佐久間正英からの提言(前編)~日本人が海外のバンドに勝てない理由、これからの戦い方
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 2013年11月19日 07:24
音楽プロデューサー、佐久間正英さんがブログで書かれた文章で、ショックを受けたのが2012年6月自身のブログにつづった『音楽家が音楽を諦める時』だ。
その投稿は、名プロデューサーの本音の告白として、内外で大きな反響と賛否両論を呼んだ。

佐久間正英 画像
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実際作品の制作予算が非常に少なくなり、かつて1500万の予算が普通だったのが、500万を切ってしまっている。「より良い音楽制作に挑めないのなら僕が音楽を続ける必然はあまり見あたらない」警鐘を鳴らした、あの時から1年半が経過した。
昨今はご自身の体調問題が大きく取り上げられた。今年同じく自身のブログで末期がんを公表。肝臓や脾臓にも転移している状況も発表し、9月には脳腫瘍の手術を受けたことも明らかにし、闘病生活を続けつつも、日常どおりプロデュースやライヴ活動なども精力的にこなしている。
そんな佐久間さんに改めてご自身の現状や、日本の音楽シーンの現状、そして自ら長きに渡る活動の中で感じとった海外の音楽との壁、そして日本の音楽シーンが今後進むべき道を伺った。

BOOWYの登場で日本のロックは海外と全く別物になってしまった
鈴木:僕らの世代からすると、今のバンドが殆ど海外の音楽からの影響を受けなくなっている。そこらへんの起因はどのようなものがあると思いますか?

佐久間:そうですね。僕もそのことがずっと不思議で、時代的にBOOWYの時代、日本のロックが主流になって以降ずっとそうで、確かに日本のロックと海外のロックは全く別物になってしまいました。

鈴木:BOOWYやミスチルの功罪というか、今若いバンドが影響を受けるのが大体この2バンドとかGLAY 、彼らはこれらのバンドのルーツを掘ることをしない。「どうして氷室さんが影響を受けたアーティストまでいかないのか?」広義でいうルーツミュージックに辿りつかなくなっている。

佐久間:情報が無かった故に見えた部分と、情報が多いから偏ってしまう、この両方があると思います。パンクならTHE BLUE HEARTSにしても、本人たちはブルーズの影響が根底にあって、たまたま日本語で歌ったらああいう歌になっただけで、後から影響を受けた世代が過剰に神様に祀り上げてしまっている部分もあるんじゃないでしょうかね。
日本のロックが海外の音と別になった背景について、知り合いには佐久間さんがA級戦犯だと言われまして(笑)。あともう一つ最近、北関東の田舎に住み始めて気づいたことなのですけど、日本特有のヤンキー文化の影響というのが大きい。ドメスティックなものになった理由や海外のものを取り入れない風土、あの独特の強さを強調する部分が、海外の感覚からずれちゃっている。こんなこと全然考えたことが無かったんですけど、最近になってよくよく考えると整合性がとれるんです。

鈴木:EXILEとかもその系譜に入りますよね。確かに海外のR&Bとはかなり違った形になっている。よく言われる「日本のヒップホップが上の世代にはちっともかっこよく聴こえない」というのも、僕らの世代的に70年代の日本語のロックはかっこよくないと言われた葛藤と全く同じ状況にあるような気もしますね。
ボブ・ディランが出て来て、1969年のウッドストックの時点で日本語がロックに合う、合わないという議論があって、実際はその頃から、日本のロックと海外の音は明らかに違って
いた。

四人囃子がピンク・フロイド、プラスチックスがトーキング・ヘッズになれなかった理由がある
佐久間:そういう意味では例えば自分がやっていた四人囃子がピンク・フロイドになれなかった理由、プラスチックスがB52’sやトーキング・へッズになれなかった明確な理由があるんじゃないかなと思っていて、最近になって、その乗り越えられない何かが「日本と向こうのモノを大きく隔てていた原因」じゃないかと考えるようになりました。

鈴木:それって何なのでしょうか?

佐久間:当事者としても実に難しいのですよ。プラスチックスの後期に、僕がB52sに入る、トーキングヘッズに入るということは出来たかもしれないけど、でもプラスチックスが彼らのようになれたか?というと絶対になれなかったと思うんです。実際、アメリカや欧州のニューウェーヴシーンで、プラスチックスはそれなりに人気もあったし成功もできたと思うけど、やり続けてもああはなれなかった筈です。彼らに比べると非常に脆弱というか、B52’sはメンバーが60歳を越えている今でも全米ツアーをやっているけど、プラスチックスがそこまで長くやる基本体力とか、悪い言い方をすると、そこまでバカになれないだろうと(笑)そんな差があると思うんです。四人囃子にしてもある時期はピンク・フロイドに引けをとらない演奏能力があったと思うけど、しかしあそこまで行けない弱さみたいなのがやはり抜けない。

鈴木:その反面YMOが世界的に成功した前例もある訳ですけど

佐久間:ただ、YMOに関しては、あくまで商業的なやり方であって、リアルタイムで見ていた立場だと、日本のレコード会社のお金を投資して、ライヴを成功させて名前出して、最終的に日本で成功してという。あくまで方法なのですけど、広義で世界的な成功というのとは少し違っていて、クラフトワーク級になれたか?といえばそうではない。
プラスチックスは本当に自力でアメリカに渡って、向こうのマネージメントとやっていてライヴも地元のファンで埋まって、その時期は日本で一切力を入れることが出来なかった、そこは違いではあると思います。

鈴木:それでも昔より遥かに日本の文化として理解されるようにはなったと思いますけど、
これからのバンドが海外で成功するには?術というのはありますか?

