参加しない若者、参加するシルバー、は本当か?

図表1 衆議院選挙における年代別投票率の推移

(資料)総務省ホームページ
検索ニッセイ~https://www.nissay.co.jp/enjoy/keizai/63.html

上記、参照図を見る限りでは、シルバー年代層によって選挙が決定される、という数字になっていない。

20歳代赤線は、断トツで少ないことだけは明確に示されている。統計は衆議院選挙集計になっているので、これが地方選挙になると、微妙に変化するのだろう。

昨今、選挙に関するニュースで、どこのメディアでも若者政治無関心が懸念されていて、その中での「SEALDs」展開は、良し悪しは別として選挙アピール度としては効果アリ、と判断できる。時期的に、来年夏の参議院まで、その熱が持続するかどうかだ。

カナダ総選挙で勝利した自由党党首で次期首相となる「ジャスティン・トルドー」氏は43歳の若き新首相となる。たしかに若さは魅力の一要素だが、はたして老練老獪な政治家たちを相手に、どこまで長としての威厳を確保できるかが問題だ。その点ギリシャの「チプラス」は舌先三寸で非常によくやっている。

この世界(政治)を一括りで語るには、ギリシア古典民主主義から始めないと理解できないが、そもそも、世界的な支配層の君主政治が、あまりにも長かったため、民主主体という思想がまだ根付いていないのではないか、そんな懐疑心を思うようになった。

ヨーロッパの隣国同士のイザコザから始まった普仏戦争(ドイツプロイセンとフランス)が、世界戦争の始まりとされているが、その理由が君主同士のわけアリ出来事だった。

そうした諸々と、いまだ時間的に成熟しない民主政治だから、若者の関心ごとになりえないと。
このブログでも書いたが、現役「石破地方創生大臣」の言葉で、「政治を信じている人ってほとんどいない。では逆に政治家は国民信じてますか」といった意見は、案外正しい見方だろう。

それはなぜか?

政治に感心がないのは、政治家に関心がないからだ。
政治に魅力がないのではなく、魅力的な政治家が、だれもいないからだ。
政治が何をしてくれる、ではなく政治をやってくれる政治家たち選ぶ人材がないからだ。
ツィッター、フェイスブックを駆使して政党交付金(維新の会会計 PDF)の銀行取引口座停止とか、配分比率とか、会を抹消するだとか、そのために議会制民主主義が確立されたわけではない。

1800年代末の明治維新の動乱期、魅力ある政治家は、魅力ない政治家筋によってすぐ暗殺されてしまった。 一言でいって、いま魅力ある政治家がどこにもいない。

今朝方「ファッションデザイナー山本耀司」を書いて読んで、つくづくそう思った。
(記事 山本耀司


低投票率の背景は 若者1万人アンケート
2014年3月19日(水)nhk
NPO法人代表 原田謙介さん
「『若い人が新しいアメリカを作ろうとしている』みたいな取り上げられ方が結構あって、すごく悔しさみたいなのを覚えた。
日本だって将来どうなるか分からない状況なのに、若い人が動いてない。」

原田さんが大学時代に始めたのが、大学生と政治家の交流会です。
後輩たちが引き継いで、今も続いています。

学生
「もっと身近に感じられたら、いいのかな。」

議員
「努力しているんだけど。」

原田さんは、大学卒業後、就職はせず、若者に政治参加を促そうとNPO法人を立ち上げました。
行政へ働きかけたり、若者が地域の課題を話し合う場をつくったりしています。

NPO法人代表 原田謙介さん
「若者が政治に興味を持ちだしているという流れをもっともっとつくっていければ。」

先月(2月)の東京都知事選挙では、インターネットを使った新たな試みも行いました。
ツイッターを利用して候補者への質問を集めました。
寄せられた質問は、「好きなおにぎりの具は何か」といった身近な話題から、具体的な政策を問うものまで、さまざまでした。

待機児童対策に関する質問に、当選した舛添氏は、「駅近くの保育所を拡充する」などと回答しました。
また、副知事にはどんな人をという質問には「困難に立ち向かい、やり遂げる人」などと答えました。

NPO法人代表 原田謙介さん
「こういう新しいやり方というのは、時間・場所の制約がなく、若い人が選挙に自分が関わっているとか、関わりたいという感覚を持ちやすいツールかなと。」

どうしたら若者と政治をつなぐことができるのか。
原田さんは模索を続けています。

NPO法人代表 原田謙介さん
「世の中が変わるとか若い人全員が変わるとかには、まだ至っていないので引き続き活動したい。
選挙以外の政治に関わることによって、また次の選挙に行こうとならないと。
日々の中で興味関心を持っていくというような仕組みづくりが必要かなと思う。」

