ホッチキス針、外す必要ない?
「古紙再生で支障なし」箱の記載に驚きの声 メーカーや製紙会社に聞く
 2016年12月14日 7時0分 withnews http://news.livedoor.com/article/detail/12413169/
「ホッチキス針は古紙再生工程で支障ありません」。針が入った箱の裏面に書かれたこの一文が、ツイッター上で注目を集めています。「取らなくてもよかったんか……」「ショックすぎて言葉を失いました」などと、これまで外していた人たちを中心に驚きの声が上がっているのです。本当に外す必要はないのでしょうか? ホッチキス針のメーカーや、再生紙を製造している製紙会社に話を聞きました。(withnews・若松真平)

【画像】「支障ありません」の記載はこちら。裏カーボン紙・感熱紙など「古紙に混ぜてはいけない紙」一覧も

ホッチキスのメーカーに聞きました
 ホッチキス本体や針の大手メーカー「マックス」(東京都中央区)。1000本入りの箱の裏面を見ると、「ホッチキス針は古紙再生工程で支障ありません」の文字が書かれています。

 今月9日、この文字を写した画像がツイッターに投稿されると「俺の今までの苦労はなんだったんだ」「まさか箱に記載されていたなんて」「こんなに重要なことがなぜ周知されてないの」といった驚きの声が上がり、リツイートは6万2千を超えています。

 マックスによると、裏面の記載を始めたのは2001年9月1日出荷分からだといいます。そのきっかけについて、IR・広報セクションの担当者は、こう説明します。

 「ホッチキス針程度の金属であれば、古紙再生の過程において支障がないのですが、当時実施したアンケートによると、約8割の方が『ホッチキス針は古紙再生の過程で支障がないことを知らない』という結果が出ました。針を外す手間がかかることが原因で廃棄されていた書類などの紙資源がリサイクルに回ることによって、古紙再生が促進されることを期待して、メッセージを記載しました」
製紙会社に聞きました
 マックス製の針だけが特別なのでしょうか? この点については「弊社のホッチキス針が特別というわけではありません。弊社で訪問した製紙工場では、『古紙再生リサイクルに支障がない』ことを確認しておりますが、製紙工場の設備によっては条件が異なる場合もあります」とのことでした。

 実際に再生紙を製造している王子製紙と日本製紙に聞いたところ、「再生紙を製造する過程で除去する工程があるので、そのままでも問題ありません。しかし、できる限り外していただいた方がありがたいです」との回答でした。

 再生過程では、水とともに古紙を溶きほぐして繊維状にし、除去装置を複数組み合わせて、異物やインク粒子などを取り除いているそうです。除去作業の負担を軽くし、再生紙に混入する可能性をなくす意味で「できる限り外してほしい」としているそうです。
ホッチキス針だけじゃない
 一方、公益財団法人・古紙再生促進センターは「再生紙を作る工場の設備によっては除去できない可能性もあります。やはりホッチキス針は外してほしい」としています。

 多くの場合は支障がないようですが、外しておいた方がリサイクルが確実になり、再生過程での負担が減ることから、「できるだけ外した方がよい」というのが正解のようです。

 ある古紙回収業者はこう話します。「ホッチキス針を外す、外さないがこれだけ注目されるということは、みなさんのリサイクルに対する意識がそれだけ高いということの表れなんだと感じます。でも、古紙に混ぜられると困るものが他にも多くあるので、そのへんにも注目してもらいたいですね」

 古紙再生促進センターのホームページでは、「粘着物のついた封筒」「裏カーボン紙」「感熱紙」などが混ざると「紙を作る上で重大な障害が起こります」として注意を呼びかけています。

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「透けない白衣」中小企業が開発 特許も取得、一方で嫌がらせ電話も
  若松 真平 withnews編集部2016年12月12日
東京都内の中小企業が「透けない白衣」を開発しました。「どんな下着の色や柄も透けなくすることができる」とうたっていて、生地を分厚くするのではなく、白衣生地と裏地の色の組み合わせで透けない仕組みで、特許も取得しています。その技術や開発の経緯について、話を聞きました。
作ったのは「大真」
 透けない白衣を販売しているのは、東京都千代田区にある「大真(たいしん)」です。企業や事業所向けユニフォームの製造企画や販売を手がけています。

 商品名は、ストレートに「裏地付透けない白衣」。ワンピースタイプ、ジャケット、パンツの3種類があり、価格はいずれも税込みで14904円、12744円、9504円です。通常商品より2割ほど高く、ラインナップは女性用のみ。男性用は現在開発中だそうです。

 「どんな下着の色や柄も透けなくすることができる」と話すのは、開発に関わった営業担当の西原成幸さん(49)です。


水に濡れても生地が伸びても透けないそうです

水に濡れても生地が伸びても透けないそうです

 開発のきっかけは、市場の縮小でした。「最後までユニフォームが残るところはどこかと考え、病院だという結論になりました。そこでオリジナリティーのある白衣を作ることになったんです」と西原さん。

 他社製で「透けにくい」とうたう商品が多くあるなか、「透けない」と言い切れるものを目指しました。

 素材を厚くすれば透けなくできます。しかし、動きにくくなるため、白衣としての機能性を損ねてしまいます。

 一般財団法人「日本色彩研究所」から色彩指導者の認定を受けている西原さんが考えたのは、新しい素材探しではなく、「既存の白衣の生地と、既存の裏地の色の組み合わせ」で透けないようにする仕組みでした。

特許も取得

 色の三属性である「色相」「明度」「彩度」について研究して試すうちに、裏地の明度をあるラインより暗くすれば透けないことを数値で示すことに成功しました。

 「じゃあ、裏地を黒にすればいいと思った方もいるかもしれませんが、それだと白衣の下に裏地があることが見えてしまいます。白衣の側から見て裏地の存在もわからず、下着も透けない明度を探し出したんです」

 白衣に関するこの手法について、親会社の名義で特許も取得しました。

白衣の生地と裏地の組み合わせで「透けない」を実現
出典: 大真提供
でも「数えるほどしか売れていない」

 実はこの商品、昨年8月から販売していますが「数えるほどしか売れていない」(西原さん)のが実情です。

 ところが今年6月、東京都中小企業振興公社の「ニューマーケット開拓支援事業」の対象製品に選ばれたことを受けて、ニュースリリースを出したところ、ネットを中心に「下着が透けない白衣は助かる」「女性の視点から見たらこれは切実だったんじゃないか?」と話題になりました。

 一方で、「素晴らしい技術なんだけど男からしたら……」といった意見も上がっており、大真に対して「こんなもの作るな」と怒鳴る電話や、無言電話もかかってきたそうです。

 西原さんは「需要のある商品で自信もあります。モニターとして試すことも可能なので、お気軽にお問い合わせください」と話しています。
(記事引用)