15:36
1月11日、フランスの司法当局が、日本オリンピック委員会(JOC)竹田恒和会長を、東京2020オリンピック・パラリンピック(以下、「東京五輪」)招致に絡む贈賄容疑での訴追に向けての予審手続を開始したと報じられた。そのタイミングが、日本検察当局が日産、三菱自動車の前会長で、現在もフランスのルノーの会長のカルロス・ゴーン氏を特別背任等で追起訴し、保釈請求に対する裁判所の判断を示される段階になったのと一致したことで、ゴーン氏が逮捕され、長期間にわたって身柄拘束されていることに対するフランスの「報復」「意趣返し」ではないかという見方が出ている。

フランス当局の捜査は、3年前から続けられていたもので、捜査開始はゴーン事件とは全く関係ない。しかし、この対ミンクで、続けられていた捜査が、予審手続の開始という「訴追」に向けての正式の手続であると公表されたことは、ゴーン氏の事件とは無関係ではないように思える。しかし、それを「報復」とか「意趣返し」のような感情的なものとみるべきではない。日本の検察当局が日産・ルノー・三菱自動車の経営トップのゴーン氏に行ったことに対して、日本のオリンピック委員会のトップである竹田会長に、フランス司法当局としてどのような対応をとるかを示し、問題提起をする趣旨と受け止めるべきであろう。

検察の正義への確信の有無で受け止め方が全く異なる
今回のゴーン氏の事件は、平成の時代が終わろうとしている今の日本社会に大きな課題が残されていることを示すものであり、【「日産・ゴーン氏事件」に表れた“平成日本の病理”】では、それを、企業のガバナンス・透明性、検察の在り方、事件報道という4つの面から徹底分析した。

それに対する反応は、「検察の正義」に対する確信の有無によって、大きく二つに分かれる。「検察は正義の味方であり、検察が行うことは常に正しい」と確信している人は、その検察がゴーン氏を逮捕し、しかも起訴までしたのだから、ゴーン氏は「犯罪者」であり、西川社長ら日産経営陣がゴーン氏を経営トップの座から引きずり下ろしたのも正当であり、企業ガバナンス・透明性などということは問題にならない。また、その検察が正義の実現のために行っている捜査について「犯人視・有罪視報道」をすることも、大きな問題ではないということになる。

一方、「検察は必ずしも正義の味方ではない、検察が行うことが常に正しいとは限らない」という前提で、日産経営陣が行ったこと、日産の現状、そして、マスコミの事件報道の問題を客観的に見てみると、そこには大きな問題が浮かび上がってくる。

結局、「検察の正義」を確信するかどうかにすべてがかかっているのであるが、その確信の有無は、何によって生じるのだろう。

私がなぜ「検察の正義」に敢えて疑問を投げかけるのか、特に特捜検察について、「正義」を否定し、検察捜査を批判するのか。

実は、私自身も、大学の理学部を卒業して民間企業に勤めたところまでは、司法の世界と全く無関係で、検察のことなど考えたこともなかった。短期間で技術者を辞め、法曹の世界をめざすことになり、たまたま検察の世界に身を置くことになったが、それがなければ、「検察の正義」を確信する人間の一人として生きていたかもしれない。

私には、検察という組織に属し、特捜部の捜査にも関わった実体験がある。それによって「検察は、特に特捜部は、必ずしも正しいわけではない」との認識につながっている。その実体験について、これまでいくつかの著書で述べてきた。それがどのようなものであったか、著書を引用しつつ振り返ってみたい。

特捜捜査に幻滅した日
若手検事だった頃、多くの検事がそうであるように、私も、特捜部にある種の憧れを持っていた。経済事件、特殊事件の捜査で活躍することが夢だったともいえる。しかし、「他部からの応援」という形で初めて特捜部の捜査に関わった時に体験したことで、私の夢は崩壊した。その時のことを、私は、『検察の正義』(ちくま新書:2009年)の中で紹介している。

「東京地検特捜部の看板」で勝負
私にとって、最も違和感があった第三の問題は、「東京地検特捜部」の看板によって、被疑者や参考人を屈服させて、供述調書をとってしまえば、何でもできるという考え方だった。それが、事実を客観的にとらえ、真相を解明していく、という、本来、刑事事件の捜査であれば当たり前の考え方が通用しない独特の世界を作ることにつながっていた。

この証券担保ローンの背任事件の最大のポイントは、不正融資とされる証券担保ローンの実行の時点で、融資先の投資家の株式損益がどのような状況だったかである。全体として利益が出ているのであれば、ある程度、担保評価を緩めて、融資額を増額することも、あながち不合理な判断とは言えない。

私は、その頃、まだあまり普及していなかった「表計算ソフト」を活用して、頻繁に株式売買を繰り返している投資家の損益を逐次計算できるマクロプログラムを完成させ、背任事件の共犯とされている投資家の被疑者の損益状況を調べてみた。すると、背任融資とされている融資の実行の大半の時点で、トータルでは十分に利益が出ており、大幅な損失は投資の最後の時点で、特定の銘柄によって膨大な損失を出し、それでトータルの損益が大幅なマイナスになったものだということがわかった。そうして判明した事実を、思い切って、主任検事、副部長に報告してみた。しかし、「被疑者が全員、Aはずっと株で損をしていたと言っているじゃないか。お前のパソコンはおかしいんじゃないか。」と一笑に付されてしまった。

それから間もなく、被疑者のAは逃亡し、所在をくらましてしまった。それ以降、事実関係を詰める捜査は棚上げにされ、被疑者の所在を突き止めるための捜査一色になった。Aは、一流大学を出て大企業の社員になったエリートだった。株式売買に手を出し、会社を辞めてプロの投資家のような株式売買を始めが、もともとエリート社員出身のAには、特捜部の捜査のプレッシャーが耐え難かったのであろう。

