トランプ氏、金正恩氏に警告状「北朝鮮に強力に対応」
Posted February. 15, 2017 08:23,  東亜日報
北朝鮮は12日、中距離ミサイルを発射して日米首脳のフロリダ晩餐を興ざめさせただけでなく、米国の安全保障と雇用を最優先に追求するというトランプ大統領の出鼻をくじいた。トランプ大統領が13日(現地時間)、北朝鮮の中距離ミサイル発射と関連して、「北朝鮮に非常に強力に対応する」と明らかにし、トランプ大統領の対北圧迫の構想が当初の予想より早期にあらわれると見える。
現在ワシントンでは、北朝鮮の核施設に対する先制攻撃から北朝鮮と取り引きする中国企業に対する「セカンダリー・ボイコット」(北朝鮮と取り引きする第三国の企業・個人に対する制裁)まで様々な圧迫のアイディアが百家争鳴のごとく噴出している。まず、北朝鮮への先制攻撃と関連して、現在米軍はステルス戦闘爆撃機やトマホークミサイルなど先端兵器で北朝鮮全域の核・ミサイル基地を破壊できる能力を備えている。
米国の民間シンクタンク「ストラトフォー」は昨年6月、B-2ステルス戦略爆撃機10機やF-22ステルス戦闘機24機、艦艇や潜水艦発射用トマホークミサイルなどで北朝鮮の核・ミサイル施設や指揮部、空軍部隊などを一挙に攻撃するシナリオを公開した。しかし、北朝鮮の主要軍事施設の相当数が地下化されており、北朝鮮軍が化学弾頭を装着した長射程砲やミサイルでソウルをはじめ首都圏を攻撃する場合、死傷者が数十万人発生するという憂慮のため実行の可能性は大きくないというのが大方の見方だ。
そのため、トランプ政権が「軍事オプションも排除しない」と警告し、これまで構想した各種対北圧迫を総動員するのではないかという観測が支配的だ。
現在米国が取り出せる追加の対北圧迫カードとしては、△中国企業に対するセカンダリー・ボイコットの全面実施、△イラン式金融制裁、△北朝鮮人権問題の追加提起、△ロシアなどに派遣された北朝鮮海外労働者の本国送金禁止などが挙げられている。
北朝鮮と交流する中国企業を制裁するセカンダリー・ボイコットは軍事的オプションを除いて取り出せる最も強力な独自の北朝鮮制裁手段であり、すでにティラーソン国務長官が先月の上院承認で、「必要なら実施する」と明らかにしている。
そのため、イラン制裁で効果があった金融制裁が取り上げられている。米国が2005年にマカオにあるバンコ・デルタ・アジア(BDA)内の北朝鮮口座の2500万ドル(約275億ウォン)を凍結したように、北朝鮮をドル基盤の国際金融ネットワークから退出させて平壌(ピョンヤン)へのドル流入を遮断することが核心だ。米下院は昨年、北朝鮮を国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除する内容の「北朝鮮国際金融網遮断法案」を発議した。米国は2012年、イラン中央銀行など約30のイラン金融機関をSWIFTから退出させたが、イランは石油輸出のためのドル決済が行き詰まり、米国との対話に乗り出した。
(記事引用)