佐久間:文化といえば難しくなってしまうけど、今、結構向こうで成功している日本のバンドもいて、彼らはもの凄くインディペンデントな動きをして成功している気がするんですよね。逆に今、何らかのお金をかけ、売ろうと裏でやると無理な感じがする。本人達だけで自力で頑張ってアメリカツアーをこなしてやっていくと、可能性はあると思う
やはりレコード会社に頼ったら難しい、未だに無駄な制約みたいなことが多すぎて、ミュージシャンが自由に動けない点などは構造的な問題のような気がする。

海外デビューする日本のバンドが世界で成功するには? 日本のメーカーは国内だけやるべき
鈴木:あとレコード契約という意味では日本のメーカーは日本の国内だけでやって、海外は海外に任せた方がいいということですね。構造的な問題といえば、今全世界でアナログ盤の売上げが30%以上上がっている、この現状も含めて「レコード・ストア・デイ・ジャパン」(*注)を昨年本格的にスタートしているのですが、この現象を新たな音楽文化として見据えるメーカーが殆どない。海外でアナログレコードが売れていることすら知らない人が現場に多いのが現状です。実際は日本でもレコード針の注文が年々、増えているという現実もあるのですが。多くのレコード会社は定額制=サブスクリプションの議論を未だにしている状態。ただ、聴き放題サービスもまだ海外の売上げ増収になるような成功が無いまま今日に至っている訳で、日本の場合、聴き側としても5000万曲用意したとしても、何を聴いていいか判らなくなるみたいな状況ですよね。

佐久間:普段、本を読まない人が大きな本屋に行って呆然とするみたいな感じですね。

鈴木:売れなくなってきた理由は聴き手が音楽文化から離れている、聴くべき音楽が無いという意見もあるし、ミュージックソムリエとしてはそれを断ち切りたいとは思っています。

エレキギターを超える革新は未だに生まれていない
佐久間:新しい音楽形態というのが生まれなくなってしまったのもあるでしょう。ロックも半世紀、大きな流れが変わったのだけど、その後がなくて、聴くべき音楽はビートルズ、ストーンズを聴いてれば全て済んじゃう。その延長を聴く必要もないので、新しい音楽の必然は薄れていく。それに昔と違ってネットで幾らでも古いものが自由に聴けるので、新しいものを聴く必然性が無く、新しいミュージシャンが例え育っていても、目の行きようがなく埋もれてしまうってこともあるかと思う。

鈴木:その意味ではボカロっていうのは新たな意味を見出す可能性はあると思うのですが?

佐久間:ボカロは自分でもやっていますけど、僕はまだ大きな可能性は感じてなくて、あくまで遊びの延長戦上なのかなと。ボカロがどんどん技術的に進んで行くと可能性はありますけど、今のように一社でやっている状態ではまだ駄目で、競合があって研ぎ澄まされて始めて技術として成功していくものだと思うし。やはりキャラクターを前面に出した形でやっている状況では、あくまでも遊び範疇で捉えられ、本当の音楽ツールとして使えるところまではまだまだ行かない。もっと人間の体をシュミュレートしてこういう体形でこういうサイズの女の人とかと、モデリングをして声を出しリアルタイムで動かせる、ここまで来ると使い道は変わってくるでしょう。あと別の道としては、医療分野というか、声を出せない人が歌えるようになるとか、そういう部分で期待しているのですが、まだ発展途上の状態から抜けられていない。ただ作家や音楽を楽しむ人たちにとっては「歌ってくれる娘が出来た」という意味では意味がありますが、あくまでその段階でしかないかなと思います。

鈴木:音的には2000年代のデジタルロック以降はほぼ音楽の進化は止まったと考えてもいいでしょうかね。

佐久間:私個人としてはエレキギター以降、新しいものは出ていないと思っています。シンセサイザーの登場もエポックメイキングではなくてギターのエフェクターが進化した位のレベルの話で、エレキギターの登場でバックボーンになったことのような変化に比べると小さい事。ポストエレキみたいなものがどうなっていくか?これは非常に難しくてマンマシン・インターフェイスという意味ではシンセはギターほど成功できてない。キーボードの形態から抜けられず、色々なものは試作されているけど現状の開発の歴史上は上手くいってない。僕も色々考えてみたけど、肉体的な衝動をどう具現化するか?というところでシンセはギターに適わないんですよ。画期的なやり方で音をコントロールするものが出てくれば、ひょっとしたら新しいものが生まれる切っ掛けになるかもしれないですけどね。