こうして捜査対象の被疑者が所在不明になってしまうと、検察独自捜査にとっては、大変苦しい局面になる。全国の都道府県警に指名手配をして協力を求めることができる警察とは違い、検察は所在不明になった被疑者の行方を追うことには制約がある。

しかし、被疑者の逮捕、本格的捜査が予定され、応援検事まで確保している場合に、捜査をあまり先延ばしすることはできない。つのる焦燥感の中で、そのときの主任検事が命じたのは、所在不明となった被疑者の家族・親類縁者を片っ端から呼び出して、「かくまっているのではないか」と疑って、徹底的にいじめるというやり方だった。それを徹底していけば、そのプレッシャーを受けた家族、親類縁者が、積極的に心当たりに連絡することで、どこかで被疑者の所在が明らかになって、通報してくるのではないか、という考え方だった。

確かに、それは、検察として取り得る手段の中では有効なものなのかも知れない。しかし、Aは、殺人犯人のように、本当に草の根分けても探し出さない犯罪者ではない。要するに、その所在を明らかにしないといけないというのは、「検察の都合」に過ぎないのだ。

私も、その「家族、親類縁者いじめ」の取調べに駆り出された。上司の指示・命令を受けてやらされる仕事の中で、これほど気の進まないことはなかった。

検事になって最も惨めな一日
ある日、主任検事から、所在不明の被疑者Aの従弟を呼び出して取り調べるようにとの指示を受けた。「前日にX検事が呼び出しの電話をかけたが、どうしても都合が悪いと言って来なかったやつだ。何か隠しているから来たくないんだろう。徹底して締め上げろ」という話だった。

私が電話をかけたところ、Aの従弟のB氏が出た。東京地検特捜部の検事であることを告げ、「Aさんのことでお伺いしたいことがあるので、明日、東京地検まで来てもらえませんか」と言うと、「Aとはもう何年も会っていません。何も知りません。どうしても行かなければいけませんか」と言ってきた。「それでも、どうしても直接お伺いしたいことがあるのです」と言うと、「では、行きます」と言ってくれた。

翌日の朝、霞ヶ関の東京地検に出向いたB氏は、私の「取調べ」が始まるなり、淡々と話し始めた。

「一昨日の夜も、X検事から電話があって、明日東京地検に来てくれと言われました。私が、仕事があって無理ですと言うと、『お前はAの行き先を知っているだろう。嘘をついてもわかる。隠しているから調べに応じたくないんだろう。隠したりしていると捕まえるぞ。』とさんざん脅されました。ちょうど、我が家では、子供にいろいろ大変なことがあって、とても深刻な家族会議をしていた最中でした。中学生の息子がイジメで登校拒否をしています。それに加えて、一昨日、小学生の息子が、重い心臓病だということがわかって、私たち家族はどうしたら良いんだろうと、目の前が真っ暗になって、そこに、夜の10時過ぎにX検事から電話があったのです。どうしても都合が悪いからと言って、東京地検に行くのは一日待ってもらいました。そこで、昨日、また電話がかかってきた。それが、検事さんからでした。私が検察庁に呼び出されたということで、今朝出てくるときに、女房が取り乱していて、私が逮捕されるんではないかと心配で頭がおかしくなりそうだと言っていました。」

私が、その話を聞いて驚き、黙っていると、Bはさらに言葉を続けた。

「私は、多摩市役所の職員として、20年余り仕事をしてきました。人から後ろ指を指されるようなことをしたことはありません。もし、私がAのことで何か知っていたら、すべてお話しします。でも、何も知りません。生意気なことを言うようですが、私も、少しばかりですが国にも市にも税金を納めている市民です。どうしてこういう目に遭わされなければならないんでしょうか。」

私は、このときほど、恥ずかしく惨めな思いをしたことはなかった。自分がやっていることは人間のやることではないと思った。

私は、すぐに、Bの自宅に電話をかけて、Bの妻と話をした。「何も心配することはありません。ご主人に何か疑いがかかっているということではありません。こちらの都合で、どうしても今日、一日、こちらにいてもらわないといけないのですが、まったく心配は要りませんから安心してください。今日の夜にはお返しします。今日だけで、明日以降は来てもらうこともありません」

そして、Bには「あなたから聞くことは何もありません。でも、どうしても、我々の組織の内部的な問題で、今日一日、この建物にいてもらわなければならないんです。待合室で待っていてください。時折、部屋に入ってもらいます。夜には帰ってもらいますから」

私は、昼と夕方のそれぞれ、主任検事に取調べの状況を報告した。

「しぶとい奴です。さっきからガンガンやってるんですが、何も話しません。本当に何も知らないのかも知れませんが、もう少し頑張ってみます」と真っ赤な嘘をついた。

主任検事に評価してもらおうなどという気持がまったくなかったことは言うまでもない。私が恐れたのは、私の「取調べ」が生ぬるいという理由で、B氏の「取調べ」がX検事に担当替えになることだった。とにかく、一日で終わらせなければならない。そのためには手段を選んでいる場合ではなかった。

その日のことは、私にとって衝撃だった。~中略~しかし、この特捜部での応援勤務の経験によって、むしろ、それまで、ある種の「憧れ」すら持っていた特捜部という組織の権力行使の方が、その使い方によっては恐ろしい弊害を持つものであることを実感したのが、そのときのB氏の取調べであった。

