左翼新聞の凋落 フランス リベラシオンの経営危機(26.11.3) おゆみ野四季の道
 NHKのドキュメンタリーWAVEを見ていたらフランスの左翼系新聞リベラシオンが経営の危機の陥っているという報道をしていた。
リベラシオンとは実に懐かしい名前だ。当時と言っても今から40年も前のことになるが、世界的な学生運動が燃え盛っていた時代にサルトルと言ったフランスの知識人が結集して創刊した新聞だ。

 当時サルトルといえば世界最高の知者の一人と言われ、実存主義の旗手といわれていた。実存主義と言われても私には本当は何のことかさっぱり分からなかったが、彼の書いた「存在と無」を懸命に読んだものだ。
「あのリベラシオンが経営の危機に陥っているのか・・・・・・」感無量だ。
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注)実存主義とは社会主義に対するアンチテーゼとして生み出された思想で、社会主義が個人より社会を重視するのに対し、実存主義は個人こそが重要だと説いた。

 最盛時は30万部の発行部数を誇っていたが今は10万部を下回っており、累積赤字も10億円になろうとしているという。
最近経営者が代わってパリの不動産王が筆頭株主になったが、この株主の目的は新聞にはなく、リベラシオンが持っているパリの一等地の建物にあり、そこをレストランとカフェに改造し、記者や印刷労働者を大量に馘首して人手がほとんどかからないWEB新聞にすることらしかった。

注)WEB新聞にすれば多くの記者はいらないし、もちろん印刷関連や配送関連の労働者は一切いらなくなる。私はこのブログをたった一人で書いて(大げさに言えば)全世界に配信しているからWEBが如何に人手を必要としないか分かるだろう。

 現在世界中で新聞のあり方が問われている。簡単に言えば新聞の購読者数が加速度的に減少しているのだが、それはメディアのあり方と報道独占の崩壊という二つの要因からなっている。

 いまや新聞は一世代前の報道様式になって、多くの若者は紙ではなくWEBで情報を検索している。
私のような老人はそれでも紙の媒体に愛着を持っているが、私の子供などは新聞を全くよまずもっぱらインターネットで必要な情報を入手している。

 何しろ新聞報道はスピードと言った点でテレビとWEBに全く歯がたたない。特に災害報道の地震・台風・竜巻等に関する速報性が必要な情報がそうで、東日本大震災の時私はテレビにくぎ付けになっていたが、新聞の報道内容はすべてテレビで確認してしまった内容だった。
新聞が最も最新の情報を届ける媒体でなくなって久しい(新たに聞くのではなく二番煎じになってしまったので新聞といえなくなった)。

 また報道内容についても当たり障りのない誰でも納得できるような内容になっているが、これでは情報としては役に立たない。私は中国や朝鮮半島に関する情報はWEB情報を見ているが、その道の専門家が無料で情報発信をしてくれているのでそれをトレースしている。
こうした情報の方が新聞やテレビの解説よりもより内容が充実しており情報としての価値が高い。
従来は「新聞が記載しているのだから」というのが価値評価の中心だったが、今ではA氏の情報だから確かだという時代に変わっている。
新聞が情報を独占していた時代はとうに過ぎたのだ。

 こうしてメディア媒体が紙からインターネットに移ったこと、新聞が情報を独占していた時代が終わったことで新聞の相対的な位置が低下したが、リベラシオンはさらに左翼の時代が終わったことも経営危機に拍車をかけている。
左翼が時代の中心だったのは20世紀までで、ソビエトロシアの実験が大失敗に終わって左翼の賞味期限が切れてしまった。
今ではリベラルという言葉とダイナソーという言葉が同義語になっている。

 リベラシオンは現在苦悩の最中にあるが、20世紀を代表したメディアがその役割を終えて臨終を迎えているに過ぎない。
時代の波に取り残されたリベラルの鎮魂曲が奏でられている。

注)日本でも朝日新聞が凋落しているが基本的にはリベラシオンと同じ構図といえる。
(記事引用)

画像引用
http://blogos.com/article/145956/
記事 田中龍作2015年11月22日 02:38【パリ発】「ネットメディア検閲」 アベ政権が必ず真似てくる より

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