ロッキード事件の真相
昨日のNHKテレビ2話を見た限りではその真相追究まで至っていない。
今晩の3話(前項参照)で、一気に決着するか、という感想だが、そもそもこの事件がウヤムヤで終わっているだけに、いくら「ドキュメンタリードラマ」といえども創作はできない。

たまたま、ここで書いていた「都知事選選挙戦」の過去の経緯、巨額利権既得権の最終的行き場、を探っていたところこのテレビ放送があったので、よく似た話だ、とおもい拙著ブログを参考にして「場当たり的」に意見してみた。
「場当たり的」というのはいい加減、というのではなく、いくら個人がネタ検索したところで限界もあるし、また「田中角栄」という時代的背景やその出生地など、要素が複雑に絡み合って真理を探り出すには無理がある。
また、すでに出来上がってしまった一定の「ニュースソース」パターンは覆せない。

ここに引用した記事は比較的、平易な解釈で真相究明しているので掲載した。(コメントも併せて載せたが誹謗中傷的意見は無視した)
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中曽根元首相の証言「ロッキード事件は米国の陰謀」世川行介
投稿者 内田良平 2011 年 11 月 05 日 
小沢一郎を窮地に追い込んだ今回の「小沢事件」と田中角栄を貶めた「ロッキード事件」の共通点について、多くの関係者が米国の陰謀説を唱えている。
小沢も田中も強大な権力を握りながら、対米従属から自主外交に歩を進めようとしたため米国という虎の尾を踏んだというものだ。今回、世川氏が12月に「小沢一郎支援本」の中で、中曽根元首相のロッキード事件に関する証言を取り上げ、小沢事件の核心に迫ろうとしているので一部紹介したい。

<以下、抜粋>

ぼくは、小沢一郎事件のいびつ性を理解するためには、ロッキード事件を理解することが不可欠だ、と思っているので、今回の本は、そこを書いた。
特に、若い読者は、ロッキード事件と小沢一郎事件を、比較検証してみて欲しい。
中曽根康弘元首相のロッキード事件私見
僕は、「今回の小沢一郎事件と35年前のロッキード事件とはよく似ている」、と思っているわけだが、その理由を書くことにする。

30数年前、マスコミは、「ロッキード事件は、この国の総理大臣までからんだ一大汚職事件だ」と書き立て、マスコミに誘導された世論の支持をうけた検東京地検特捜部は、田中角栄を逮捕した。田中角栄は、マスコミから「悪の権化」のように指弾され、政界での力をうしない、子飼いの議員たちからそむかれ、病にたおれ、失意のうちに政界を去った。

しかし、30年経った現在では、あれほど大騒ぎになったロッキード事件に関して、「本当は、米国の陰謀であって、田中角栄はその犠牲者であった」というのが定説になりつつある。裁判所が一審から二審で出した判決とは、まったく異なる内容の説だ。

こうした米国政府がらみの事件は、半永久的に、その真実が日本国民の前に明かされることはないわけだから、政府や裁判所やマスコミが、「いや、たしかに、あの汚職事件は存在した」と言い張りつづけたら、おおくの国民は、それを信じていくことだろう。つまり、すべては「藪の中」のままで、「戦後歴史の闇」として葬り去られることだろう。

ここに、一つの文章がある。
元首相で、田中角栄と同時代を生き抜き、いまは数少ない戦後昭和政治の生き証人となった中曽根康弘が書いたものだ。彼は、当時をふり返ってこう述べている。

「田中内閣が発足して二年目の1973年秋、第四次中東戦争をきっかけとしてオイル・ショックが起こる。ペルシャ湾岸の石油産出国六カ国は石油価格を21%引き上げ、OAPEC十ヵ国石油担当相会議が五%の生産削減とアメリカなどイスラエル支持国(アラブ非友好国)に対する石油輸出禁止を決めた。仮に日本への石油輸出が毎月五%削減された場合、日本経済は翌年3月には立ち行かなくなることが目に見えていた。」