トランプ氏、北朝鮮のICBM主張を「そうはならない」と
ドナルド・トランプ次期米大統領は2日、北朝鮮が米国に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発していると主張したことについて、「そうはならない!」とツイートした。
トランプ氏はツイートで、「北朝鮮はつい先ほど、米国の一部に到達できる核兵器の開発の最終段階に入っていると発表した。そうはならない!」と書き、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の発表に反応した。
正恩氏は、北朝鮮の朝鮮中央テレビが1日正午に放送した新年のあいさつで、ICBM開発が「最終的な段階にある」と主張していた。
トランプ氏が、正恩氏の主張を否定したのか、実現を防ぐ対策を約束したのか、その意図は明らかでない。
トランプ氏はさらにその後、中国が同盟国・北朝鮮を制御していないとツイッターで批判。「中国はまったく一方的な貿易で米国から巨額の資金と資産を持ち出しているのに、北朝鮮については協力してくれない。いいね!」と書いた。
正恩氏は新年のあいさつで、北朝鮮は今や「最強の敵も手出しできない東の軍事大国だ」と宣言した。
北朝鮮は昨年、2度の核実験を実施。核開発が大きく前進しているのではないかと懸念されている。しかしこれまで、核弾頭を遠くまで飛ばせる長距離ミサイルの発射実験に成功したことはない。
核開発の専門家たちは、北朝鮮が5年足らずでICBMの開発に成功すると推測している。
米スタンフォード大学のジークフリート・ヘッカー教授は昨年9月、BBCに対して、米国に到達可能な核弾頭搭載ミサイルを北朝鮮が実用できるようになるまでには、「まだかなり時間がかかる。5年から10年はかかるかもしれない」と話していた。
北朝鮮は、長距離ミサイルの大気圏再突入を可能にする耐熱素材を開発したと主張するが、西側の専門家の多くはこれを疑っている。
ヘッカー教授は、北朝鮮の核開発によって核兵器が「非国家主体」や「テロリスト」に拡散する危険が高まる問題についても懸念している。
国連は北朝鮮に核開発とミサイル発射実験の停止を求めている。

<解説> スティーブ・エバンズ、BBCソウル特派員
トランプ氏のツイートには「たら」も「れば」もない。単に「It won't happen(そうはならない)」の言葉だけだ。
その意味は不明だ。北朝鮮の技術開発が失敗に終わると思っているのか、それとも金正恩体制が倒れると思っているのか、あるいは金正恩氏に核開発計画を廃止するよう説得できると思っているのか。トランプ氏は選挙前、正恩氏と2人してハンバーガーを食べながら会談するのもいいと述べていた。
あるいはトランプ氏は、軍事行動を検討しているのかもしれない。そうだとしても、選択肢は限られているというのが、専門家たちの意見だ。
軍事専門家のひとりはBBCに対して、「バンカーバスター」爆弾も特殊部隊の強襲も、北朝鮮の核開発計画を確実に破壊できる保証はないと話した。
最もあり得る対策は、北朝鮮のコンピューターを破壊ウィルスに感染させたり、主要科学者を暗殺したりすることだが、実行は色々な意味で難しい。
(記事引用)
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金正恩委員長の異母兄、金正男(ジョンナム)氏がマレーシアで殺害
- 西村金一一般社団法人日本戦略研究フォーラム
2017年02月15日 17:28
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(ジョンナム)氏がマレーシアのクアラルンプール国際空港で殺害され、北朝鮮工作員の犯行の可能性が浮上している。 韓国政府関係者は、北朝鮮工作員に毒殺されたもようだと報じた。また、マレーシア警察によると、持っていたパスポートから北朝鮮国籍と判明した。マレーシアから出国しようとしていたところ、カウンターで倒れたという。 この殺害の件を、いくつかのポイントに絞って考察する。

ポイント1 誰が正男の居場所情報を提供したのか
 殺害者は、正男氏がクアラルンプールから飛び立つことを知っていた。そして、出発時間も知っていた。 このことから分かるのは、「誰かが事前に、正男氏がクアラルンプール空港から、○○航空会社、○時○分の航空機に搭乗する」と事前に知っていた可能性が高いということだ。また、逃亡の準備も整え、待ち伏せていた可能性がある。

 誰がその情報を提供したのか。それは、正男氏が、いつも航空券を依頼していた旅行会社関係者だろう。北朝鮮の関係者か中国の関係者ということになる。どちらかというと、正男氏は中国から保護されていて、北朝鮮からは殺害の恐れがあることから、中国の関係者の可能性が高い。

ポイント2 なぜ、中国は正男氏を守れなかったのか。
 中国によるガードが甘くなったからだ。何故か、中国と北朝鮮が水面下で手を握り、中国は北朝鮮の要求を受け入れたものと思われる。最近、北朝鮮が、中国の要求を受け入れていれているようだ。その見返りに、中国が、正男氏を北朝鮮に売ったと考えるのが妥当だろう。

 例えば、昨年、中国の南シナ海問題で、オランダの仲裁裁判所が中国の主張である歴史的根拠を否定した。その時、北朝鮮は、弾道ミサイルを日本海で続けざまに発射して、中国の南シナ海の悪者論を日本海のミサイルにすり替えることができた。