ゼネコン汚職事件での冤罪に関する実体験
この時、応援検事として初めて特捜事件の捜査に関わった時の経験で、私は、特捜部の捜査が、必ずしも正義ではないということを強く認識させられることになった。そして、その数年後、正式に特捜部に所属し、特捜検事として関わった「ゼネコン汚職事件」で、私は、特捜捜査が「不正義」そのものであることを実体験することになる。『検察が危ない』(ベスト新書:2010年)で次のように述べている。

事実無根の贈賄自白調書
そして、もう一つの三井建設から梶山静六前自民党幹事長への一〇〇〇万円のヤミ献金疑惑については、一月九日、同じく『朝日新聞』が朝刊で、「三井建設、梶山氏側へ一〇〇〇万円支出」と報じた。「竹内前知事が、同県内に計画されている緒川(おがわ)ダムなどの公共工事をめぐり、地元茨城二区選出で前自民党幹事長の梶山静六代議士の側から、三井建設の受注に便宜を図るよう要請を受けたことがある、と周辺関係者に話していることが、八日明らかになった。竹内前知事は東京地検特捜部にも同様の供述をしている模様だ。関係者によると、緒川ダムの受注でゼネコン各社による激しい競争が展開されていた一九九一年春ごろ、三井建設から梶山氏側あてとして一千万円が支出されていたという。」というものだった。

そして、数日後、朝日新聞は、同県が計画している緒川ダムの建設工事について「一九九一年初め、当時の県土木部幹部らに対し、三井建設にも受注させるよう示唆した」と周辺関係者に話していたことが十二日、明らかになった。東京地検特捜部にも同様の供述をしている模様だ。」と報じ、その直後、特捜部が三井建設の関係者の「一斉聴取」を開始したことを報じた。三井建設の某役員が梶山静六代議士に1000万円を渡したことを三井建設関係者の供述で裏付けようとするものだった。

その後、新聞、テレビ、週刊誌等がこの疑惑を報道し、臨時国会と通常国会の会期に挟まれた「空白の一日」の一月三〇日が梶山逮捕のXデーだなどとまことしやかに語られ、その当日には、検察庁周辺に新聞記者、カメラマン等が大挙して押し掛ける騒ぎとなった。世間の関心はこの問題に集中し、梶山逮捕の「Xデー」のために検察庁周辺には四六時中マスコミが張り込むという事態になった。

しかし、その後、特捜部の係官が議員会館に出向いて議員の面会簿を調査したと報じられた頃から風向きが大きく変わった。議員会館の面会簿からは、1000万円の授受があったとされる日の前後には面会の事実が確認できなかったことが、その事件の捜査に関わっていなかった私にも聞こえてきた。特捜部内は沈痛な雰囲気に包まれていた。

そして、一九九四年一月三一日、日経新聞が、「三井建設、元役員、1000万円を着服と供述」と報じた。

『長年にわたり同社の「業務屋」として政界へのヤミ献金などに携わり、一千万円を同社から引き出して梶山代議士側に届けたとされていたこの元取締役が、最近になって「問題の一千万円を着服し、遊興費などに充てた。弁済したい」などと供述。さらに一千万円が会社から引き出されたのとほぼ同時期に、この元取締役の金融機関の口座に一千万円とほぼ同額の金を入金していた、という。』

こうして三井建設から梶山議員への1000万円の供与疑惑は事実無根であったことが明らかになった。この着服の事実に関しては、その役員が業務上横領の事実で立件され、起訴猶予とされた。

同年3月7日付の『読売新聞』は、この事件の捜査経過について、以下のように報じている。『ゼネコン汚職の捜査で、予想外の経過をたどったのが、三井建設から前自民党幹事長・梶山静六代議士(67)あての名目で一千万円が支出されたことに絡んだ贈賄疑惑。 特捜部では、大物議員をめぐる疑惑だけに、最重要と位置づけ、年明けから多数の検事を投入、三井建設幹部の集中聴取などに乗り出した。しかし、捜査の過程で元取締役から「着服した」との供述が出て、一月末にはそれが表面化した。 贈賄か、着服か。特捜部では慎重に裏付け捜査を進め、元取締役の供述の信用性を確かめるため、取り調べにも複数の検事があたったという。着服の事実が濃厚となるにつれ、「政界ルートはつぶれた」との悲観的な声も捜査幹部から出たほど』

結果的に事実無根であることが明らかになった「梶山代議士への1000万円の供与」についてはその役員の詳細な「贈賄自白調書」が作成されていた。もし、偶然に、自白で授受があったとされていた日の前後に役員が議員会館で梶山氏に面会していたら、「梶山逮捕」は現実のものになっていたかも知れない。

私は、梶山代議士への贈賄事件の捜査断念の後に、「贈賄資金を着服した役員」の業務上横領事件の取調べを担当し、それまでの経過について詳しく話を聞いた。その役員の、それまでに作成された調書を見たところ、議員会館での1000万円の現金授受という「全くの架空の事実」について、授受の位置関係についての図面を含む詳細な供述調書が作成されていた。一度「ウソの自白」をすると、特捜部側は何とか事件を立件しようとしてストーリーが固められていき、自白を引っ込めることができなくなるという「冤罪」の構図そのものだった。

特捜検察と司法メディアの癒着
そして、このような特捜捜査について、全く疑問を持たず、捜査の展開をめぐってスクープ合戦を繰り広げていたのが「司法記者」だった。彼らの殆どは、特捜部の捜査に対する批判的な視点は全くなかった。その中で唯一、特捜捜査の問題について私と認識を共有していたのが、読売新聞のY記者だった。彼とは、ゼネコン汚職事件に限らず様々事件について「ストーリーありき、供述調書をとることがすべて」という、事実を解明する機能をほとんど果たさない特捜捜査と、それに対して批判機能を全く果たせない司法メディアについての認識を共有していた。