オイル・ショックの頃から、田中君は日本独自の石油資源外交に積極的な姿勢を取り、アラブ諸国から日本が直に買い付けてくる「日の丸石油」にまで色気を見せていた。
さらに、渡欧の際には、英国の北海油田からも日本に原油を入れたいと発言し、ソ連・ムルマンスクの天然ガスにも関心を示して、独自の資源獲得外交を展開しようとした。これがアメリカの虎の尾を踏むことになったと私は想像する。

世界を支配している石油メジャーの力は絶大である。いささか冒険主義的だった田中君の資源外交戦略が淵源となり、「ロッキード事件」が起こったのではないかと考えることがある。」「田中君が逮捕されてから間もなく、日本を訪れたキッシンジャー氏と二人きりで話していた折のことである。氏は、「ロッキード事件は、間違いだった。あれはやりすぎだったと思う」と、密かに私に言ったことがある。キッシンジャー氏は事件の本質、真相をおそらく知っていたに違いない。」       
     
(「私と角栄氏とキッシンジャーの言葉」中曽根)        

ここで、中曽根康弘元首相がことばを慎重に選びながら語っているのは、「ロッキード事件は、石油メジャー=米国政府の意向を無視して、独自の石油獲得外交をおしすすめた田中角栄首相に対する石油メジャー=米国政府からの報復であり、事件そのものは陰謀(=でっちあげ)だった気がする。それは、当時米国政府の中枢にいたキッシンジャー大統領補佐官も認めている。つまり、田中角栄は無罪であった」ということだ。

元首相で、「戦後政界の元老」といってもいい人物が、被告人田中角栄が控訴中に死亡し、審理中止になったとはいえ、一審二審では判決の出ている事件に関して、そう軽々しいことを言うはずもない。きっと、老いを意識した中曽根康弘の胸中に、「自分が、今のうちに真実を語っておかなければ」という政治家としての使命感と、おなじ戦後昭和政界を生きながら無念の最後を迎えた同い年の田中角栄に対する友情に似た思い、があったに違いない。

また、田中角栄の最後の秘書である朝賀昭は、「ロッキード裁判で、免責証言の採用という制度は日本の法律にはないのに、米国の免責証言を証拠として採用して田中先生を有罪にしたことがまちがいだった」、と言う。ロッキード副会長コーチャンや元東京駐在事務所代表クラッターといった米国実業界要人を日本で起訴できる可能性がないことと、米国で公正な手続で尋問がおこなわれたことを理由として、日本でははじめて、起訴されずに嘱託証人尋問調書が作成されたのだが、東京地裁は、「合理的理由があり適法である」として証拠採用した。これは日本の司法制度にない「司法取引」であり、弁護側は反対尋問さえできなかった。

朝賀昭が言っているのはその点で、「はたして、免責を保証された証言が信じるに値するものなのか」、「反対尋問もできない証言の採用はおかしいのではないのか」、との疑問は、国民のおおくも同様の思いだったから、裁判の進行状況とは関係なく、「ひょっとしたら、ロッキード事件は、なにがなんでも田中角栄を有罪にするためにねつ造された事件ではなかったのか?」という疑いを国民に与えつづけた。
(ただ、丸紅ルートの最高裁では、「共犯者に刑事免責を与えたうえで得た供述を事実認定にもちいる司法取引という制度を日本の法律は想定していない」として、コーチャンとクラッターの嘱託証人尋問調書の証拠能力を否定した。)

これに関して、井上正治は著書『田中角栄は無罪である』で、つぎのように述べている。

「裁判というものは、いつでも検察官とはっきり一線を画していなければならないことは当然である。だが、そうしたことさえ、ロッキード事件では通らなくなっている。ここに、私は司法権力の”権力化”を指摘せざるをえないのである。」「あの、最高裁の免責宣明は、当時の藤林長官によれば、司法行政の一つとしてなされたということだ。」「しかし、それは最高裁としてはでしゃばったおせっかいだったと言わなくてはならない。」