歌を修正することに抵抗はない ただそもそもの目的を忘れないで使えばいいと思う
鈴木:いい作品が出なくなっている現状を考えると、レコーディングに緊張感が無くなったというのは個人的に感じているところです。今はデータを飛ばしてスカイプで会話しながらレコーディングしたり、レコーディングスタジオで生まれるコミュニケーションが無くなったのも大きいかなと。

佐久間:僕は、その点についてはやりかた次第で道具が便利な方がいいと思う派ですね。ただ道具であるからちゃんと使えるものをちゃんと使う。便利になるとちゃんと追求する人が減ってしまう、たぶん先ほど話しに出たボカロとかもどこまでも追求すれば面白いだろうけど、そこまでやらなくても出来ちゃうんで、中々深いところまで行けない。

鈴木:逆にピッチとかはピッタシにならないと駄目みたいな風潮もあって、例えば今のK-popの制作現場だと、バラバラのサウンドを日本のエンジニアがタイミングやらピッチやらを細部まで丁寧に直して、それをアメリカでトラックダウンして製品化するという工程で、僕はこれはとても音楽を作る作業とは思えないんですが。

佐久間:僕は余り抵抗ないんですよ。それも一つのやり方でいいし、逆に直さない音楽もいいと思うし。僕の場合、70年代からアイドルの歌を直すのもやっている部分もあるからかもしれないけど。ピッチを直すのは、音楽的な矛盾を排除する作業で、やり方によっては、詰まらない音に聞こえることもあるし、凄くいい音になることもある。
そもそも何で直すかというと、歌い手のエモーションを残したいというのもあり、たまたまその録音で部分的に音程が外れたから直せばいいじゃんという発想で、そもそもの目的を皆が忘れないで使えばいいと思うんです。

(記事引用)


音楽プロデューサー・佐久間正英氏が語る(後編)
「音楽業界の危機的状況」 - BLOGOS編集部
https://news.livedoor.com/article/detail/22254212/
2022年3月30日 0時0分 BLOGOS
※この記事は2012年06月28日にBLOGOSで公開されたものです
佐久間正英氏。(撮影:田野幸伸) 写真一覧
BOØWY、JUDY AND MARY、GLAY、THE BLUE HEARTS、黒夢、くるりなど、数多くのミュージシャンのプロデュースを手がけてきた音楽プロデューサー・佐久間正英氏。音楽業界で長年ビジネスと制作の両面で活躍してきた佐久間氏が自身のFacebook・ブログ連続でアップした「音楽家が音楽を諦める時」「昨夜の投稿の追加文」「音楽における音情報」の3エントリが大きな話題を呼んだ。ビジネスとアートをどう両立させるのか、そして、日本の音楽家や音楽業界が抱える問題について、佐久間氏に話を聞くことができた。
【編集部 大谷広太・田野幸伸】

プロデューサーとして感じる”危惧”
-音楽に携わる方には、作詞・作曲家、プロデューサー、レコーディングのエンジニアなど、最終的にパッケージとしてリスナーに届くまでに、多くの職種や役割の方の手を経ていると思います。また、それぞれのお仕事に、ビジネスサイドとアーティストサイドの二軸のスタンスやアプローチがあると思います。
佐久間さんご自身は、作曲者やバンドのメンバーとしてではなく、プロデューサーとしては、どのようなスタンスでお仕事をなさっているのでしょうか。

佐久間氏:漠然としていて、語弊があるんですけど、要は、「いい音楽」を作る、「いい音楽」にしたいということです。

プロデュースという仕事だけに関して言えば、それは、僕にとっての「いい音楽」ではないんです。アーティストにとっての「いい音楽」を作るのが僕の仕事です。だから僕の仕事は、そのバンドをより良くしたい、その舞台をより良くしたい、より良い作品を作りたいというところだけですね。

-曲を作った人やバンドが、何をどのようにアウトプットして、リスナーに届けたいかという、”音の理想像”みたいなもの、”表現したいこと”を形にすると。

佐久間氏:はい。それをどう引っ張り出して、どう整合性を取るか。プロデュースというのは、建築に例えて言えば、現場監督なんです。全体像を見ることができて、図面が読めて。最終的にはネジの1つも落っこちてないようにした上で、引き渡せるようにすると。だから、設計士ではないし、大工でもない。曲に口を出したり、実際に楽器を演奏することで、その”設計”や”大工”の仕事を手伝うときもあるけど。

僕の様なプロデューサーの仕事は、その建物に自分の思い入れを入れ込む、自分はこういう部材を使ったほうがいいと思うとかって口出すことではなくて、設計士から相談を受けた時に初めて、僕だったらこれを使いますね、と言う。そういう仕事なんです。