私は、そのような特捜捜査の内実や、司法記者との関係をフィクションで描くことができないかと考えて書き始め、その17年後に、ようやく推理小説として完成したのが、「司法記者」(講談社:2011年、講談社文庫:2014年)である。「由良秀之」のペンネームで書いたこの小説は、2014年にWOWOWドラマW【トクソウ】でドラマ化された(主演:吉岡秀隆、三浦友和)。

「平成の次の時代」に向けての日本社会の重要な課題
検察庁では、日々、膨大な数の一般刑事事件が適切に捜査・処理されており、そういう意味で、検察が、基本的に「刑事司法の正義の実現」に関して、その役割を果たしていることは疑いのないところだ。しかし、組織内部ですべての意思決定・判断が行われ、組織として一たび誤った判断をしてしまうと、組織内で是正することが困難になるというのが検察組織に関わる根本的な問題であり、それが典型的に表れるのが、検察自らが事件を立件し、被疑者を逮捕・起訴する、特捜部の捜査だ。私は、このような実体験に基づき、「検察の判断は、特に特捜事件については、正しいとは限らない」という認識から、これまでも多くの事件で捜査・処分に対する批判的な見解を述べてきた。

そして、特捜捜査に内在する危険性が、国際的な経営者の逮捕・起訴という形で現実化し、国内外に大きな影響を与えているのが今回のゴーン氏の事件だ。同氏の逮捕以降、特捜捜査に重大な問題があることを徹底して指摘し続けてきたが、事件は、1月11日の特別背任事件等での追起訴で一つの節目を迎え、この3連休明けにも出される裁判所の保釈の可否の判断を待っている状況だ。

仮に、保釈が認められなければ、凶悪事件でもない、経済事犯での身柄拘束が果てしなく続くという異常な「人質司法」に対して国際的な批判を受けることは必至だ。JOC竹田会長自身は、フランスで12月10日に予審判事の取調べを受けたことを認めており、その日に、予審判事の権限で逮捕される可能性もあった。フランス司法当局のJOC竹田会長への捜査が、被疑者の身柄拘束に対して慎重に進められていることと比較しても、日本の当局の、ゴーン氏に対する身柄拘束のやり方の異常性が際立つことになる。

しかし、裁判所が、「検察追従の姿勢」の呪縛から離れて正当に判断すれば、保釈が許可される可能性は十分にある。【ゴーン氏、早期保釈の可能性~「罪証隠滅の現実的可能性」はない】でも述べたように、ゴーン氏について「罪証隠滅のおそれ」があるのかという点を、最高裁判例等に照らして厳密に判断すれば、否定されるのが当然だ。それは、海外メディアの批判を恐れたものでもないし、フランス当局の圧力によるものでもない。

ゴーン氏の逮捕以降、多くの海外メディアからの取材を受けたが、日本のメディアからの取材は少なく、特に、新聞、地上波テレビの社会部、司法クラブ関係の記者からの取材は皆無に等しい。そうした中、こうした検察の問題に常に関心を持ち、私に発言の場を与えてくれた「平成のジャーナリズムの巨人」田原総一朗氏の番組「激論クロスファイア」(BS朝日)に、今日(1月13日)の午後6時から生出演する。

【「日産・ゴーン氏事件」に表れた“平成日本の病理”】でも述べたように、ゴーン氏事件に表れた企業ガバナンス・透明性、検察の在り方、事件報道という問題が、「平成の次の時代」に向けての日本社会の重要な課題であることを、しっかり話すこととしたい。

(記事引用)













日産前会長特別背任事件-適時開示の訂正と法人の「損害」
山口利昭 記事2019年01月13日 00:00
1月11日、東京地検特捜部が日産の前会長さんを会社法違反(特別背任)で追起訴した、とメディアで報じられています。また、併せて処分保留とされていた金商法違反(有価証券報告書の虚偽記載)についても、法人としての日産とともに追起訴したそうです。日産は、前会長さんを告訴したこと及び法人としての日産が追起訴されたことを受けて、同日、適時開示のリリースを出しました。

しかしながら、どういうわけか日産は午後4時30分のリリースを、わずか40分後である5時10分に訂正しています。この訂正について、同日の日経新聞ニュースは

「有価証券報告書に虚偽の内容を記載したことは証券市場における開示情報の信用性を大きく損なう」「事案の背景に存在するガバナンスの不全を重大な問題ととらえている」などの記載を削除した

と報じています。この報道から、私は日産自らの民事賠償責任の追及を容易にするような記載は好ましくないとして慌てて訂正されたのではないか、と推測いたしました。

しかし、ある金融関係の方から、当ブログにコメントをいただきました。その方は、別の箇所が訂正されていることに着目して、この告訴内容(≒起訴事実)では、そもそも新生銀行との契約上の地位を(前会長資産管理会社から日産へ)移転したとしても、日産には損害が発生する余地はないので前会長さんは無罪である、との意見をいただきました。意見を頂戴した方が特定されないように配慮して、やや長いのですが、以下にご紹介いたします。

日産自動車が東証の適時開示サイトに、2019年1月11日付で「本日の起訴について」というリリースを行っています。内容は起訴と同日付で刑事告発を行ったというものです。16:30にリリースを行い、17:10にその「訂正」を行っていますが、見比べると「訂正」というより「情報隠ぺい」と言うべき内容になっています。16:30版では何について刑事告発を行ったかが記載されていますが、17:10版では刑事告発の詳しい内容が全て削除されています。株式市場では情報で相場が乱高下するので、情報を流す会社には重い責任があるのですが、これでは、訂正前と訂正後のどちらが本当なのか分からない状況です。是非見比べていただきたいと思います。