2月12日の安倍総理とトランプ大統領の会談で、日米同盟の強化が進められている時に、北朝鮮がムスダンを発射した。映像まで開示した。このことで誰が得するのか。「北朝鮮を押さえられるのは、中国だけだ」という論理に引き込もうとする中国だろう。

 これらの交換条件で、中国は、正男氏を守れなかったのではなく、裏切って、守る事を放棄した、身柄を北朝鮮に売ったものと考えられる。

ポイント3 正男氏殺害の理由は
 その1. 金正恩自身の権力の座を、後継者という立場で狙う人物を排除する。兄弟の中で、最も可能性がある正男氏が排除された。 金正恩体制が発足してから、正男氏はその3代続く体制を批判していた。金正恩からしてみれば、金正恩体制維持のためには、邪魔になる存在であった。

 その2.  金正恩体制の権力の座を、脅かす人物を次から次に排除していたその一連の流れで、正男氏は殺害された。
  排除された人物は、元李英鎬総参謀長(失脚)、おじの張成沢(処刑)、軍総参謀長(正恩氏になって4人目)、人民武力部長(国防大臣)(正恩氏になって5人目、玄永哲氏は処刑)、及び国家保衛相(秘密警察トップ)(失脚)である。正男氏もその延長線上にある。
  失脚していない組織は、党の組織指導部と軍総政治局(トップは組織指導部の出身)だけだ。

ポイント4 金正恩体制は、安定か不安定なのか
 自分の座を脅かす人物をことごとく排除してしまえば、直接、謀反を起こすものはいなくなる。だが、実力のある人物を排除するのは、金正恩が、周りの人物が信頼できない、或いは恐怖を感じているからであろう。自分に自信があれば、優秀な人材を簡単に殺害することなどあり得ない。組織を強くするには、優秀で力のある人間を、適材適所に配置することが必要だからだ。

 現在、北朝鮮で力を握っているのは、組織指導部だけだ。だとすると、その他の部署からは、不満が出て来るのは必然だ。軍の要人を冷遇し、核や弾道ミサイルだけに頼り、軍の組織や兵器を整備しないと、軍事不満がでてくる。 これらのことから、金正恩体制は、かなり不安定になっていると言える。

ポイント5 だれが、北朝鮮の体制を弱くしているのか
 金正恩かそれとも外部の勢力か。 これを考察する糸口となるのは、金正恩を不安にさせる、或いは怯えさせる情報を提供する勢力だ。今回の正男氏の殺害に、協力した情報提供者がいることは間違いない。「張成沢」が体制を転覆させようとする不穏な動きがあると情報提供したのは、中国の党の要人であったと、後日分かった。

 水面下で手を握り、ある時は金正恩を上手く使い、ある時は謀反の情報を金正恩に流す。そうすることによって北朝鮮の体制は、徐々に弱くなってきている。
 だれがそうしているかは、想像がつくであろう。北朝鮮を乗っ取ろうとする国、傀儡政権をつくろうとしている国だ。

  「レッド・クリフ」(赤壁の戦い)の映画で、敵の勢力を弱めるために、敵の大将に「誰々が謀反を起こそうとしている」などのデマ情報を流し、相手の優秀な水軍の将軍を自ら殺害させた場面を覚えているだろうか。三国志によくある話だ。金正恩が実力のある将軍を次から次へと粛清するたびに、この場面を思い出す。このようなことが、大陸と朝鮮半島で起きているのではなかろうか。
西村 金一(にしむら きんいち) 1952年、佐賀県生まれ。陸上自衛隊少年工科学校生徒入隊、法政大学文学部地理学科卒業、自衛隊幹部候補生学校修了、幹部学校指揮幕僚課程(33期CGS)修了。 防衛省情報分析官、防衛研究所研究員を経て、第12師団第2部長、少年工科学校総務部長、幹部学校戦略教官等として勤務。定年退官後、三菱総合研究所国際政策研究グループ専門研究員、ディフェンス・リサーチ・センター研究委員、現在は軍事・情報戦略研究所所長。 著書『北朝鮮の実態』―金正恩体制下の軍事戦略と国家のゆくえ―(原書房)、共著『自衛隊は尖閣諸島をどう戦うか』(祥伝社)がある他、メディアへの出演多数。

(記事引用)