-今回の佐久間さんのエントリは、どちらかというとアーティストサイドの立場でのお話しのように読んだのですが、反応は、大きく2つあったのではないかと思います。


ひとつは、多額の制作コストがかかっているにもかかわらず、商品は売れないというこの状況に、もっと早く気付いて諦めたらいいのに、という批判です。

そしてもうひとつは、初音ミクを使って、「ボーカロイド作曲・アレンジ講座」を開講したり、ウェブ上で無料で音楽を発表したりと、制作とビジネスの両面で新しい領域に積極的に取り組んでいた、その佐久間さんが「諦める」と書いたことに衝撃を受けたという意見。これは佐久間さんの活動を知っていないとわからないことではありますが…。

佐久間氏:僕はあくまで文化の話として危惧があって、このままだと日本の音楽文化はもっとだめになっちゃうぞ、という話として書いたものです。だから「音楽家が音楽を諦める時」は、ビジネスとしてではなくて、この先、日本の音楽をもっとよくしていくことを諦めなくてはいけないと。そういう意味の”諦める”というニュアンスだったんですね。

だから批判の意見を読んだときに違和感を感じて。よく考えてみたらあの文章を音楽ビジネスの話だと捉えた方も多かったのです。音楽文化の話しだったのですが。

コストの話も誤解を生んだ一因だった様ですが、今は特にコストをかけなくてももちろん制作は出来るわけですし、いかにコストかけないかということも制作者としては大事なことです。

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いい環境でやらない限り気付けないことがある
-やっぱり仕事をするからにはいい仕事をしたい、納得する仕事をしたい、という部分は、音楽業界に携わっていなくても、みなさん共感していただける部分なのかなと思います。だからこそ、やはりこのままでは、先ほどの”理想像”をどんどん実現させるのが難しくなってしまうという実感の中で「この状況を諦めるか」と書いたと。

佐久間氏:それなりの手法があるので出来るのですが、僕の言うのは音楽の文化としての継承や、発展ですよね。例えば、アメリカでもヨーロッパでも、音楽業界の状況は似たようなものだと思うんですけど、音楽をやってきた歴史と背景があまりにも違います。だから今でも向こうのバンドはほっといてもいいことができる。それはお金の問題ではない。

-具体的にはどのような点で違いますか?

佐久間氏:例えば演奏力です。

すでにプロとしてデビューしているバンドならば、認められた実績があるわけで、一定の演奏力、表現力はありますよね。それでもとても足りない部分があるんですよ。それをレコーディングなどを通して、いろんなことを教えていく。

そうするとバンドっていうのは一気に伸びていくんです。レコーディングは、アルバムだったら1ヶ月くらいはかかる。で、その1ヶ月の時間の中にたくさん話すこともできるし、教えることもできる。でも、それが実際には、今のようにコストがかけられなくなると、アルバム1枚を3日で作るとか、5日で作ることになる。その3日の付き合いの中で、どれだけのことを教えられるか、どれだけの関係性を作り上げられるかと言ったら、それはとてもむずかしいですよ。

実はもっといいものが出来るかもしれないし。せっかくいい才能を感じていても、その上澄みくらいまでしか引っ張り出せない。そういうことへの危惧なんです。

僕らみたいなプロが今まで培ってきた歴史、得てきたノウハウが活かされなくなって、若い子たちがどうやって作ったらいいか分かんなくなってしまうことはもったいないことだなと。

ロックバンドの話で言えば、せっかく才能のある、優れている人たちでもアマチュアバンドのまま止まっちゃいます。

録音っていうのは、エンジニア的な、テクニカルな話だけではなくて、楽器を選ぶ、良い楽器と良くない楽器の違いを知ることも重要です。例えば若いバンドをプロデュースしていると、彼らは良い楽器を持ってないわけですよ。そういう子たちに良い楽器を貸したり直してあげたりすると。「こんなに弾きやすかったんだ」って初めて知るわけです。それは経験しないと分からないですよ。初めて良い楽器を手にして、良いアンプで鳴らし、いいスタジオでいい録音状態で聴いて、俺の弾くギターっていうのはこういう音がするのか、とわかる。

それをやらせてあげられる環境がなくなっちゃうと、本当にプレイヤーが育たなくなってしまう。些細なことだけれども一番大事な音楽を作り出す時点のスタート。例えば、ギターのピック1枚、種類を変えるだけで音は全然変わるわけです。あるいは電源ケーブルを変えるだけでも音が変わる。そういうことを伝えて行けなくなる。