さて「訂正前」によれば、特別背任の対象となるデリバティブ取引は「クーポンスワップ契約」とありますが、これでは「日産に損失は発生しなかった」ばかりでなく、「どう転んでも日産に損失が発生する余地はなかった」ということになります。

「クーポンスワップ契約」とは「毎月一定額の円を一定額のドルに固定レートで交換することを一定期間(12か月とか24ヶ月とか)行う契約」で、ゴーン氏が言っていた通り「給料をドルで受け取るため」であって、投機のためではなかったことを裏付ける内容となっています。そしてクーポンスワップ契約の「評価損」とは、「円高になった場合、もっと少ない円で同額のドルを買うことができたのに、それができず儲けそこねた金額」のことを言い、「儲けそこねた金額」ですので、単なる「評価上」「観念上」の金額です。1ドル=100円のスワップを組んだ後、相場が1ドル=80円になった場合、「80円でドルを買えるのに、100円で買うことになって20円損したね」というのが「評価損」です。「評価損」を支払う必要はなく、満期まで毎月の交換を行えばそれで終わりです。もちろん「1ドル=100円で満足しているので、20円損したとは思わない」と言えばそれまでの話で、クーポンスッワップの「評価損」というのは「気もちの問題」「評価上の問題」です。

では、銀行がなぜ「評価損」を問題にするのかというと、「中途解約」をされた場合、銀行に損失が発生するためです。1ドル=80円のときに、ゴーン氏に1ドル=100円でドルを売れるなら、銀行としては20円儲かっているのですが、中途解約されると20円が消えてしまいます。このため「中途解約」は禁止になっていて、解約した場合「違約金」として1ドル当たり20円を払わせることになっています。つまり「違約金」が「評価損」と同額になっているのです。銀行としては「中途解約しないこと」の保障が欲しかったのであって、そのために日産の名前が使われたのです。

日産から見れば、「中途解約がなければ、違約金=評価損の支払い義務はない」「ゴーン氏が中途解約しないことを知っている」ので、「何のリスクもない取引」「どう転んでも損が出ない取引」となります。検察が「中途解約すれば日産に損が出る可能性があった」と主張したところで、ゴーン氏が「給料をドルに変える取引なので、中途解約するつもりは一切なかった」と証言すれば、無罪判決になるとしか思えません。

いままで、日産前会長さんの事件で、新生銀行さんと締結していた契約が「クーポンスワップ契約」と特定されていた報道記事をグーグルで検索しましたが見当たりませんでした。たしかに日産の訂正リリースでは、この告訴事実に関する文言は削除されています。私は金融実務に精通しているわけではありませんが、上記に解説されている内容や契約の経済的合理性は理解いたしました。前会長さんが日本円で受け取る報酬をドルに換える契約ということなので、そもそも前会長さんが中途解約を申し出る動機はないかもしれません。また、損害の発生する余地がないのであれば、①当時の日産の取締役会において利益相反取引に関する承認決議がなされなかったこと、②日産への契約切り替えについて、新生銀行が悪意なく契約上の地位変更手続きを進めたことも納得がいきます。
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もちろん、特別背任に関する二つ目の起訴事実(中東の知人への16億円の拠出)については別の議論が必要だと思いますが、一つ目の起訴事実について損害の発生可能性さえないとなりますと、特別背任の実行行為の面でも、また主観的要件の面でも検察側の立証のハードルは(予想どおり?)相当に高いように思えるのですが、いかがでしょうか。
(記事引用) 



















【暗闘 ゴーン事件】(上)勾留失効直前…ドバイの証言
2019.1.11 22:57産経新聞
 世界一の高さを誇る超高層ビルや世界最大級のショッピングモールで知られる中東屈指の観光都市、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ。昨年12月20日、日産自動車の関係者は、子会社「中東日産」の幹部と向き合っていた。

 関係者は、日産の前会長、カルロス・ゴーン(64)の不正を調査する社内の内偵チームから重要な密命を帯びていた。ゴーンの指示で平成21~24年、中東日産からある会社に支出された計1470万ドル(約12億8400万円、現在のレートで約16億円)の趣旨の「解明」だった。

 支出先はゴーンの長年の知人でサウジアラビア有数の実業家であるハリド・ジュファリが経営する会社。名目は日産車の「販売促進費」などとなっていた。

 幹部は、日産関係者に語り出した。「ジュファリの会社に販売促進などの活動実態はありません。あの1470万ドルは支払う必要のない金でした」

 その頃、ドバイから約8千キロ離れた東京・霞が関の検察庁は激震に見舞われていた。東京地検特捜部が自身の役員報酬を過少に記載したとして金融商品取引法違反容疑で再逮捕したゴーンの勾留延長請求を東京地裁が却下したからだった。

 テレビのニュースは、近く保釈される可能性があると速報した。身柄拘束を解かれれば、口裏合わせなど証拠隠滅の恐れがあるため、「保釈されれば捜査終結だった」(捜査関係者)。
9 毎日19111

 特捜部は11月19日に金商法違反容疑でゴーンを逮捕して以降、「会社の私物化」を象徴する犯罪の立件を目指してきた。狙いを定めたのがジュファリを含めた中東の複数の知人側に流れた資金。だが時間が足りなかった。そこで10年前のリーマン・ショックで生じた私的投資の評価損約18億5千万円を日産に付け替えた容疑だけでの立件を検討。ただ10年前と古く、日産に実損も与えていなかった。このため「これだけでは国内外から批判されかねない」(捜査関係者)と検察上層部から「待った」がかかっていた。