投票に行かない背景は 若者1万人アンケート
大越
「私が選挙権を持つようになったのは、もう30年以上前になるんですが、当時も若い人たちの政治離れ、選挙離れというのは、やっぱり言われていたと思うんですよね。
ただ、私たちの頃は、世の中っていうのはずっとこれからも良くなっていく、豊かになっていくんじゃないかという、ある種楽観的な気分に包まれていたんですが、その後、長いこと日本は閉塞感に包まれてきて、今の若い人たちにとっては政治はもう少し切実であっていいはずです。
若い人たちの新鮮な発想が、より必要とされている時代だからこそ、政治に参加感を持ってほしい。
ずいぶん前に若者だった私は、そのように感じます。」
(記事引用)

老人の老人による老人のための政治
白岩賢太 2015年06月27日 08:05
衆院選、大阪市内の投票所で投票をする人たち(産経新聞
 老人の老人による老人のための政治。19世紀、奴隷解放宣言で知られる米大統領、リンカーンが民主政治の原則を大衆の前で訴えた演説をもじり、最近こんな言葉をよく耳にする。高齢者の意見が過剰に政治に反映される「シルバーデモクラシー」とも揶揄されるが、先の大阪都構想をめぐる住民投票の結果を受けて、このフレーズがメディアでも頻繁に使われるようになった。 

 65歳以上の高齢者が総人口に占める割合が25%となり、「超高齢化社会」の進行著しいわが国にあって、全有権者に占める高齢者の割合が高くなるのは当然だ。多数意見が政治を動かす民主主義国家であればなおのこと、高齢者を優遇する政策が政治に反映されやすくなるのも自然な流れと言えるだろう。 

 国立社会保障・人口問題研究所が昨年11月に公表した社会保障費用統計によると、2012年度の政策分野別の社会支出(OECD基準)のうち高齢者政策の割合は、全分野の中で最も高い47・6%、金額にして53兆6272億円に上る。他の先進国と比較しても群を抜いて高く、この数字だけをみればわが国の高齢者政策の優遇ぶりがうかがえる。大阪都構想の否決をめぐっても、敬老パスの廃止がクローズアップされたが、こうしたお年寄りへの優遇策を「老害」と批判する声は決して少なくない。 

 ただ、社会支出が高齢者に偏っていることと、「老害」批判をごちゃ混ぜにする議論はいささか的外れである。政治の方向性を決定するのは、あくまで有権者の意思であり、その意思を表明する場として投票という機会が与えられているからに他ならない。 

 この手の議論でいつも引っ掛かるのは、「政治に関心がない」とか「投票しても何も変わらない」といった無関心、無気力の若者による「選挙離れ」の原因をすべて政治不信に擦り付けてしまう風潮である。 

 確かに、日々政局ばかりに明け暮れる政治家の言動や、最初は「若者目線だ」と調子の良いことを言いながら、いつしか長老議員の意見に流されていく体たらくをみせられると、一票を投じる行為自体、バカバカしくなることもある。だからといって、選挙で「白紙委任」してしまえば、ますますお年寄りの政策を優遇することになることも肝に銘じるべきだろう。 

 我々は一票を投じることでしか政治を変えることができない。投票しないことは現状を受け入れたに等しい。選挙にも行かず、ただ「老害」ばかりをあげつらうのは、それこそただのわがままに過ぎない。無責任に駄々をこねるのは子供だけでいい。現状を憂い、自分の生活やこの国の未来を少しでも案じているならば、やはり選挙に行くしかない。 

 くしくもつい先日、選挙年齢が18歳以上に引き下げられる法案が成立した。これをチャンスに変えるのも変えないのも、彼ら若者たちの意欲次第である。むろん、お年寄りがもっと将来世代に配慮すべきだという意見も忘れてはならない。だが、他人任せで甘えていても結局は同じことの繰り返しだ。いま必要なのは、自分たちの意識改革しかない。 

 「せっかく選挙権を与えても…」とお年寄りたちに「バカ者」扱いされないためにも、投票できる権利を目いっぱい行使しよう。すぐにはダメでも、近い将来、君たちの選択がきっと大きなうねりとなる日が来る。 
(記事引用)
nase1



映画「立候補」監督が問う 泡沫候補とは何か?
『iRONNA編集部』  藤岡利充(映画監督)

羽柴誠三秀吉の死去
 2015年4月11日。日本全国の選挙に何度も立候補し続けた羽柴誠三秀吉(本名:三上誠三)氏が65歳で亡くなった。
羽柴氏は青森県五所川市金木町出身。青函トンネルの土をダンプで運ぶことをきっかけに財を築いた。
自宅は日本の城を模したもの。甲冑を身につけ、ヘリコプターを飛ばすなどの派手な選挙パフォーマンスは、目立ちたがり屋で金持ちの道楽立候補、選挙の時だけ現れては消える水の泡、泡沫(ほうまつ)候補として揶揄する人もいた。一方で、人から何を言われようとも我が道を行き、自由奔放に生きていると賞賛する人もいた。本人はどう考えていたのか?
(記事冒頭引用)