でも、その違いに気づけないわけなんですよ。いい環境でやらない限り。そのノウハウというか、音楽の捉え方みたいなものを含めて、伝えにくくなってしまった。

-聴いている側としては、いや、別にそれでもいいんだよ、と言う方もいらっしゃるかもしれないですよね。

佐久間氏:それはそういう文化が育ってしまったということですよね。今回の僕のエントリへの反応を見ていると、昔の音楽は良かったとか、昔のバンドは良かった、みたいな意見も多かった。それはまさにそういうことかなと。音楽が良くなれば、音楽を聴かなくなるってことはないと思う。僕は、ボーカロイドには批判的ではないんですけど。つまらないからみんな、人が歌っているのより、ボーカロイドがよっぽどいいや、ってなっちゃうんです。

そこに関しては、アメリカは圧倒的な歴史や知識の世代間の積み重ねがあります。例えば、僕の親の世代である80から90歳の年代が、ジャズを聴いて踊っていた世代。でも、その世代の日本人は、ほとんどそんな音楽は聴いたことがない。日本では僕らの世代が見様見真似でやっと始まったようなものですから。

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日本の音楽業界の問題点
-ツイートを拝見していまして、違法ダウンロードの刑事罰化も、巡り巡ると表現する人たちにとっても、いい結果をもたらさないということをおっしゃっていました。

佐久間氏:表現をする人たちの”自由”を保証するように法を改正していかないと。今は自由じゃないんですよ。

例えば、仮に音楽をウェブで売ろうとした時に、自分で作った曲であっても権利登録されていたらできないわけですよ。あるいはどこかのレコード会社で作っちゃっていたものも、もうできない。曲なんて資産ですよね。そうやって縛るのではなく、煩雑な手続きもなく有効活用できる、もっとオープンな方向な音楽シーンというか、環境に向かわないとさらに衰退するんじゃないかなと思う。

-海外はエンターテインメントビジネスが日本に比べて非常に発達している印象があるのですが、アーティストとレコード会社との契約や業界の慣習など、海外と日本で違う点にはどのようなところがあるのでしょうか。

佐久間氏: 僕は80年代にPLASTICSというバンドをやっていて、海外ではラフ・トレード・レコード(Rough Trade Records)、アイランド・レコード(Island Records)というレコード会社から出したりしているんですけど、レコード会社の体質とか、やり方っていうのが全く違うんです。

当時のアイランド・レコードは、世界でも大ヒットを沢山飛ばしていましたが、ちっちゃな建物でした。しかも人数もそんなにいない。壁には大きな模造紙を貼って、手書きで各バンドのスケジュールなどを書いている。ラフ・トレード・レコードでは社員が自分たちで箱詰めをして、1階からトラックで積んで出荷すると。そんなやり方です。はじめから考え方や規模が違って。日本のレコード産業の構造的な問題はそこらへんだと思います。

-音楽に対する考え方とか目的みたいなものがちょっと違うと感じたのでしょうか。

佐久間氏:そうですね。音楽への真剣さを感じました。僕が初めてラフ・トレードの社長に会いに行き、社長室に入って行った時に、名前を言う前に、「お前、PLASTICSだな」と言われた。PLASTICSはラフ・トレード・レコードからは1枚しか出していないし、会いに行ったのは発売後10年近く経ってからのことです。

社長が、たった一枚しか出していないアーティストのことも分かる。「あれよかった」と、音楽の話ができる。ビジネスに対する真面目さがあまりにも違うなと感じました。

アイランド・レコードでPLASTICSでアメリカを回っていた時に、各地方ごとに営業の担当が来るんです。彼らは、初対面の時にもちろんバンドの全員の名前がわかる。で、「今回のを聴いたけど、あれは前のバージョンのほうが好きだった」とか、そういう話までちゃんと出来るんです。

日本では地方にプロモーションに行くとラジオ局を回ったりして最後はご接待、となるわけですが、この人は僕らの音楽を聴いたことがあるのかっていう人がたくさんいるわけです。引き連れるコースのことしか考えていない。

通常の商売では、当たり前のことですが、自分のところの商品を触ったこともないやつが商品を売れるわけがない。でも、そういう普通では無いことがずっとまかり通ってしまったのが、日本の音楽業界なんです。

-音楽業界にいる人たちが、自分で実際にCDを買ったりしてないんじゃないのだろうかというような批判もあります。

佐久間氏:そんなことはないと思います。擁護するわけではないんですけど、レコード会社でやっている人は音楽は好きですよ。ただ音楽を商品として扱える知識がないですね。売上を伸ばすための宣伝方法とかそういう知識はあるのですが、商品自体に対する知識があまりにもないんじゃないかなと。

知識があるとしても、アーティストのキャラクターとか、こいつはこういうやつだとか、こいつはこういう曲を作るやつだとか、その範囲にとどまっている感じがするんです。商品のこの部品の、ここを変えればもっとよくなるんじゃないか、ということを考えられる人がほとんどいない。そういう部分は全部プロデューサーとかに丸投げしてしまっている。

もちろん、たまにとても優れた方もいたりするんですけど、この人は優れているなと思ってた人は、だいたい社長とかになっちゃうんですけど(笑)。

商業的な部分での音楽の作り方だけを見ていても、例えばアイドルでは、まともに歌ったこともない子をオーディションで集めて、その中でルックスがよくて歌がマシな子を選んでやる、で、売る、何万枚売れたでよしとしている。