 約30億円を拠出し、損失の信用保証に協力したジュファリ側への支出を容疑に加えることが逮捕状請求の許可条件。そのためには中東日産幹部の決定的な証言が必要だった。

 勾留の効力が失効する21日午前0時が刻一刻と迫っていた。特捜部長の森本宏(51)のもとに、ドバイから証言がもたらされたのは日が落ちた頃だった。証言を裏付ける書類などとともに調書の形に整え、会社法の特別背任容疑での逮捕状請求に至ったのは21日未明。薄氷を踏む捜査で事件の“第2幕”が上がった。

◇◇◇

 世界的な経営のカリスマへの捜査は当初から困難を極めた。きっかけは日産の内偵チームのメンバーの一人が、ゴーンが22年にオランダに投資目的で設立させた子会社「ジーア」の資金操作に疑惑の目を向けたことだった。ジーアには日産から50億円超が出資され、タックスヘイブン(租税回避地)のペーパーカンパニーを通じ、ブラジルやレバノンで高級住宅が購入され、ゴーンや家族が無償で利用していた。

 昨年春頃、この投資資金の不正流用疑惑に関わった外国人執行役員が幹部らに実態を打ち明け、チームは調査を本格化させる。

 ただゴーンは20年近くにわたり日産のトップに君臨し、社内にも「ゴーン派」が多数存在。「ゴーンに情報が抜ければ終わり」(関係者)のためチームはわずか4人で行動した。司法取引が導入された6月頃、特捜部に情報を持ち込んだ。司法取引は他人の犯罪を明かす見返りに刑事処分を軽くするもので、組織トップの犯罪を摘発することが期待された制度。ゴーンの訴追には打って付けだった。

 外国人執行役員が「協議開始書」に特別背任容疑の「被疑者」として署名し、特捜検事の任意聴取には、弁護人として検事出身の「ヤメ検」が同席した。

 特捜部が特別背任での立件を検討したジーアの疑惑は不動産の名義が日産のままで、帰属や資産評価など立証のハードルが高く見送られた。代わりに浮上したのが「報酬隠し」だった。株主らからの高額報酬との批判を恐れ、22年から8年にわたり総額90億円超も過少に記載していた。

 これに深く関与していたのが、10年以上ゴーンに仕えた元秘書室長だった。捜査関係者が「ゴーンのあらゆる不正を把握するキーパーソンでゴーンそのもの」と表現するほど。捜査協力が必須だった。ただ対応を誤ればゴーンに情報が漏れ、事件が潰れる。このため特捜部が接触を図って説得し、司法取引に合意したのは逮捕前の捜査の終盤だった。

 ゴーンの逮捕は、世界に衝撃を与えたが、捜査には思わぬ逆風が吹いた。有価証券報告書に虚偽の報酬額を記載したという容疑が「形式犯」だとの見方がなされたからだ。役員報酬の虚偽記載での適用事例はなく、構成要件の一つである「投資判断への影響」にも疑問が投げかけられた。

 特捜部が、日産に実害を与えた「実質犯」の特別背任での立件にこだわったのは、こうした批判をかわす狙いもあったとみられる。「会社が食い物にされた」(幹部)とみる日産側も、会社が被害者になる特別背任での立件を強く求めていた。特捜部は日産の内偵チームと水面下で連携し、年末に向け「中東ルート」の捜査を加速させていった。

◇◇◇

 「検察官はもう少し慎重に、よく証拠を見て捜査を進めてもらいたかった」

 ゴーンの弁護人を務める元東京地検特捜部長の大鶴基成(63)は1月8日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で、多くの海外メディアを前に記者会見し、かつての後輩たちの捜査に苦言を呈した。

 その日、ゴーンは勾留理由開示の手続きで東京地裁の法廷に立ち、「私は無実。不当に勾留されている」と初公判さながらに訴えた。大鶴はその補足説明として会見したのだが、最大の目的は海外メディアへの発信だった。

 裁判所が容疑者の勾留理由を公開の法廷で説明する勾留理由開示は保釈に直結しないため請求率は1%にも満たない。大鶴も報酬過少記載事件での勾留の際は「意味がない」と否定的だったが、年明けになって方針転換した。その狙いを、ある検察幹部は「早期保釈に向け、裁判所に圧力をかけるため」と断言する。

 特捜部が特別背任事件の捜査着手を前倒しせざるを得なくなった勾留延長の却下は「検察幹部が軒並み冷静さを失うほど衝撃的だった」(検察関係者)。翌日、地裁は却下理由の要旨をメディアに明らかにしたが、ある捜査関係者は「証拠関係を明らかにしており、発表自体が捜査妨害だ」とくさした。

 「さすがに却下はないと思っていた。そこまで『外圧』に弱かったとは…」。多くの検察幹部は地裁の異例の判断の背景に、海外メディアの過熱報道があったとみる。日本の刑事司法制度について「長期勾留」「取り調べに弁護士が立ち会えない」などと批判が向けられてきたからだ。

 勾留理由開示手続きや、その後の勾留取り消し請求と、立て続けになされた裁判所への働きかけは、大鶴を含めた弁護団も裁判所の「特性」を十分意識しているからだろう。

 こうした弁護側の情報戦略に、ある検察幹部は「ゴーンの言っていることは嘘ばかり。マスコミは弁解を垂れ流すだけで利用されているのに気付いていない」といらだちを募らせる。

