役に立たないネタがうけて5万部超。
おかしな科学書『ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか』(ランドール・マンロー 著/吉田三知世 訳)――ベストセラー解剖 - 前田 久 記事文春オンライン2017年02月19日 11:00
大学で物理学を学んだのち、NASAでロボット開発に従事、その後、ウェブコミック作家へと転身した異色の経歴を誇る著者。彼の運営するウェブサイトに寄せられた、科学に関するおかしな質問に対する著者の回答をまとめたのが本書だ。表題の〈野球のボールを光速で投げたらどうなるか?〉を筆頭に、人を喰ったような内容の疑問が並ぶが、著者の回答の捻り具合はどれもそれを軽く上回る。

「原書はアメリカでもベストセラーになっているのですが、実はそうなる前から注目していました。科学の本ではありますが、読んでもほとんど役に立たないようなことばかり書いてある(笑)。逆にそんなところに魅力を感じたんです」(担当編集者の伊藤浩さん)

 原著の刊行以前から、日本国内のネットユーザーのあいだでも著者のサイトは話題に。翻訳の発売決定もSNSであっという間に広まった。その勢いに乗るかのように売れ行きも刊行直後から好調。池谷裕二さんや佐倉統さんといった識者の書評にも後押しされ、継続して部数を伸ばし続けた。

 昨年11月には同じ著者の『ホワット・イズ・ディス? むずかしいことをシンプルに言ってみた』も刊行。幅広い科学的事象を豊富な手描きイラストを交えて解説した本で、専門用語を避け、使用頻度の高い1000語の英単語のみを使ったユニークな言い回しが特徴。こちらも注目作だ。

2015年6月発売。初版6000部。現在18刷5万2500部
(記事引用)

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