韓国のシーンを見ていると、アーティストを見つけるためにすごく真剣な努力をしていて、一番才能のある子を何年もかけて育て上げる。日本向けに出そうとしている子には、デビュー前に日本語を徹底的に勉強させる、1年くらい日本に住ませることもある。そこまでお金を投資して初めてデビューさせるんです。日本のアイドルのクオリティでかなうわけがないんですよ。

例えば楽曲にしても、日本では何人かの作曲家に依頼したとしても選ぶのはディレクターとか事務所社長とか、言ってしまえば音楽をあまりよく分かっていない人だったりするみたいですが韓国での話を聞くと、今回はスウェーデンのグループの曲を、という具合に、世界中に発注して集めている。そういうレベルで対応している。

ビジネスの仕方も、印象ではアメリカのビジネスのやり方と近い。僕が会った方も、日本の音楽業界の人とはまるでスピードが違うんですね。話していて、「気に入った、分かった、じゃあすぐ契約しよう」、「契約のドラフトはどういうふうに作ろう」と、初対面の場で出たことがあります。すごくびっくりしました。日本だったら、「ではこの話は会社に持ち帰って、社内で協議します」となる。それからドラフトを作成、そして3ヶ月後にという話になると思うんです。

-日本のアーティストがアジアに行って人気が出ていると報道は良く目にしますが、知らない間にアジアに負けてしまっていると。

佐久間氏:かなりの部分で負けているとは思いますね。アジアで音楽祭があっても、最近では日本のアイドルが呼ばれる数は圧倒的に少ないですから。数年前だったら、もっとたくさん呼ばれていました。

シンガポールもまだ発展途上な段階なんですけど、これからやっていくのにどの国とタッグを組むかという話になっても、初めから相手として日本は考えていないと言うんです。日本の音楽レベルには興味がないと言われているような気がしました。

アジアの中では、ロックバンドに関しては唯一日本にも活路があるのかなと思いますが、正直に言って、それも時間の問題かなという気がしてます。今のやり方をしていると、聖飢魔IIであれ、GLAYであれ、B’zであれ、せっかくあのレベルまで持ってきたものがもう育たないだろうなという感じがしています。

東京・中目黒にある青葉台スタジオ。ここで数々の名盤が録音されています。 写真一覧

「違法DL刑事罰化」の議論もいずれ笑い話に
-編集部の私達は30歳前後ですので、記録媒体としてはCDが主流の世代です。リスナーとしては、配信が主流になって、音楽自体はデータになってしまったので、ジャケットやブックレットへの思い入れや、それが棚に並んでいたりすることがなくなってしまったことを少し寂しく感じたりもします。今回のエントリの反応の中にも、CDから配信になったことに触れた意見がありました。

佐久間氏:それは過渡期現象であって、例えば、アナログ盤からCDになっていく時に、ジャケットが小さいのじゃアートは表現できない、ジャケットはあのサイズが楽しかった、そういう意見はありました。

ダウンロードなんてのも一過性のもので、あんな面倒くさいことをしたくないわけですよ。昔の人はFMでエア・チェックして、で、それを楽しみにしたんですけど、それは音楽を聴きながらだから楽しめる。ダウンロードっていうのは音楽を聴いていないから、楽しいことでもなんでもなくて面倒くさい。

もっとインフラが整備されて転送・通信速度が上がれば、ダウンロードではなく、ストリーミングに向かって行くと思うんです。

ダウンロードっていうのは個人間のやりとりくらいになると思うんですよ。そういう場合でもほとんど、Dropboxに象徴されるようにPCの中にたくさんのデータを入れておくような時代は遅かれ早かれなくなるのかなと思います。

そうすれば権利も含めて管理もしやすくなるし、違法ダウンロードだのなんだのって今言っているのがナンセンスな課題だったねって、笑い話に必ずなるんじゃないかと思うんですよ。

-データがどこにあるかの問題ではなくなりますからね。

アナログからCDになって音が悪いとか、CDからMP3になって音が悪いとかっていうのも、全てインフラの未整備とか、そういう技術的な問題だと思うんです。過渡期現象における貧困な感じです。

例えば、わざわざMP3にコンバートしちゃうのはデータ転送速度が遅いからなんだけど、音楽を作っている現場では、もっと高いレートでやっている。それをそのまま出せればいいんですけど、インフラがよくなれば必ずいい音の配信になる。しかも、いずれは必ずCDよりもいい音で配信できる。

デジタル化していくという問題は、実は技術の発達の問題だと思うんですよ。僕は今DSD(Direct Stream Digital)と言う方式でやっているのですが、本当は全てDSDに向かうべきだと思いますよ。まだ転送速度の問題だとか技術的にまだ現実化できないだけで。