 一方の大鶴も「検察のマスコミへのリークがひどい。本件の特別背任容疑と関係ないことばかり流す」と漏らし、検察を批判する。

 前代未聞の事件は検察側、日産側、弁護側の思惑に、裁判所も巻き込みながら続いていく。
=敬称・呼称略

 ゴーン被告をめぐる一連の事件は11日、特別背任罪で起訴されたことで節目を迎えた。異例ずくめの捜査の舞台裏や日産内部で起きていた「暗闘」を探る。

(記事引用)

2019/1/13付 転載
【暗闘 ゴーン事件】(下)仏政府乗っ取り防ぐ「国策」
2019.1.12  22:02 産経
 昨年11月19日午後3時過ぎ、成田空港に降り立った日産自動車の元代表取締役、グレゴリー・ケリー(62)=金融商品取引法違反罪で起訴、保釈=は日産が準備した車で滞在先のホテルへ向かっていた。

 前会長、カルロス・ゴーン(64)=同罪、会社法違反罪で起訴=の側近で、米国に在住し、年に数回しか来日しないケリー。数日前、日産の外国人執行役員から「取締役会でゴーン会長の退任後の報酬について話し合いたいので日本に来てもらえませんか」と電話があった。首の手術を12月7日に控え、最初は「どうしても、ということでなければテレビ会議でお願いしたい」と難色を示したが、執行役員は「どうしても」と食い下がった。

 執行役員が来日にこだわった理由はほどなく判明する。ケリーの乗った車は高速道路のパーキングエリアに止まり、待機していた東京地検特捜部の検事から任意同行を求められ、逮捕された。執行役員は、特捜部と司法取引に合意し、捜査に協力していた人物。ケリーはゴーンとの「同時逮捕」を狙う特捜部と水面下で連携した日産側が仕掛けた“罠(わな)”にかかったのだ。

◇◇◇

 ゴーンが問われた金商法違反罪は、毎年の報酬約20億円のうち、有価証券報告書に記載するのは約10億円だけにし、残りの約10億円は退任後に別の名目で受け取るというものだ。「報酬隠し」の総額は8年で約91億円に上った。
 ゴーンは自身の報酬額について、フォードやゼネラル・モーターズなどの自動車大手4社から引き抜きを受けた際に示された金額を参考にしているとし、「自分の市場価値」として記録していたという。検事の取り調べでも「自分にはそれくらいもらう価値がある」と胸を張った。

 約15年前の取締役会で、すでに報酬額への強いこだわりを見せていた。報酬の3割増額を提案したゴーンに対し、出席者から「お手盛りが過ぎる」と異議が出た。ゴーンの顔がみるみるうちに赤くなった。

 「業績で貢献したんだから、これくらい当たり前だろ!」

 早口の英語でまくし立てるゴーンに圧倒され、場は静まり返った。ある幹部は「並みの怒り方ではない。獣のような顔で怒鳴り立てていた」と振り返る。

 幹部がその剣幕(けんまく)を目撃したのは1度ではない。2度目は出自について、言及された時だったという。

 祖父はレバノンからの移民だったというゴーンはブラジルのアマゾン川流域の田舎町で生まれた。自著によると、高温多湿で蚊に悩まされる厳しい環境で育ち、2歳の時には井戸水を飲んで生死をさまよった。

 外食ではラーメン店や焼き鳥店に通う庶民性を見せるが、幹部は言う。「とにかく強欲でカネへの執着は異常だった。出自へのコンプレックスも強かった」

 ゴーンは自著で「数字は多様な言語、文化の中で育った私が考え抜いた共通の言語だ」と書く。業績追求の果てにたどり着いた唯一のアイデンティティーが、報酬額だったのだろうか。

◇◇◇

 仏ルノーを経て平成11年6月、業績が悪化していた日産の最高執行責任者(COO)に就任したゴーンはわずか1年でV字回復を果たし、13年に最高経営責任者(CEO)となる。17年には日産株を43%持つルノーの社長兼CEOとなり、日産トップでありながら日産を監視する側のトップになった。元幹部は「ルノーを治め、日産の株主総会を動かす力を持ったことで独裁者になった」と話す。

 だが社内には「ルノーから日産を守る盾としては報酬20億、30億の価値がある」(日産関係者)との声もあった。ルノー株を15%持つ仏政府は26年、株主の議決権を強化する「フロランジュ法」を制定。ルノーを通じて日産への支配を強めつつあったが、ゴーンは27年に仏政府が日産の経営に関与しないことで合意を得るなど、日産の独立性を重視する姿勢に、社内でも評価する支持者がいた。

 ところが昨年2月に潮目が変わる。ルノーCEO留任の条件としてゴーンが仏政府に「日産との不可逆的な関係づくり」を約束したとされたからだ。不可逆的関係とは「経営統合」を意味し、社内ではついにゴーンがルノー側に回ったと解された。「この時、社内でゴーンを切る覚悟ができたのだろう」(日産OB)

 ちょうどその頃から、不正を調査する内偵チームが極秘の活動を加速させていく。背景には日本政府の意向も見え隠れし、ある政府関係者は「不況にあえぐ仏政府が技術力と雇用欲しさに日産を乗っ取ろうという状況を(日本の)経済産業省が問題視していたのは事実」と明かす。

 昨年10月、ゴーンに重用されてきた日産社長兼CEOの西川(さいかわ)広人に調査結果が報告されたとき、もはや西川に選択肢はなかった。

 先の政府関係者はこう続ける。

 「技術力と雇用を流出させないという意味では事件は国策の側面もあった」
=敬称・呼称略

 (連載は、市岡豊大、山本浩輔、吉原実、松崎翼が担当しました)

(記事引用)

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竹田JOC会長の「それみたことか」記事

つい先ほど書いたメイン記事の裏書きが「天木直人」氏の記事で証明された。

上の記事を「ドバイの証言」を詳細に読んだ結果思うことは、「なんだゴーンは近年稀に見るゆすりたかりの大ペテン師大嘘つき(特捜見解)にメディアは完全に出し抜かれている。と。

比喩として適切とは云い難いが「日産はいいカモ」だった、と結論づけるようなその記事だった。はたしてそうか?