「具体的な事件を目の前にして、最高裁が下級裁判所に対し、いくら環境作りであれ、司法行政の名において何かをすると言うことは、下を拘束するはずのものであり、」「司法行政の名で最高裁が下級裁判所に向かって一定の指示をするというようなことは、重大な勇み足をしたことになる。いまさら大津事件を引用するまでもないが、最高裁こそ、検察官に対して厳しい一線を画しておかなければならなかった。」

「最高裁の強いバックアップでやっとコーチャン等の証言を書き取った調書が日本に渡ってきた時、日本の裁判所は、この最高裁のこのバックアップに目がくらみ、その調書を簡単に証拠として採用してしまうことになるのである.現に東京地裁は、その証拠能力を否定する勇気をどこにももちあわせなかった。」

ここで井上正治が言っているのは、訴えるがわの検察と、裁く側の裁判所とのあいだに、「身内意識」や「精神的な癒着」があってはならない、という一点だ。つまり、そうしたものが生じるということは、「司法側に、何らかの理由があって、ことのはじめに、田中角栄を有罪にせよ、という結論があってのことではないのか」という疑問の提出だ。

仮に、中曽根康弘元首相の言葉にもとづいて、米国政府からの強い要請があったため、どうしても田中角栄を有罪にしなくてはならなかった、という理由をベースにして見つめ直したら、ロッキード事件は、これまでとはまったく違った姿を見せてくる。ここにロッキード事件が、いまも国民に司法への疑念をいだかせた事件として記憶に残らざるをえない理由がある。

もし、ロッキード事件の真相が中曽根康弘元首相の示唆するとおりだったとしたら、田中角栄の後半生とは、いったい何だったのだろう。平成の現在、田中角栄の人気は、戦後政治家のなかでは抜群に高い。「歴史に残る政治家」とか、「好きな戦後政治家」といったいろいろなアンケートでも、そのことは証明されている。

しかし、人としてこの世に生れおち、政治家としての<理想>に燃えてまい進し、総理大臣にまでなって、やっと、これから日本を改革するんだと意気込んだ矢先、自国の利権を最優先する米国の意向によって、身に覚えのない容疑で逮捕され、刑事被告人にさせられ、政界での影響力をそぎ落とされ、子分議員たちにそむかれ、病にたおれ、政界引退を余儀なくされて、失意のうちに死ぬ。

それから三〇年も経ってから、「ロッキード事件はあったけど、人気度ナンバーワンの政治家だ」という言われ方で賞讃されて、これであの世の田中角栄は満足なのだろうか?
そんなわけがない。

コメント抜粋
05. 2011年11月05日 09:44:41: bewqggIZg2 
世川の作家としての力量はいかがなものか。
中曽根を持ち出してきて、
>。ヨ自分が、今のうちに真実を語っておかなければ」という政治家としての使命感と、おなじ戦後昭和政界を生きながら無念の最後を迎えた同い年の田中角栄に対する友情に似た思い、があったに違いない。などと書いている。思わず、笑ってしまった。

中曽根は、ロッキード疑惑で一番利益を受けた人物で、事件発覚当時、自民党の幹事長。
朝日新聞2010.2.12付の記事によると、中曽根幹事長は当時、米国に「momikesi」を依頼している。
はたして、その中曽根が田中角栄に「友情」を持つに至ったかは疑問であるし、世川の単なる「思い込み」の域を出ない。

世川の文章の特徴は、資料を駆使せず、感情論に持って行く点だ。
田中角栄の悲劇・小沢一郎の悲劇=世川(本名不明)の「悲劇」に持ち込もうという作為がありありとしている。
木村正治『田中角栄は無実である』は1985年初版。
その後、すぐれた「ロ裁判批判書」は数多く出版され、研究も進化している。
世川よ。
小沢擁護新理論を豪語するなら、内田良平と同じ手法(つまりコピペ)ではダメだよ。
最後に「ネット上で、個人情報の安易な提供は危険です」と言っておこう。