-いずれ、本当の生演奏に近い音で聴ける日が。

佐久間氏:必ずくる。僕らが音楽を作っている。それをミキシングの人がDSDにする。ミックスしてDSDに落としたものをDSDプレイヤーを持っている人が聴けば、全く同じ音を聴ける。DSDっていうのは距離感から何からそのまま入るので。

-最初の話に戻りますが(笑)、そうなると、やはり佐久間さんがご自身のエントリで問題提起された、スタジオの”職人”の技術は、むしろこの先必要になってくるわけですね。

佐久間氏:とても大事なんですよね。

-そうすると、せっかく、もうすぐとてもいい音で聴けるような環境になる手前に、そこで文化が途絶えてしまって…

佐久間氏:特に日本の場合はそうなる。

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今のうちに何とかしないと手遅れになる
-これから音楽に触れることになるような子どもたちにとっては、いい時代なんでしょうか。そうではないのでしょうか。

佐久間氏:いや、音楽を始めるには、どの時代も、いい時代も悪い時代もないと思いますね。ただ、僕の若い頃に比べて、今は情報が簡単に入る分ラッキーですが、その分、勘違いしやすいという面ではアンラッキー。でもそれは、情報を整理して、どう自分のものにしていくか、それも含めて個人の力量だから、それでダメならどうやってもダメなわけで。同じ時代を同じところで生きていても伸びる子はすごくなるわけです。

総じて良くなることなんてあり得なくて、抜きん出た子も抜きん出方がどうかっていう。今は抜きん出方のピークが小さいなと。相対的にレベルをあげるなんて言うのは無理ですね。

-たしかに、情報量が多すぎて、どれを聴いていていいのか分からないっていうのがあるのかもしれないですね。

佐久間氏:例えば、インディーズの音源をダウンロードできるサイトにいっても、たくさんありすぎて、片っ端から聴いて好きなのを探せと言われても、探しようもない。じゃあ、いいや、買わないや、ってなっちゃうんです。

そういう意味で、A&R(編集部注:アーティストや、アーティストに合った楽曲の発掘や育成、契約を行う職種。)の役割は今までよりも、さらに重要になってきていると思うんです。レコード会社でそういうノウハウを持っていた人が、レコード会社がだめになったからってやめちゃわないで、そのせっかくのノウハウをそういうところにどんどん活かすことができるシステムができていくといいなとは思うんです。

-逆に、大ヒット、ミリオンセラーが出なくなったという話があります。

佐久間氏:ミリオンなんて出なくなるに決まっているんですよ。僕の考えを言えば、ミリオンが出るような時代っていうのは、みんなが共通の情報を持ちたい時ですよね。あの子が聴いているから私も、みたいな。そういう時期なだけで、それが個に向かった時代には絶対ミリオンは存在しない。100万枚売れるアーティストが1組出るより、1万枚売れるアーティストが100組出たほうが文化的には正しいと思う。

-好みが細分化されているというということは、それぞれのジャンルで、チャンスがあるということも言えますよね。

佐久間氏:そうだと思う。ただ、いつの間にか気付いたら1万枚売れるのが100組ではなくて、100枚しか売れないアーティストが1万組になっちゃったっていうのが今の状況ですよね。

-“表現”と”娯楽”の両立が難しくなっているということはありますか?

佐久間氏:実際には、ちゃんと表現できていればそれがエンターテインメントになる。半端だからエンターテインメントにはならないっていうだけだと思うんですけど。

-以前、坂本龍一さんが、CDが売れない現状について、これからはパッケージされたアウトプットより、ライブパフォーマンスにも注力したほうがいいんじゃないかという主旨の発言をされたことがありました。

佐久間氏:収入のバランスをとるには、今ビジュアル系の人たちがやっているような形が一番いいとは思います。ライブとグッズで。CDはおまけに近いようなスタイル。それでリクープすればいいっていう考えがある気がします。

でも僕はそうではないだろうなって思うんですよ。ライブを見られるのは僅かな人々と少しの時間です。実際には多くの人はヘッドホンで音楽を聴き、家で音楽を流し、ということをやっている。もし新しい録音物が作れなくなってしまったら、みんな昔のものしか聴けなくなってしまう。

-最近では、握手券目的で大量のAKB48のCDが購入され、そして捨てられている、ということについての議論がありました。CDの中に入っている、音楽を作っている人々からしたら、どういう思いなんでしょうか。

佐久間氏:あれは、捨てられようが何をされようが、あの”パッケージ”が売れることが目的なので、CDを捨てるなんて、みたいな気持ちは全然無いですね。あの場合、そこではCDは”包装の一部”だと思うので。他のものが欲しくて、おまけでCDがついてきているということです。例えば、本を買っておまけでCDがついてきたとして、CDに興味が無い人は捨てますよ。それと同じことであって、商売としてずるいも何もないとぼくは思うんです。