と疑心暗鬼に他のネットを探っていると
天木直人氏の記事を読んですべて氷解した。

薩長と徳川の終わらない戦いが、いままたここに火の手を上げた、という超一級のドキュメントに、キーボードを打つ指先が震える。

他のネット記事を読むかぎり「我関せずガラパゴス」世相を反映して「ああ日本はヘイワである」ことの愛おしさをつくづく感じる夕暮れ時だった。

フランス司法当局による竹田JOC会長贈賄容疑捜査...

天木直人2019年01月12日 14:32 記事天木直人のブログ

フランス司法当局による竹田JOC会長贈賄容疑捜査の衝撃

 ゴーン事件が新たな展開を見せた。
 仏紙ルモンドなどが、竹田JOC会長を東京五輪招致の際の贈賄容疑で捜査していると報道したからだ。
 政府関係者はゴーン事件とは無関係だ、単なる偶然だ、などと冷静を装っているが、明らかにゴーン事件に対する日本の司法当局への圧力だ。

 司法当局の背後にある安倍政権に対するメッセージだ。
 
 いよいよ日本はゴーン事件で窮地に立たされることになる。

 竹田会長の贈賄容疑捜査報道の衝撃は二つある。

 ひとつは、贈賄そのものの有無だ。

 竹田会長が贈賄していたなら、それは日本政府が贈賄していた事になる。
 その場合はもちろん東京五輪は吹っ飛び、安倍政権は総辞職せざるを得ない。
 しかし、この問題は、すでに2年前にコンサルタント契約に基づいた正当な対価として政治決着している。
 そもそも、オリンピックの招致が買収されることは周知の事実だ。
 そんなことを認めてしまえば、オリンピック自体が成り立たなくなる。
 だから、竹田会長に関する贈賄容疑は政治的に成り立たない。

 それを知っていながら、今になってフランス司法当局が捜査を続けていると突然報道されたということは、明らかにゴーン事件に対する仏側の報復的脅しなのである。

 ただでさえ、日本の捜査の人権軽視について外国の批判が高まり始めた時だ。

 いよいよ検察は追い込まれる事になる。

 そこで問題になるのが、安倍政権とゴーン事件のかかわりである。
 安倍政権がゴーン逮捕を指揮し、積極的に動いたということは、さすがにあり得ないだろう。

 もしそんなことをしていたら、それがばれた時点で安倍政権は即、終わりだ。
 問題は、安倍政権が今回の検察の一連の捜査について、事前通報を受け、それを明示的、あるいは黙示的に、承認していたかどうかだ。
 そして、これまでの日本の政権と検察の関係から考えれれば、検察が政府に一切連絡せずに独断で行ったとは考えられない。

 ましてや、今の、安倍・菅政権の下では、検察・警察・司法は完全に安倍政権の顔色をうかがって動いている。
 もし今度のゴーン事件に安倍政権が、たとえ暗黙的にせよ、関与していることがわかれば、その時こそ安倍政権は国際批判の矢面に立たされる事になる。
 そして、その背後に米国の影がちらつけば、国際問題にまで発展する。

 いよいよ検察は追い込まれて来たということだ。

 その深刻さを、きょうの朝日新聞が見事に認めている。

 つまり、検察から情報をもらってスクープ報道し、以来、一貫してゴーンを悪者にして検察寄りの記事ばかり書いてきた朝日が、きょう1月12日の一面トップで、検察捜査の独善性を批判し始めたのだ。
 この朝日の手のひら返しの裏切りこそ、ゴーン事件が世界から批判の目で見られ始めたことへの危機感の表れなのだ。

 しかし、検察はいまさらゴーン追及の手を緩めるわけにはいかない。

 そんなことをすれば安倍政権からやめろと指示があったことを認める事になる。

 検察は進むも地獄、退くも地獄だ。

 そして、それはとりもなおさずゴーン事件で安倍政権が置かれている苦境でもある。
 折からあらゆる外交の行き詰まりが表面化してきた。

 それに加えてゴーン事件だ。

 待ったなしに外交の安倍の真価が問われている(了)

(記事引用)

同趣旨 郷原記事

竹田会長「訴追」で東京五輪の危機を招いた政府・JOCの「無策」
郷原信郎(記事) 2019年01月12日 08:56
 フランスの司法当局が、日本オリンピック委員会(JOC)竹田恒和会長を東京2020オリンピック・パラリンピック(以下、「東京五輪」)招致に絡む贈賄容疑で訴追に向けての予審手続を開始したと、仏紙ルモンドなどフランスメディアが報じている。
 カルロス・ゴーン氏が特別背任等で追起訴された直後であり、この時期のフランス当局の動きがゴーン氏に対する捜査・起訴への報復との見方も出ている。
 このJOCによる五輪招致裏金疑惑問題については、2016年にフランス当局の捜査が開始されたと海外メディアで報じられ、日本の国会でも取り上げられた時点から、何回かブログで取り上げ、JOCと政府の対応を批判してきた。

(記事部分引用)




それはまったく、このサイト名サブタイトル「Galapagos Japas 」そのものであると沈思黙考にふけっているところだ。 筆者



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動画第3弾「カルロスのフランスバカンス」
















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