13. 2011年11月05日 17:37:06: mq8GRhS1S6 
なるほど!ロッキード事件は、どこかハッキリしないウサン臭いものを感じていましたが、アメリカ政府絡みとなると、万事がきれいに繋がってスッキリ理解できます。
21世紀になってエコノミック・ヒットマン(表向きは民間シンクタンクとして、南米各国に派遣される)の証言にもあるように、米政府(グローバル金融エリート)が南米諸国で70年代から90年代に行ってきた構図と全く同じですね。自国の利益を追求するという、ごく「真っ当な」指導者たちをあらゆる工作を打ち失脚させ、後に属米政権を立てるという。。
私は現在NYに住んでいますが、数週間前 "End of the FED"(FRBシステム廃止運動)のデモをマンハッタンのミッドタウンで見かけました。Alex Johns氏などの呼びかけもあって、この運動は全米各地に飛び火しているそうです。
ヨーロッパでもビルダーバーグ会議の存在が一般層にもかなり知られるようになってきているようで、、何か、これからの数年間がNWO側と我々側の正念場な気が致します。

41. 2011年11月06日 15:43:12: bewqggIZg2 
しかし、この世川という売文業はとんでもなく無節操だね。
①僕は、「今回の小沢一郎事件と三十五年前のロッキード事件とはよく似ている」、と思っているわけだが、その理由を書くことにする。

②ここで、中曽根康弘元首相がことばを慎重に選びながら語っているのは、「ロッキード事件は、石油メジャー=米国政府の意向を無視して、独自の石油獲得外交をおしすすめた田中角栄首相に対する石油メジャー=米国政府からの報復であり、事件そのものは陰謀(=でっちあげ)だった気がする。それは、当時米国政府の中枢にいたキッシンジャー大統領補佐官も認めている。つまり、田中角栄は無罪であった」ということだ。

③仮に、中曽根康弘元首相の言葉にもとづいて、米国政府からの強い要請があったため、どうしても田中角栄を有罪にしなくてはならなかった、という理由をベースにして見つめ直したら、ロッキード事件は、これまでとはまったく違った姿を見せてくる。ここにロッキード事件が、いまも国民に司法への疑念をいだかせた事件として記憶に残らざるをえない理由がある。

と結論付けている。

しかし、しかしである。

ロッキード裁判と小沢一郎事件は似ていると、今回きっぱりと書いているが、
な、なんと、世川は、2011.5.14に、同じ「世川日記」で以下のように書いている。

「小沢排除陰謀説で、すべてを、米国政府のせいにして、対米関係の中での構図を強調する論法は、あまりにも、短絡すぎる思考法のように思えてならない。」

え、アンタ、いつの間に「短絡すぎる思考法」になってしまったの・・・。

多分原因は、一冊しか読まなかった資料、井上正治の著書をコピペしたからなのだ。

こんな「スバラシイ」、送料45円の小沢擁護新理論本と引き換えに、
誰が、危険を犯して、個人情報を渡すもんかね。
  
42. 2011年11月06日 15:54:53: zTWZnIySLY 
日本人もバカばっかりでないのだから、国民投票制度を取り入れるべきだ。
米国からの独立は国民の一人一人の力しかない。論議を巻き起こせば、きっと日本国民のための自主外交ができる。不思議なのは、反小沢を叫ぶ連中は、みんなTPP賛成者であるのは、なぜか。岡田をはじめ、みなさん名前をあげてみてください。
それにしても、米国は気に食わないと、戦争を吹っかけて、二個も原爆を落としてつぶした。こんどはTPPによつて日本人が英語をしゃべり、読む国に変えようとしている。日本語は第二外国語で学校では選択科目に将来はなるだろう。そして、長い日本の歴史は黒塗りされ、皇室の存在も無視されるのか。
★阿修羅♪ > サイトより
(記事引用)