-リスナーが今後考えていかなければならないことは。

佐久間氏:音楽を作る人間が真摯な態度で、それと同時に、届ける人間もちゃんとしたいい音楽を手がけていけば、どうもしなくていいと思うんですよ。

それを聴いていればもちろん人も変わってくるわけで。大衆が音楽をダメにするわけでもないし、音楽をダメにしているとしたら、それはやはり音楽家、あるいは音楽を出す人たちなんじゃないかなと思うんです。

-そうした危機感を踏まえて、廃れようとしているノウハウをなんとかとしなければならないと問題提起されたと。

佐久間氏:今のうちに何とかしないと手遅れになっちゃうぞと。それは業界を守るためでも、ビジネスのためでもなくて、音楽を守るため。それは僕だけではなくて、僕の周りの友達のプロデューサーと話をしていても、「音楽を諦める時」だっていう雰囲気がするんですね。やめちゃおうかなって。

僕は音楽はやめないけど、このまま関わっていくのは悲しいなっていう。そこまでしてやりたくないし、ほかのバイトをしてもいいやみたいな。そのくらいどうしようもない危機的な状況にある。僕がああやって書きましたけど、僕自身が音楽を一切やめる気なんか無くて、ただ、職業としての関わり方はだんだんバカらしくなってきてしまって。もちろん頑張らないといけないんですけど。夢の様な時代が来るまでは(笑)。

-AKB48のCDの話も、佐久間さんのエントリをめぐる論争も含め、みんな音楽が好きで、だからこそ熱く議論になるのだと思いました。

佐久間氏:それは明るい兆しというか、そんなに悲観的になることではないじゃんっていうことだとも言えるかもしれませんね。

-そんな中で佐久間さんがあえて声を上げられたからこその、今回の大きな反響だと思います。このインタビューにも、きっと色々なコメントがつくと思うのですけど(笑)。

佐久間氏:いい意味でも悪い意味でも(笑)。今回の記事もいろんな捉え方されちゃうだろうしね(笑)。

-今日はありがとうございました。(6月22日、佐久間氏の事務所にて)
【編集部 大谷広太・田野幸伸】

リンク先を見る佐久間正英 (さくま まさひで)
1952年3月:東京都文京区生まれ。
都立西高に在学中のキーボード奏者茂木由多加(後に四人囃子等)と知り合う。和光大学在学中にフォーク・グループ「ノアの箱船」を茂木由多加、下幸子と結成。その後メンバーの変遷を経て1971年「万華鏡」結成。1973年:Kb.茂木由多加、Dr.宇都宮カズ(後に高橋直人が参加)とキーボード・トリオ「MythTouch」結成。ギターからベースへ転向。四人囃子、安全バンド等と共に”浦和ロックンロール・センター”を拠点として活動。1975年:和光大学卒業後、「四人囃子」にベーシストとして参加。以後作・編曲家、スタジオ・ミュージシャンとしてのインディペンデントな活動を開始。1978年:「Plastics」に参加。「P-Model」の1st Album「In A Model Room」をプロデュース。「The Plastics」イギリス、ラフトレードよりデビュー。1980年:「Plastics」ワールド・ツァー開始。同時期よりCM音楽作曲、アイドル・ポップスの作・編曲、映画音楽等を手掛け始める。1984年:初Solo Album「Lisa」(果樹園のリサ)リリース。1985年:「Boowy」「The Street Sliders」のプロデュース。同時期よりプロデューサーとしての活動が多数増え現在に至る。

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鈴木健士 (すずきけんじ)
1961年東京都出身。マネージャーや国内海外での制作を経験。退職後、CM音楽制作会社へ。20代で社長になり社名をミュータントとして新規スタート。CM音楽制作のほかアーティストプロデュースやアーティストマネージメントも行う。扱った音楽制作は3000作品以上。任天堂ピクミン「愛のうた」エースコックスーパーカップのザ・タイマーズ「デイドリームビリーバー」など様々なCMタイアップなど手がける。林明日香プロデューサーとして、デビュー曲「ake-kaze」の作詞など多くの作詞作品も提供。2007年、NPO法人ミュージックソムリエ協会を設立。理事長に就任。「CDショップ大賞」の立ち上げから運営、RECORD STORE DAY JAPANの事務局運営、Music Sommelier at CAYのイベント運営、ミュージックソムリエの育成講座を実施している。

プロフィール 佐久間正英(さくま まさひで)
1952年東京生。四人囃子・PLASTICSを始めNiNa, The d.e.p. などのバンドの主要メンバー。また、プロデューサーとしては1979年、P-MODELのプロデュースで活動を開始。以後SKIN, BOOWY, The Street Sliders, Up Beat, The Blue Hearts, 筋肉少女帯, Jun Sky Walkers, 氷室京介, JUDY AND MARY, GLAY, Hysteric Blue, 175R 等々その仕事数は140アーティストにのぼる。また、映画音楽、TV-CM等の音楽、作曲家・アレンジャーとしての仕事も幅広く手掛けている。

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